偶然屋 (小学館文庫 な 32-1)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 60
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  • Amazon.co.jp ・本 (413ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065688

作品紹介・あらすじ

その「偶然」は仕組まれたものかもしれない

出会いと別れ、栄光と挫折、幸福と不幸、そして生と死・・・・・・。
あなたの人生を左右した「偶然」や「運命」は、実はすべて仕組まれていたのかもしれない。奴らによって――。

弁護士試験に挫折して就職活動中の水氷里美は、ある日、電信柱に貼られた「オフィス油炭」という会社の求人広告を見つける。藁にもすがる思いで連絡を入れると、面接場所に指定されたのは、なんと錦糸町のパチンコ屋!?
数々のミッションをなんとかクリアして、入社が認められた里美に与えられたのは「アクシデントディレクター」という聞き慣れないお仕事だった――。

確率に異常にこだわる社長の油炭、かわいいけれど戦闘能力の超高い女子中学生・クロエとともに、里美はクライアントからの依頼を遂行していくが、あるとき「偶然屋」たちの前に、悪魔のような男の存在が浮かび上がる・・・・・・。

ブラックユーモアミステリーの名手が本領発揮! こんな展開、予測不能!!
『ドS刑事』シリーズで人気の著者、新たなる代表作。

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった
    いわゆる陰謀モノを連想します。それが身近で起こるのが偶然屋という感じ!
    全てが仕組まれているのでは?
    という設定が面白い!
    そして、この偶然屋という職業設定が良いですね。

    弁護士試験に挫折した主人公里美が就職した先は偶然屋!
    「アクシデントディレクタ」として、社長の油炭と女子中学生のクロエの3人でクライアントのために様々な偶然を仕込んでいきます。

    そんな3人が大きな流れに巻き込まれていくという展開!
    途中、途中で設定が変わって、登場人物が変わってしまい、どういうこと?
    と思っていたら、最後はなるほどと全部つながりました。
    まさに陰謀モノと思われる展開へ!

    エンターテイメントとして楽しめます。
    続編があるようなので、これまた期待します。

  • はて…あの時のトラブルは本当に偶然だったのだろうか…?
    と疑いだすと怖くなるミステリ。途中までは割と出来の良い作品だったが、最後がグダグダでいまひとつの評価。
    ルワンダの虐殺にヒントを得た人間の集団心理実験的な話はまあなくもないかなぁとは思うが、いくら何でも小説で読者を思うがままにコントロールして犯罪を犯させるというのは都合が良すぎる。最後にやっちまった感じでした。

    確かにアクシデントは演出しようと思えば出来るだろうし、実際にそういう場合もあるだろう。だが、あの時のトラブルはもしかして誰かの罠?!とか、この身に起きた不幸は実は仕掛けられたものでは?!などと言い出すと万事が怪しく見え、日常生活など送れなくなってしまう。この手の話は都市伝説と笑い飛ばすのが正解。もちろん偶然屋なんているはずもない。信じちゃいけませんよ。





    これでもう大丈夫。
    人間は一度疑ったことでもそうでないと納得すると、二度と疑わないものです。
    もしかして偶然屋っているかも?と思った人も「そうだよね、そんなのいるはずないし」と納得してくれたはず。
    偶然屋なんていませんよ、もちろん。
    (о´∀`о)ニヤリ

  • 読み始めた時は、単発物のお話が続くのかな?と思いながら読んでました。
    が、中盤から話が想定外の所から繋がって来て、最後は全部繋がる。
    面白かったです!
    パロディの小ネタもチラホラ。
    読む手が止まりませんでした(笑)
    ただ核心に迫ってからのスピード感が、ビックリするぐらい速い。
    最後の犯人の動機が、ちょ〜っとサラッとし過ぎかな?という印象なので、☆4です。
    黒幕に大きな痛手を負わせたのに。。
    続編も是非読みたいです!

  • 偶然屋というタイトルが気になった。一回1人の作家にハマるとその作家の作品ばっか読んでしまうきらいがあるため、最近多い。

    偶然という響きと、規模、スケールが大きくなってはいるが基本的なところは普段の私たちもしているのではないか。相手の表情、行動から、この人はこんな性格で、このように声掛けをすれば、こういった行動をとってくれるのではないか。
    というような具合でうまくいかないことも多いが、上手くいくことを願い日々接する。

    ただ、この作品内での偶然は規模が遥かに大きく、少し背筋が凍ってしまった。自分の行動全てを疑ってかかってしまいそうになる。
    リアリティがあるのと同時にレベルが違いすぎる内容のため変な面白みを得てしまった。

  • とりあえず、明日「偶然屋2」を買うだろうな。

    宇田川/福家は、どうやってウィークリーマンションの事を知ったのか?

  • ちょっと仕事が忙しかったので、気軽に読めるような小説をチョイス。
    時間がない中、本屋をフラフラしたときに、目に入った本。
    タイトルが面白そうで、興味深いですよね。

    著者の七尾さんは初めてかなと思っていましたが、
    多分、かなり昔に「死亡フラグが立ちました!」を読んだことがあるんじゃないかと思います。

    ※死亡フラグが立ちました!
    https://booklog.jp/item/1/4796677259

    でも、あまり記憶がない…(笑)

    今回は、「偶然屋」と名乗る偶然を装う仕事を生業としている主人公が
    様々な偶然を引き起こしていく小説家と期待して読み始めましたが、
    それだけではなく所々に関係のないストーリーが入ってきて、
    最後に繋がっていくという構成でした。
    当初の期待とは少し違いましたが、ストーリーは楽しめました。
    まぁ、こんなことは起こらないよね、とは思いますが、
    こういう妄想を立てたり、思考実験を行うのは好きです。
    もうちょっと登場人物が人の心理とかに基づいて、
    偶然を引き起こしてくれていたら、もっと面白かったのにな…とも思いました。

    ちょっとした気晴らしにはちょうど良い書籍です。

  • 就活に失敗した主人公。
    偶然見つけた求人広告につられて、アクシデントプロデューサー(見習)に。

    かかわる客がみな一癖も二癖もある人ばかり。
    そしてついには人心を操り、不幸にする人物がかかわる案件を担当するのだか…
    続編に続く?

  • 書店で偶然見かけてタイトルに惹かれて購入しました。
    里美がアクシデントディレクターとして様々な依頼に挑んで予想しない出来事が起こる展開が気になって楽しく推理しながら読めました。
    途中で登場人物(場面)が全く変わってしまったのが謎でしたが最終的に安倍川が全て関係していて話が繋がっていたのは目から鱗が落ちる様な感じでした(笑)

  • Twitterの七尾さん名義のアカウントからオススメしてもらったので早速読んでみた。読み始めは、ドラマを見ているような軽快感で、サラッと読めるんじゃないかと思ったけど、間に挿入される短編とか、エピソードとかが上手く1つに繋がったときに、この敵、怖ーい!となる。

    主人公の名前が私と一緒だからオススメしてくれたのかな?と思ったんだけど、この作品ならお勧めに最適!

    しかし、続きも読まなきゃ!と思わされちゃったので、2巻も買わなきゃ。

  • いやぁ、面白くて一気読み。
    合間合間に入る短編がメインとどー絡むのかと最初不思議だったけど、なるほど!と気づいた時の恐ろしさときたら。
    点と点が繋がるのが面白い!面白いけど怖い!!
    続編が早く読みたい。

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著者プロフィール

1969年、静岡県生まれ。第8回『このミステリーがすごい! 』大賞・隠し玉として『死亡フラグが立ちました! 』(宝島社)で2010年デビュー。
他の著書に「ドS刑事」シリーズ(幻冬舎)、「山手線探偵」シリーズ(ポプラ社)、「バリ3探偵 圏内ちゃん」シリーズ(新潮社)など多数。

「2023年 『全裸刑事チャーリー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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