仁義なき宅配 ヤマトVS佐川VS日本郵便VSアマゾン (小学館文庫 よ 1-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 99
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (346ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065800

作品紹介・あらすじ

過酷な現場に潜入労働ルポ!

いまや日本最大の成長産業とも言われる宅配ビジネス。ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便の大手三社は日々、どこよりも「速く安く多く」運ぶための苛烈なシェア争いを行っている。だがその一方で、アマゾンをはじめとするネット通販の「即日宅配」まで可能にする宅配業界の現場は、いままでベールに包まれたままだった。そこで著者は、宅配ドライバーの助手に扮し、あるいは物流センターのバイトとして働くという、「潜入労働ルポ」を敢行する。そこで見えてきた、宅配戦争の「光と影」とは。ユニクロ潜入で話題を呼んだジャーナリストが放つ、衝撃のビジネス・ノンフィクション。文庫化にあたり、本書発売後に発覚したヤマト・佐川のサービス残業問題を追及した補章「残業死闘篇」を大幅書き下ろし。

【編集担当からのおすすめ情報】
2015年に本書が発売されたことをきっかけに宅配業界の労働問題に注目が集まり、ヤマトと佐川のサービス残業問題発覚に繋がりました。文庫ではその残業問題のその後についても追及しており、“企業にもっとも嫌われるジャーナリスト”の本領がいかんなく発揮されております。

感想・レビュー・書評

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  • 宅配便の業務がこれほど過酷だったとは…
    本当に頭が下がる。

  • 実際に働いてから書くからリアル。アマゾンの時も面白かった。

  • 今関わっている仕事に宅配事業が大きく関わっていることから、現場感を知る為に読んだ。
    宅配事業の仕組みだけでなく、各プレーヤーの実態を描いた本はほとんどない中、これほどの取材をした筆者の行動力には感心した。特に、羽田クロノゲートにアルバイトとして潜入した章は大いに見応えがあった。

    総じて、宅配事業は顧客の期待値と回すための工数の釣り合いが価格競争によって大きく歪んでおり、市場が完全に崩壊しているという印象を受けた。

    各社年間10億個を超える荷受けをする中で、営業拠点やベースでの仕分け作業は常にパンク寸前、アルバイトや下請け業者は深夜に業務をパンパンに詰め込まれ低賃金というブラック労働を強いられている。
    コロナによるECの流通量拡大も相まって、ボタン1つでなんでもすぐ届く世の中はいつ終わってもおかしくないと感じた。

    <メモ>
    ・セブンとファミマはヤマトのみ扱い可能(ヤマトとの独占契約)、ローソンは佐川とゆうパック(新浪さんが複数者の競争を好んだ)
    ・Amazonとの提携はもともと日通だったが佐川が安価で受注、その後利益が上がらず現場の疲弊が目立ったため取扱量を縮小、現在はヤマト、日本郵便、佐川、デリバリープロバイダで分担して配送している
    ・ワレモノ注意などのシールを貼っているのは、荷主の要望を受けたヤマト。しかし仕分けの際にそれを守る余裕などなく、荷物の破損やクール便の常温放置などが一定程度起きている。

  • 宅配業界の裏側。

  • ネット通販と宅配業者の関係や、
    我々利用者からすると「送料無料」が当たり前になっているけれども裏では業者の宅配費用が買い叩かれているという現実。
    ドローン宅配が実現すればまたパワーバランスは変わるのか?しばらくは宅配業者には厳しいかも。

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著者プロフィール

横田増生

一九六五年、福岡県生まれ。関西学院大学を卒業後、予備校講師を経て、アメリカ・アイオワ大学ジャーナリズム学部で修士号を取得。九三年に帰国後、物流業界紙『輸送経済』の記者、編集長を務める。九九年よりフリーランスとして活躍。二〇二〇年、『潜入ルポ amazon帝国』で第一九回新潮ドキュメント賞を受賞。著書に『ユニクロ潜入一年』『「トランプ信者」潜入一年』など。

「2022年 『評伝 ナンシー関』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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