ロボット・イン・ザ・スクール (小学館文庫 イ 2-3)

  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067156

作品紹介・あらすじ

大好評シリーズ第3弾!ぽんこつロボ学校へ

30代のダメ男ベンが幼児のようなぽんこつロボット・タングと出会い、世界半周の旅に出る姿を描いた「ロボット・イン・ザ・ガーデン」。ベンと元妻エイミー、娘のボニーの3人と、タング、突然やってきたジャスミンのロボット2体という風変わりな家族を描いた「ロボット・イン・ザ・ハウス」。そんな大好評シリーズの第3弾が、いよいよ日本上陸!4歳になり、プレスクールに通い始めたボニー。ある日、突然タングが言い出した。「何で僕には学校がないの?僕も学校に行きたい」。果たしてタングは人間の学校に入学できるのか…?ケンカ、別れ、新たな出会い。毎日がてんやわんや、でもあったかくて愛おしい家族の日々に笑って泣ける、ハートフル小説。


【編集担当からのおすすめ情報】
前作から約2年、お待たせしました、第3弾「ロボット・イン・ザ・スクール」がいよいよお目見えです。装画は本作も引き続き、酒井駒子さんの書き下ろしです。
そして、本シリーズの読者の皆さまに感謝を込め、このたび酒井駒子さんの「ロボット・イン・ザ・ガーデン」の装画をあしらった「タング・オリジナルトートバッグ」を抽選で50名様にプレゼントすることになりました!詳細は「ロボット・イン・ザ・スクール」オビをご覧下さい。たくさんのご応募をお待ちしています。

感想・レビュー・書評

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  • 今年2月に劇団四季の「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を観に行った。
    二人のパペティアに操られるタングの姿と声(パペティアの女性の声)がとても印象に残っている。

    3年近く前に「ロボット・イン・ザ・ガーデン」を読んで『読み口は悪くないので、続編にも付き合ってみようかとは思う』と書いたものの、そのままになっていたが、この本が中古本屋の棚にあったので買ってきた。
    どうやらシリーズ3作目らしく、飛ばしてしまった2作目では「…ガーデン」でエイミーのお腹の中だったボニーが生まれ、タングの他にもう1台のロボット・ジャスミンが増えたよう(読んでなくてもあまり困らなかったが、2作目も、その内、読んでみよう)。

    ボニーが4歳になりプレスクールに通い始めるところから始まるこの本。案の定タングがボニーと一緒に学校に行きたいと言い出し、どうにかタングも学校へ行けることになる。
    少々心配な感じはありながらも思ったほどタングが学校でやらかすことはなく(もっとてんやわんやになるかと思っていたので、逆に残念かも)、ちょっとしたエピソードを重ねて学校と家庭の様子が描かれていく。
    中盤、育てていたナナフシのえさになる葉を家の周りで探していたことから起こるアクシデントなどもあり、緩急あってなかなか読ませる語り口。
    ベンはだいぶと大人になったという印象。獣医としてキャリアを積んでいきつつあるし、夫として親としてきちんと家族に向き合っている(まあ、口に出してから反省することもまだまだ多いけどね)。
    タングはと言えば、運動会の卵運び競走で一等賞を取ったり、二条城の廊下を滑ったり、奈良公園の鹿を怖がったり、相変わらず可愛らしい(喜怒哀楽は激しいし言い出したらきかない頑固なところも、相変わらずだけどな)。

    当初から夫婦親子の情愛や他人との距離の取り方、人間とロボットの関係について示唆しているところがあった話だったと思うが、ボニーやタングの成長に従い更にそうしたテーマがやんわりしっかり書き込まれていたように感じる。
    ジャスミンの感情には驚いたけれど、男女や人間・ロボットに分けることなく接していたはずのベンが足元をすくわれるところが考えさせられる話だった。
    ★はちょっと甘めだが。

  • イギリス産大人向けラノベ第3弾。
    なんだか劇団四季でミュージカルになったり、二宮和也主演で映画になったり、日本で(だけ?)ブレイクしている感じがするのですが、何が起きているんでしょうか…?

    非常にほのぼのとした、安心して読める作品だと思います。
    タイトルからするとロボットであるタングが学校に通い始めるくだりがメインかと思って読みつつも、後半では家族での東京行きが実現します。本シリーズと日本が良い関係にあること自体はなんだか嬉しいなぁと思いました。
    主人公の父親、ベンと大体同じような年齢の自分としては、振る舞いについて色々考えさせられます。特に「つい口を出てしまう」発言の類は…。ベンは率直さが長所だとは思うのですが、家族の理想像がまだイメージできていないのかもしれないな、と思いました。
    ・・・と思うくらい、フィクションとしてそれっぽいなと(笑
    とは言え、本著の後半からは思っていなかった展開で少々驚かされました。踏み込んでいる印象があって、これは本シリーズらしいのか、そうじゃないのか、ちゃんと飲み込めていませんが、これはこれで大事な選択だったと思います。

    脇道ですが、本著内でくすりと笑ったのが、ベンが娘の不始末で校長と面談した際のやり取り。
    「ボニー(娘)は問題に直面してもきちんと対処する力を持っています。あんな風に殴りかかるのはボニーらしくありません。とても賢いお子さんですから」
    と校長から言われたベンが、にやけながら「そこは母親似なんです」と返すくだり。ブリティッシュ・ジョークなんでしょうか。母親似なのはどこまで?

    あと、これは更に脇道ですが・・・担任ミセス・フィンチがタングについて保護者面談でコメントした「精神面や知能面の発達については、他の児童と同等の成長が見られます。何の心配もありません。」について…。
    いや、ロボットが4歳児と同じように成長してるんだったら、世界中から研究者が集まってくるでしょうよ。。

    大人がほのぼの読める1冊です。なお、訳者あとがきはイギリスの教育制度について解説されていて、ちょうどそこが引っ掛かっていたので◎でした。

  • 子どもとの向き合い方や多様性を受け入れる価値観などもふんだんに盛り込まれたハートフルストーリーの第3弾。ベンとジャスミンの件は、外見や上っ面でしか判断していないか、考えさせられる。口ではいくらでも言えるが、壁際まで追い詰められた時に本音が露見した時、内省し、改めることができるか否かが、成熟・円熟していくための岐路なのだろう。

  • 『ロボット・イン---』シリーズ3作目。

    タイトルから予想通り、4歳になったボニーが学校に通い始め、“お兄ちゃん”のタングも学校に行きたくなる。タングをボニーと同じように扱ってきたベンとエイミーは学校にかけ合い、タングも入学を認められることに。

    ボニーは学校になじめず、エイミーは仕事にモヤモヤ。ジャスミンはオフ会で罵声を浴び、誰もがロボットを人間のように尊重してくれる訳ではないことに傷つく。
    そしてタングのネコとジャスミンは事故に遭い、猫は亡くなってしまう。
    ギクシャクした家族を元気にしようと、エイミーの仕事に同行して一家揃って日本への旅に出たベン一家だが…


    タングが学校へ通うことでドタバタが続くのかと思いきや、意外にもタングはあっさり人気者になって、大きなトラブルも起こさない。
    ネコの死という事件で、ロボットと人間(生き物)との違いに踏み込むのかと思ったら、そうではなかった。

    成長はしているものの、相変わらず『ロボットの男の子』のままのタングとは対称的なふたり、ボニーとジャスミンの『受け入れられない』悩みがテーマだったように感じる。

    『人間の女の子』としては学校からはみ出してしまうボニーには、彼女の個性を損なわずにのびのびと成長できそうな道がひらけた。
    けれど、『ロボットの女の子』だったジャスミンは、“愛”とは何かを考え続けて『ロボットの女性』へと成長していったために、辛い結論に至ってしまったのが切ない。

    ベン、ずいぶんマシになったとはいえ、40歳になってもまだまだだなぁ。
    ジャスミンがもっと女性性を感じさせる外見だったら、ベンもミスを犯さなかったのだろうか。
    “家族愛”では、いけなかったのか…?

    前二作に比べると、日々の出来事がただ次々と起こる展開で、ちょっとまとまりがなかったかも。
    十分面白かったけれど、ちょっと残念な感じ。


    あとは、日本滞在中の描写が笑えた。日本のファンサービスかと思うほど。
    やっぱり日本のトイレはファンタスティックなのね。ベン一家が、まさかの和式トイレに遭遇するのではなくて良かった。

  • 最初の冒険物語から、3作目は同じ登場人物で育児小説という、なんとも幅広い物語になったものだなとびっくり。
    4歳の娘を学校へぶじ送り届けることが・・・いやそもそもその前に靴を履かせることが、いかに大事業であるかをベンは語る。語り口は変わっていなくても、ベンのいる環境はいろいろと変わった。タング、エイミー、ボニー、ジャスミン。ロボットふたりまでベンとエイミーの血を引いているのかと思うほど、家族として過ごしている感じがおもしろい。
    ボニーとタングがそれぞれ学校やネコへの思いを持ち、自分なりの方法で主張するのはすごいなあ。子供が身近にいないのであんまりリアルに4歳児をイメージできないんだけれども。タングがメダルをもらって喜んでいるところはなんかめっちゃ想像できて、嬉しい気持ちになった。
    あとジャスミンの恋愛がもう一つの柱かな。ジェーン・エアの話に始まり
    「どうやってその人を愛しているとわかるのですか?」
    「愛にもいろいろな種類があるのですか?」
    と答えにくい質問をベンに投げかけていたと思ったら・・・。
    正直これは何とも感想を持ちにくいなあ。ジャスミン本人が愛だというのなら、きっとそうなんだろう、という感じ。それでも、深追いしないのは人間じゃないからなのか。
    「ロボットだから」ではなく、「ジャスミンだから」人の役に立てる、とカトウたちに言ってもらえる日が来るといいな。

  • ベンがエイミーやタング、ジャスミン、ボニーと向き合う中で、よき父親、よき夫であろうと努力し、苦悩する姿が中心に描かれていて心揺さぶられました。

    ベンと出会った頃と比べて大きく変わったタングの様子や、どこか心もとないボニーの学校生活、ジャスミンが1人の女性として成長していく姿…。ガーデンやハウスの頃と比べて複雑な気持ちになるシーンが多くて考えさせられました。

    人と人はひとつになることはできないし、変わり続けるものなんだな、と改めて感じさせられました。でも、だからこそ愛をもって互いを思いやり、優しくあろうとすることが大切だと感じました。


    今作にも日本を訪れるシーンがあって、タングの可愛らしさやエイミーがトイレに困惑する姿がお茶目に描かれていて嬉しかったです!作者さんは本当に日本が好きなんだろうな、、(*´`)

  • 『ロボット・イン・ザ・ガーデン』『ロボット・イン・ザ・ハウス』に続くシリーズ3作目。
    なんだかまだ続きそうなエンディングでしたが、もういいかな。

    もともと、幼児ロボットのタングの可愛さで読み続けて来たシリーズ。ロボット工学と言う最新技術の下で作られながら、ブリキのおもちゃ的外観で幼児の様な振る舞いをするタングのギャップが楽しかったのです。ところが、この作品ではタングは脇役。なんだか「意識高い系」夫婦の幼児教育小説になってしまいました。
    ベンとエイミー夫妻の欧州的な個人主義も少々鼻につきます。ベンは無断で他家の庭に入り込み丹精した植木の一部を切り取りながら、4歳の娘のために仕方なかったと言い、応対に出なかった住人が悪いと責めて謝罪しないし、エイミー(弁護士)は家に怒鳴り込んできた住人を住居侵入で訴えるという。なんだかこのあたりの感覚はついて行けません。
    このシリーズ、これまでもしばしば日本が登場しました。著者は元々大の親日家だったようですが、『ガーデン』が日本でヒットした為に、改めて訪日して取材をしたようです。本作の終盤ではベン一家がそろって日本を訪れます。如何にも現地取材の実体験に基づくものだというのが良く判る面白い紹介もしてくれていますが、その中でも一番最初に詳しく描かれたのがトイレ(温水洗浄便座)でした。
    ちなみにこのシリーズ、今では本国イギリスより先に日本で先行販売されているそうです

  • デボラ・インストールのロボット・イン・ザ・スクールを読みました。

    ダメ男の獣医師ベンと法廷弁護士のエイミー、二人の娘のボニー、そしてレトロな箱形ロボットのタング、卵形ロボットのジャスミンのイギリスでの生活を描いた物語でした。

    ボニーが学校に行く年齢になって通学の準備をしているとタングも学校に行きたいと言い出します。
    ベンとエイミーは学校と掛け合ってタングが学校に行けるようにします。

    ところが、タングは学校で人気者になった一方、ボニーは学校の生活になじめないようです。
    ベンとエイミーはボニーとタングの学校の生活がうまく行くようにしようとするのですが、、、

    物語の後半では事件が起きて家族は試練に立たされます。

    konnok的には読書好きでキュートなジャスミンがお気に入りです。

  • 愛すべき人間らしすきるポンコツロボット、タングとベンの家族たちの織りなすイングリッシュハートフルコメディ第三弾、のはずだったんだけど、なんだか今回はとても重めなトーン。そんな雰囲気だから、なんだかタングはただ文句言って、自分勝手に腹を立てて、周りを苛立たせるのが今まではクスリと笑えたけど、今巻ではただ面倒くさい解体したいレベルの存在にしか見えなくなってしまった。第四弾も読むけど、少しは成長していてほしいものだ。

  • タングとベンの物語、第3弾です。
    毎度、表紙の絵が可愛すぎる(*^o^*)

    ベンとエイミーの長女ボニー
    ロボットのタングにジャスミンの
    5人家族の暮らしも落ち着き
    ボニーは小学校入学前の
    プレスクールに行くことに。
    (4歳だから、幼稚園っぽいけど)
    当然のように自分も行けると思ってた
    タングのおかげで一波乱(笑)

    無事に一緒に通えるようになったら
    今度はタングの方がクラスに溶け込み
    ボニーがあまり学校好きではないとわかって
    それはそれで一波乱。

    さらに、ジャスミンまで
    ロボットであることを隠して参加してた
    ネットコミュニティーのオフ会で
    いろいろあって一波乱。

    人の子とロボットの成長過程が違って
    苦労する両親の大変さが描かれてるけど
    ベン、粘り強くなったよねぇ〜。
    1作目の頃なら投げ出してそうだわ。

    日本に愛読者が多いせいか
    エイミーの仕事の都合で訪れた
    東京での生活も少し楽しめますよ♪

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