海が見える家 それから (小学館文庫 は 3-2)

  • 小学館
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感想 : 110
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  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094067965

感想・レビュー・書評

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  • 人は、所謂「世間一般のやり方」と違う行動を取れば、必ず白い目で見られます。休職したり、都会暮らしから田舎へ移ったり、フリーで活動したり。何事においても、多数派が上で少数派が下の存在になりがちです。
    でも、みんなと同じだから自分は幸せ、とは限らないですよね。毎晩20時まで会社に居て、帰宅したらご飯を食べ、風呂に入り、寝る。このサイクルが毎日だと、自分で使える時間、つまり余裕がありません。
    時間があれば、余裕を作れば、世の中を多面的に見ることができ、自分が本当に好きなことややりたいことに気がつくかもしれません。でも、多くの人は「忙しい」と言う人のことや「お金持ち」のことを「偉い」と思っています。忙しい人はお金が入ってくる=安定した生活を送ることができる。確かにそうでしょうが、忙しくて、時間がないと言う彼らは、本当に幸せなのでしょうか。
    この小説は、こういった世間一般的な考えを読者に問うお話です。

    南房総に越してきた文哉には、机に向かっている時間はなく、海に魚を釣りに行ったり、お店をやってみたり、町でBBQを開催したりと、暇で、自由に過ごしているように見えます。しかし、そういった時間の使い方がここでは「生きていく」ことなのであり、「働く」ということなのではないでしょう。お金はないけれど、自分なりの生き方を考える時間(余裕)があり、行動していく文哉は、自分の人生を生きていて幸せなんだろうな、そう思えます。

    前作と本作の表紙を見比べると、空も海も植物も、色が濃く鮮やかになっていて、文哉の成長ぶりを表現しているのかなと感じました。

    長々となりましたが、目紛しく変化している今、いろんな方に時間(余裕)を確保し読んでいただきたいな、と思ったお話でした。清々しい気持ちになります。

  • 田舎に住みたくなる作品。
    はらだみずきさんの良さがでていて、読んでて全く苦じゃない。

  • 前作「海が見える家」の一年後を描いた続編。
    南房総の海が見える家で挑む自給自足の生活。
    その日の食べ物をその日に探すような日々が少しずつ変わり始める。主人公のイキイキとした描写がとても良い。
    自給自足で生き抜くのは難しいけど、こんな風に楽しそうに暮らしてみたい!
    “自分の時間を持ち、自分のために時間を使う“
    会社で働くだけ、お金を稼ぐことがすべてじゃない。幸せの形が見える作品。

  • 生きていくためといえど主人公の行動力は素晴らしいと思う
    発想自体はそこまで変わっているとかそういうわけではないが、考えてそれを即実行するのがすごい

    そんな主人公は人生を楽しむための努力をしているのだなと思う

    人生を面白くするために自分は頑張れているのか考えさせられる一冊だった

    同時に田舎生活が本当にこんなに楽しいのならしてみたいとも思わせられた

  • むむむ。前作ハッピーエンドと思わせてさらなる課題が浮き彫りになる。でも読後感は◎。自分には機会がない人生だけど、これから先もずっと応援したい。主人公の幸福が、努力によって引き寄せられたとわかるけどその努力は、苦労とはちょっぴり違う。前作で満足したかたにもぜひ勧めたい続編!

  • 5に近い4。とても読後感が良かった!こういう暮らしもしてみたい。

  • 前作より面白いと思った、「金持ちになるより、幸せになる方が難しい」という言葉も良かったし、たくましく生活を作っていく姿が良かった

  •  会社を退職し、自立に向かって頑張る文哉の姿に、つい自分を重ね合わせて考えてしまいます。
     人生の送る上で、改めて多くの知見を与えてくれる小説だと思います。自分の行動を改めたいと思って感動したフレーズを3つ以下に記載します。
     ①波は変わるもの、風向き、風の強さ、潮の流れ、自分に合った波を見極める。最後は、自分自身で判断するしかない。
    ②自分自身の日常のなかで感動を見い出せる人間、自分の幸せの瞬間を積み重ねながら人生を生きる。(金持ちになるより幸せになる方が難しい)
    ③他人に評価されようが、自分で納得してない、面白くない人生なんて全く意味がない。
    納得しました!

  • 人々が憧れる田舎暮らしは、当事者と外様では見える景色が異なってくる。お金なんかなくても生きていける。田舎の人々が大切とし、また強いる信頼や信用といった無形の資産が衣食住の基盤となるが、それをどう考えるかは本人次第。どう暮らすかは本人が決めるべきことなのかもしれない。

  • シリーズ2作目。
    文哉がどんどんたくましくなっている。
    登場人物がとてもリアルに感じられて、すごく親しみを覚えます。
    会ってみたい仲間たちです。

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著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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