蟲愛づる姫君の純潔 (小学館文庫 C み 1-6 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 130
感想 : 8
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068016

作品紹介・あらすじ

毒蟲マニア・玲琳王妃またトラブルの予感!

新興国である魁の若き王・楊鍠牙と、その妃である李玲琳。不幸体質の鍠牙は愛する妻にいつか殺されることを夢見ており、玲琳は玲琳で相変わらず毒蟲を愛し、蠱毒の魅力に囚われつづける毎日だが、完全なる政略結婚から始まったこの婚姻関係は、当人たちにしかわからない謎の絆で、どうやらうまくいっているようだった。
そんなある日、王宮に大きな衝撃が! 牙の妹である累姫が帰還したというのだ。実はこの累姫、玲琳が嫁いでくるよりも以前――かれこれ一年ほど前に、旅の途中で盗賊に襲われ、馬車ごと谷底に落ちて死んだはずが戻ってきたのだ。しかし心身ともに深く傷ついた累姫は、どんな医師の治療も受け入れないらしく、万策尽きた臣下たちは玲琳に姫の問診を願い出る。つまり玲琳の王妃という高い地位と、毒とはいえ薬の類いによく通じる知識、そしてなにより空気を読まない傍若無人な性格をもってすれば、誰もなしえない累姫の診療ができるに違いないというのだ。ところが、兄である鍠牙は玲琳が妹に接することを、なぜか快く思っていないようで……? 変わり者の最強王妃と、妻にしか興味がない不幸体質国王の、奇妙奇天烈な結婚生活の明日はどっちだ!?

感想・レビュー・書評

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  • 今回も面白かった。
    鍠牙の国を捨てて、玲琳と一緒に蠱毒の里についていくって言ったところは笑った。
    良い感じに病みさが熟成してる(笑)
    依存度も益々増していて良い。
    玲琳がついて行かないって言ってくれて良かった!

    累姫の境遇が気の毒過ぎてなんとも言えなかった。
    そうだよね、夕蓮の血を引いていて似てるとなれば、そりゃロクでもないことが起こるよな…。
    それにしても、彪家は異常過ぎた。
    まさか使用人に……そして、それを見ていた。しかも、3年間。
    ぞっとするわ。累姫があいつらを屠りたくなるのは当然だし、よくやった!と褒めたい。

    最後、ついに鍠牙が子作りを了承したー!
    そうだよ、玲琳に似た可愛い女の子が生まれる可能性もあるんだし、大丈夫だよ。
    ただ、あれだよな。妊娠中と出産のタイミングあたりで、蠱毒の民が仕掛けて来そうだなぁ。

  •  キャラブンとはこういうものだ!というのを示した作品。
     毒蟲を操る姫、その姫にぞっこんでいつでも国を捨てる気持ちでいるくらい惚れている皇帝、つかえている噂好きの女官であり実は最強の格闘術?をもつキャラ。いちおうこの格闘キャラがツッコミ役にはなっている。

     最初はキャラの能力の紹介。そこから、皇帝の妹が姿を現したという事件が起こる。妹はとにかく攻撃的で、キャラクター達によって出来上がった世界へのエイリアンのような感じで描かれている。主人公の玲琳はドSで支配的な人間であり、ある意味、この妹とキャラがかぶっている。そして、その激しい性格の二人の対決が序盤のメインだ。毒を使用できて実力が強い分、皇帝の妹の暴れっぷりを安心して読むことができる。
     妹の狂いっぷりだが、それが「いったいこの子に何があった?」と続きを読む気になっていく。これが読みたくなるのを引くポイントの一つだ。
     もう一つは三人の婚約者だ。妹に対しどれだけ罵倒されても愛をつらぬく三人。かぐや姫のような構図になっている。この三人との結末がどうなるかも読者の引きになる。
     妹は最初、強盗にさらわれたという設定になっているが、本当は、夕蓮という誰からも愛される「女性」であり主人公にとって最強の敵によって人生を狂わされていた。夕蓮そっくりに育つように育てられた妹は、狂った教育にさらされる。強盗はたまたまその時に出会い、強盗に助けてもらって暮らしていた。強盗団も実は夕蓮に人生をめちゃくちゃにされた一族なのだ。
     それから主人公の玲琳を巻きこんで、夕蓮暗殺の作戦をたてるが、結局うまくいかない。最後は、夕蓮を相手にせず、強盗団と妹はともに山で暮らすことに決めることで話が終わる。
     いくつもの引きつける要素が、ゴール地点にむかって鮮やかに収斂していくので、大変に高度な作品になっている。

  • いろいろなかたちの愛、ではあるけど、ヒーローの病みがどんどん進む(笑)。いいぞー、もっとやれー。

  • なるほど普通の恋はないのね
    許容範囲をどこまでにするか考えながら歪んだ人たちと共存するしかないねえ

  • みんな頭おかしくておもしろい

  • 蟲愛づる姫君シリーズ、第4弾。
    シリーズ随一きゅんとしました。
    前作で葉歌の正体が分かり、今後登場も含めどうなるのかと思いましたが、変わらずです。
    当人は至って真面目だけど、やはり変人!
    世間とのずれが面白いです。
    恋や愛など関係ない、才能がないと言い張る玲琳。
    だけど、ヤキモチ焼いてる様は可愛くて仕方ない。
    本人が自覚するにはまだまだ先ですかね。

  • 癇癪持ちで手も足も杖も出る少女が可愛くてたまらないとか、本当にこの作品に普通の人は出てこない。
    でもお姫様と盗賊の年の差身分差恋愛とか、玲琳と鍠牙の愛と呼ぶには執着が過ぎる思い絆とか妙にツボを突いてくるのがたまらない。
    言葉足らずでひっかきまわす里里も可愛く思えてきたし。
    しかし、最後は鍠牙に同情していたけれど、累がいちばん悲惨な目に遭っているいると思う。
    物語をたたむためなのか、ラスボスが設定された巻。
    そして玲琳と鍠牙の関係も確実に変わっている…はず。

  • 玲琳か国か。さて天秤はどちらに傾く?ってそりゃ王の天秤なら玲琳にドーンと傾きますわな。国には何も残らないほどにね。さて、今回の主役?は王の妹。1年前の事故で死んだと思われていた末姫。そんな彼女を手篭めにした盗賊に復讐したいという願いを叶える?べく動いた玲琳。暇だったのね。そしてその決着がだな。クソですわ。ほんとクソだよ、あいつら!!末姫は1年前に死んだ、それにつきます。

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