海が見える家 逆風 (小学館文庫)

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感想 : 68
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070583

作品紹介・あらすじ

ベストセラーシリーズ、待望の第三弾!

ブラック企業を早々に退職し、亡き父が暮らしていた千葉の南房総で暮らしはじめて三年目を迎えた文哉は、別荘と空き家管理の会社を起業。自給自足的な生活をしはじめ、陸稲の収穫を待つばかりだったのだが……。巨大な台風が上陸し、自宅だけでなく管理する別荘を破壊していった。文哉は、地域の復旧作業をしながら、農業の師である幸吉と対話するようになる。そして、新たな決意が芽生えていく。
18万部突破! ベストセラーシリーズ、待望の第三弾!!


【編集担当からのおすすめ情報】
続編から、一年。いきなり文庫で三作目を刊行します!

感想・レビュー・書評

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  • こちらも会社の先輩からお借りした一冊。

    前回の続きの物語。

    小説も3冊目くらいになると、マンネリになったり、一旦ダレることがあるのだが、この本はずーっと面白いし読みやすい。

    題名が逆風だけに、もっと辛い物語と思いきや、相変わらず逞しい文哉がそこに居た。
    逆風は台風。千葉県を襲った大型の台風によって、広い範囲が被災してしまう。
    台風は容赦なく別荘地にも。。。
    管理を任されている別荘もかなりの被害を被った。

    別荘地の被害、畑の被害、、、
    この先どうやって食べていけばいいのか悩む文哉。

    そんな中、地元の人の復興の手伝いをしながら、新たな決意が芽生える。


    次回作も期待大o(^▽^)o

  • 主人公の自給自足生活が軌道に乗ったかと思いきやまた受難が待っていて。
    うまく回り始めていたと思っていた事がささいな誤解で進めなくなってしまったり以外な助けを得たりと常に何かしら起きるけれども田舎での生活、起業のリアルなのかもしれない。
    終わり方も続編があるような話だったのでまだまだ主人公のこれからを見ていけるのは楽しみ。

  • シリーズの3作目。

    今回は、直撃した台風の影響で生活が一変した様子から始まる。
    何を優先に作業するのか…
    誰もいない別荘や自分の家を後回しにして、とりあえずは、地域の人と共に復旧作業に取り組んでいく。

    その最中に学生時代の知人がやってくる。
    お風呂も満足に入れない、ごはんも育てた野菜で…
    と、日々は、復旧作業のみに。
    その姿を見せながら生きるために食っていく。
    食うために働き、金を稼ぐ必要はない。
    生き残るためになにが必要なのか、に興味があるとまで言う。

    都会からやってきた同年代にこうして自分の気持ちをしっかり言えるということに大きな成長を感じた。
    けっして半端な気持ちで、自給自足しているわけではないと。

    今回は、米作りをしたり猪狩りを見て捉えて捌いて料理することも経験し。
    ますますここに根付くんだという意志が伝わってきた。
    ラストが、ちょっとどうなる感⁇があり、続くのか…

  • 「海が見える家」の第三弾!
    「逆風」とあるだけにしんどい事が起きるな…と想像しながら手に取った!
    まあ、そーね…生きていくってそんな簡単な事じゃない。
    順調に上手くいくはずがない。
    むしろしんどいことの方が多いのかも…その時その事実に自分がどう向き合うか。
    なんとか起業迄漕ぎつけた文哉の生活は自然災害にて一瞬で崩れ去る。
    絶望に見舞われながら復旧作業に励む文哉。
    東京から来た都倉とのやり取りはなかなかの読みどころの一つ(勝手にそう思ってる)
    「食っていく」とはどういう事なのか?
    両者それぞれの環境の中で「食っていく」事の定義、主義は異なる。
    どちらが正しいとかいう問題ではない。
    己の暮らす状況の中でどう考えどう動くか…。

    そして幸吉さんや猟師、市蔵さんとの出会い、やり取りもまた「生きる事」「食べる事」…とても読み応えがある。
    生きる為に食べる…シンプルだけど奥深い。
    人によりその定義は様々で彼らと出会った事で文哉が改めて自分がどう食っていくのか模索し自分なりの答えを出していく。
    そこにものすごく逞しさを感じた。
    シンプルに「生きる」って、とてもゴツく、逞しいものなのだと痛感。

    これまで読んできた「海」の話は少しお休み。
    本書は陸、「山」のお話。
    シリーズものをこんなに一気に読んだのは初めて!
    何冊か続けて読んでいると中弛みがあったり展開に飽きてしまったり新鮮さに欠けるので、まず続けて読むことはない。
    でもこのシリーズは全くそれがない。
    どの書も読み応えがあり、面白いだけでなく勉強させられるというか考えさせられる。
    また次へ!
    …てか…このラスト気になって…
    図書館から予約本が届いているので一旦「海が見える家」はお休みしようと思ったけど…このラストは……

  • シリーズ3作目
    題名のとおり逆風ですね。
    積み上げてかたものが台風で・・・
    とても悲しいです。
    被災後の助け合う姿がとても感動的です。
    3作目は地方の農業の抱える課題について考えさせられました。
    シリーズ第4段が完結編とのこと。
    文哉の成長が楽しみでたまりません。

  • 続きが気になっての3作目。
    何が正解かなんて誰にも決められない。だからと言って自分自身で決めることは難しくて、でも、それでいいんだと思う。なんてことを思った。
    また続きが気になるシリーズが1つ増えた。

  • 人間にはどうしようもない自然の猛威。
    綺麗事だけでは生きていけない移住。
    物語の大きな転換を感じた。

  • 食っていくとは何か。
    1日くらいお風呂に入らなくても、ご飯を食べなくてもそうそう死なない。
    当たり前だと思っていること、それは誰が決めた?
    暇ができることはかっこいい。

    GW明け、通勤の電車の中読むには響きすぎる部分が多かった。

  • 新しい生き方を模索する。
    亡き父の遺した家と仕事、海の恵み
    それから…自然の怖さ、ライフラインの脆弱さを知るが
    逆風にも負けず立ち向かい、山からも生きる糧を得て
    命をいただき、命を繋ぐ。。

    幸吉つぁんの安否が気になります(>_<)

  • サーフィンが好き、お金があったとしても自由のない人生が耐えがたい、海が見える家に移住したいという私にとっては理想なので、1-3作とものめり込んで読みました。
    理想ばかりではない現実もたくさんあり、真剣に今後どうしたいか考えながら読んでいます。
    この小説に出会えて良かった。

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著者プロフィール

千葉県生まれ。商社、出版社勤務を経て作家に。二〇〇六年『サッカーボーイズ再会のグラウンド』でデビュー。「サッカーボーイズ」シリーズ、「海が見える家」シリーズの他に『帰宅部ボーイズ』『ようこそ、バー・ピノッキオへ』『会社員、夢を追う』『太陽と月サッカー・ドリーム』などの著書がある。

「2022年 『サッカーデイズ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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