銀座「四宝堂」文房具店 (小学館文庫 う 15-2)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (308ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094071924

作品紹介・あらすじ

いつまでも涙が止まらない―― 銀座のとある路地の先、円筒形のポストのすぐそばに佇む文房具店・四宝堂。創業は天保五年、地下には古い活版印刷機まであるという知る人ぞ知る名店だ。店を一人で切り盛りするのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。両親に代わり育ててくれた祖母へ感謝の気持ちを伝えられずにいる青年に、どうしても今日のうちに退職願を書かなければならないという女性など。困りごとを抱えた人々の心が、思い出の文房具と店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。いつまでも涙が止まらない、心あたたまる物語。

感想・レビュー・書評

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  • 銀座の老舗文具店「四宝堂」の店主 宝田硯。
    訪れる客が彼の丁寧に向き合う態度で、悩み事を乗り越えていく5編の短編集。
    そこに絡んでくる文房具たち。
    高校弓道部を舞台にした淡い恋物語やダメダメ親父だけど心のこもった弔辞など。
    一番好きなのは最後のメモパッドに出てくる大将かなぁ。
    なにより硯さんが素敵です。

    この本は地球っこさん、松子さん、aoi-soraさんといっしょに読書を楽しむ会で私が選んだ一冊。
    初読の作家さんだったので自信は無かったのですが、文具が絡んでくるのなら面白いかもと選びました。
    読みやすい一冊で、ホッコリ心温まりました。
    皆さんの評価はどうでしょう??
    がっつりという本ではなかったので、ちょっと不安です。

    • 松子さん
      いっちゃん、みなさん、こんばんは(^^)
      いっちゃん、読むのはやい!
      びっくりしたぁ〜
      わたしは今3話にはいったところです。
      文具も興味津々...
      いっちゃん、みなさん、こんばんは(^^)
      いっちゃん、読むのはやい!
      びっくりしたぁ〜
      わたしは今3話にはいったところです。
      文具も興味津々で、登場人物も温かくて、ゆっくりじっくり楽しんでます。
      お仕事中のけんさんも、オフの時のけんさんも
      大好きだわぁ(^^)
      2023/10/03
    • aoi-soraさん
      いるかさん
      温かくて、とても好きなタイプのお話です。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      四宝堂、私も通いたいなー
      私はまだ途中なので、ゆっくり楽しみますね
      いるかさん
      温かくて、とても好きなタイプのお話です。⁠◕⁠‿⁠◕⁠。
      四宝堂、私も通いたいなー
      私はまだ途中なので、ゆっくり楽しみますね
      2023/10/03
    • いるかさん
      みなさん おはようございます。

      松子さん aoi-soraさん ゆっくり楽しんでくださいね。

      硯さん すてきですね。
      本当 こ...
      みなさん おはようございます。

      松子さん aoi-soraさん ゆっくり楽しんでくださいね。

      硯さん すてきですね。
      本当 こんなお店があれば通いたいです~
      2023/10/04
  • またまた、ドラマ化してほしい作品に巡り合ってしまいました。
    五つの連作短編集で続編も出ているので、これは連続ドラマにピッタリですね( * ॑꒳ ॑*)
    そして同じくドラマ化してほしいと切に願っている『コンビニ兄弟』的な、誰の心もほぐしてしまう文房具店の店主がいるわけなのです。
    大事な人に伝えるべき言葉に迷っている人たちに、この店主が、なんとも絶妙なアドバイスやパスを出してあげるのだけれど、自分のことにはからっきし鈍感で、幼なじみの良子ちゃんとこの先どうなるのか?は、続編でのお楽しみですかね?
    銀座という場所柄か、粋な大人がたくさん出てきて、読んでいてとても気持ちの良い作品でした。
    数々の文房具や、大切な相手にどうやって気持ちを伝えるか?など、これまた私の大好きな『ツバキ文具店』的要素もあり、大好物な一冊でした。

  • 大切な人に自分の気持ちを伝えること
    ちょっと勇気がいるけど、大事なこと
    その勇気やきっかけを見つけられず、伝えなかったら、大切な人を失うかもしれない
    ずっと逃げ続けることになるかもしれない

    そんな事を考え、登場人物たちの人生を味わいながら、自分自身の人生を振り返り、思いを巡らせてしまう
    そんな5つのお話でした


    舞台は銀座の老舗文房具店「四宝堂」
    店主は宝田硯。
    店を訪れるのは、それぞれの悩みを抱えたお客さん。
    誰にも話せなかった悩み事も、硯ちゃんを前にすると何故か打ち明けられる。
    なんて聞き上手なんだろう。
    余計な言葉を挟まず、黙って相手の話の続きを待つ。
    時には話の先を促したり…
    ちょっとお節介なところも優しさに溢れている。

    そして文房具店なので当然だけど、様々な文房具が登場するので、大好きな紙やインクの匂いがしてきそうなのも良い。

    どのお話も良かったけど、キュン好きな私は
    弓道部の高校生のお話「大学ノート」が好き。


    **この作品は**
    いるかさん・松子さん・地球っこさんとの一緒に読書「秋の会」
    いるかさん選書の一冊です。
    温かなストーリーで、秋の夜長にぴったりな作品でした。
    ありがとうございます(⁠ ⁠ꈍ⁠ᴗ⁠ꈍ⁠)

    • いるかさん
      おはようございます。

      津村さん 私も初めてです。
      楽しみ。
      早速探してみます。。
      おはようございます。

      津村さん 私も初めてです。
      楽しみ。
      早速探してみます。。
      2024/01/10
    • 松子さん
      みなさん、お疲れ様です(^^)
      水車小屋のネネ、大丈夫です。
      楽しみっ!本の表紙かわいいです!
      みなさん、お疲れ様です(^^)
      水車小屋のネネ、大丈夫です。
      楽しみっ!本の表紙かわいいです!
      2024/01/10
    • aoi-soraさん
      皆さん、お返事ありがとう♪
      それでは「水車小屋のネネ」
      でいきましょうね^⁠_⁠^

      私も週末あたりに探しに行きます。
      皆さん、お返事ありがとう♪
      それでは「水車小屋のネネ」
      でいきましょうね^⁠_⁠^

      私も週末あたりに探しに行きます。
      2024/01/10
  • 前々から気になっていた作品、やっと読むことが出来た。

    銀座の路地にある老舗文房具店〈四宝堂〉。そこに来る客たちの悩みを若き店主・宝田硯(けん)が解きほぐしていく。

    「万年筆」「システム手帳」「大学ノート」「絵葉書」「メモパッド」という筆記道具をタイトルにした五話を収録。

    一緒にいる時はなかなか伝えられなかった感謝の気持ち、長年お世話になった方になかなか言えない独立宣言、三年間言えなかった部活仲間への恋愛感情、亡くなった最初の妻への弔事、修業させてもらったのに途中で逃げてしまった師匠への開店のお知らせ。

    硯の客への丁寧な言葉遣いと気遣いがすばらし過ぎて、一体どんな人なのだろうと思っていたら第三話で彼の素の姿が見えて少しホッとした。
    だがちょっとギャップがあって戸惑った。

    どの話も良かったけれどちょっと出来すぎな感じも。ただ疲れた時にはこういう話が嬉しい。
    続編もあるようなので機会があれば読んでみたい。
    硯と良子のその後も気になる。

  • 銀座にある文房具店・四宝堂の店主宝田硯のところへ今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる。

    宝田硯は、静かに相手の話を聞いてそっと望みの文具を差し出す。
    けっして無理強いはせずともお客のほうが自然と文を書けて心もスッキリとする。

    ○万年筆〜育ててくれた祖母への感謝

    ○システム手帳〜お世話になったクラブのママ

    ○大学ノート〜弓道部で汗を流した思い出と恋

    ○絵葉書〜元妻との出会いを思い出して

    ○メモパッド〜料理に関する全てを教えてくれた親方


    どれもじんわりと心に沁みてくる。
    まるで色鉛筆が綺麗にケースに納められていて気持ち良いなと感じるようなそんな印象を受ける。

    そして、文房具大好きにはたまらない。
    気になる文具類がたくさん登場、欲しくなってしまう。
    やっぱり、書くことっていいなと実感する。


  • 心がホクホク。
    ファンタジーじゃないのに、なんだか心に魔法をかけられたよう。キラキラした欠片が空から舞い落ちてきた。
    『大切なあの人に贈りたくなる物語』
    文房具が好きな方へのクリスマスプレゼントにもいいんじゃないかな。
     
    文房具店『四宝堂』に足を踏み入れると柔らかなお香の香りが出迎えてくれる。空気や時間の流れが一瞬で緩やかに変わるね。素敵。

    何かしらの悩みを抱えているお客さんが思い出の文房具とちょっぴりおせっかいな店主の言葉に心を解きほぐされ、最後は自分自身で答えを見つけていく。
    私は七海ちゃんと拓海くんの弓道部の練習記録ノートのお話「大学ノート」が可愛くて好き。
    そのノートに向かってるときはお互いのことを考える時間でもあったんだよね。きっと拓海くんも言い出したくても言い出せなかったんだよ、七海ちゃん。コクヨのキャンパスノートかぁ、懐かしすぎる。

    いるかさん、aoiさん、松子さんと同じ本を読もう「秋の会」。選書はいるかさん。お香や文房具か大好きないるかさん。いるかさんのお人柄を感じるとっても温かい物語でした。素敵な小説を紹介していただきありがとうございました。

    • 松子さん
      ちーちゃん、みなさん、こちらでもこんばんは(^^)
      先程いっちゃんのレビュー読み終わった後、すぐその下にあったちーちゃんのレビューに気付きま...
      ちーちゃん、みなさん、こちらでもこんばんは(^^)
      先程いっちゃんのレビュー読み終わった後、すぐその下にあったちーちゃんのレビューに気付きました。ちーちゃんもいっちゃんも、読むのはやくてびっくりした!
      文房具が好きな方へのプレゼントっていいねぇ♡

      いっちゃん、弓道女子なんだぁ。かっこいいねっ
      早く弓道のお話読んでみたいな。
      3話読み始めたところです♪
      2023/10/03
    • 地球っこさん
      松子ちゃん

      ゆっくり読むのが似合う小説だよ~

      弓道のお話はザ・青春って感じ。微笑ましかったよ♪
      松子ちゃん

      ゆっくり読むのが似合う小説だよ~

      弓道のお話はザ・青春って感じ。微笑ましかったよ♪
      2023/10/03
    • いるかさん
      みなさん おはようございます。

      まっちゃん 3話目がまさしく弓道のお話ですよ~
      淡い恋物語 ゆっくり楽しんでくださいね。

      最後...
      みなさん おはようございます。

      まっちゃん 3話目がまさしく弓道のお話ですよ~
      淡い恋物語 ゆっくり楽しんでくださいね。

      最後の話もよかったです~
      秋の読書 楽しんでください。
      2023/10/04
  •  「文房具は本と似てる!」と思える一冊でした。
    手に入れた経緯や使い心地など、使うほど愛着・思い入れも増します。加えて、デザインや色、大きさ、用途も多様で好みも分かれるので、人に薦める難しさも本と似ている気がします。

     銀座の老舗文房具店「四宝堂」を舞台に、様々な文房具が登場する5編の連作短編集です。
     来店するお客様は皆訳ありで、それぞれの人生が文房具と共にあり、そこに店主の宝田がそっと寄り添い、最適な言葉と商品を提供します。そして客人それぞれ、促されるまま四宝堂2階のワークショップ用オープンスペースで、自分と向き合いながら大切な人へ文章を認めるのでした。

     各話の物語も心温まるものですが、何よりも文房具の良さを再認識させてくれます。文房具好きの方に絶対おすすめです! 各種銘品が登場します。
     勝手な思い込みですが、「本好きの方って文房具好も好き」っていうパターン、多くないですか? 実は私もそうなんです。(←承認要求?同調圧力?) 手帳は手書き派、本は紙派です! 自分へのご褒美にちょっとリッチな文房具を購入したこともあります。(ただの自己満足)

     LINEもブクログも便利なツールだけれども、こだわりの文房具でアウトプットすることも、思いを伝える有効手段かも‥。また、下手な字と粗末な字は違うし、文字に心を込めることが大事なんですね。
     とても温かく、一歩踏み出す勇気ももらえる物語でした。

  • だいぶ前にランキングで見て『読みたい』に入れていたが、「テッパン」を先に読んで、こちらはようやく購入。

    銀座のとある路地の先にある老舗の文房具店・四宝堂。店主の青年の言葉と思い出の文房具が、店を訪れる様々なお客の悩みをほぐしていくお話。
    5つの短編からなるが、全体を通じて、自分にとって大事な人との縁をつなげ続けていくために自分の心に素直になり、その思いの通りに行動していきましょう、というトーンで貫かれていたように感じた。
    登場する人たちは皆、素敵な人ばかりだったが、ちょっと出来過ぎのようには思った。

  • 読み終わったら早足で文具店に行きたくなる
    上田健次さんの
    『銀座「四宝堂」文房具店』

    おもしろかったぁー!
    店主•宝田硯さんが銀座で営む四宝堂には
    心にモヤモヤを抱えた色々なお客さんがやってくる。

    それぞれの登場人物が持つ大切な文具と、それにまつわる大切な思い出。
    店主の硯さんに打ち明けるとなぜか心がほぐれ、四宝堂の2階のスペースで自分の心と向き合い、思いを溢れさせながら手紙を綴る。

    孫から祖母へ
    ホステスからお世話になったママへ
    弓道部の副主将から主将へ
    離婚した夫から元妻へ
    寿司職人から恩人である大将へ

    登場人物の心をこめた手紙や言葉が
    自分の心にまですっと届き、大切な人との思い出を振り返ったり、思いを馳せるきっかけになりました。

    そして、癒し系店主•硯さんの文具の知識と情報量。すごいですっ

    ⭐︎モンブランマイスターシュテュック•クラッシック(手の小さな日本人向けにぴったりな万年筆)

    ⭐︎ファイロファックスノート•クラッシック
    (革素材が表紙になっていて上品な手帳)
    ⭐︎クロスボールペン•クラシックセンチュリーN1502(金のスタイリッシュなペン)

    ⭐︎コクヨキャンパスノートB 5サイズ

    ⭐︎ロディアのブロックメモNo.12

    読後、それぞれの文具をネット検索してみた!
    おしゃれで、リーズナブルな物から、手の届かないものまで、見ていて楽しい〜

    次回文具店に行ったら、1話で紹介されていた
    国際条約の調印式や会社間の大きな契約の取り交わしに使われる
    マイスターシュテュック149(軸径15.2ミリ)をぜひ実際に見てみたいと思った。

    涙活「秋」の部、いるかさん選書の
    銀座「四宝堂」文房具店。
    読み終わった後も楽しかったです(^^)
    いるかさん、すてきな選書ありがとうございます!

    • 松子さん
      いっちゃん、こんにちは(^^)
      三連休中、お出かけだったでしょうか
      もしそうだったら、お忙しい中お返事ありがとうございますm(_ _)m
      ク...
      いっちゃん、こんにちは(^^)
      三連休中、お出かけだったでしょうか
      もしそうだったら、お忙しい中お返事ありがとうございますm(_ _)m
      クロスのボールペン!四宝堂にでてきたものですね
      おしゃれです〜。
      自分のお気に入りを大切にできるって素敵ですねっ
      2023/10/09
    • ヤスコ。さん
      まつこ、おひさ!
      私も読んだよ✨
      続きのⅡもぜひ!
      通勤電車で読んで、涙と鼻水が…(笑)
      まつこと2階で待ち合わせしたい。
      ワークショップと...
      まつこ、おひさ!
      私も読んだよ✨
      続きのⅡもぜひ!
      通勤電車で読んで、涙と鼻水が…(笑)
      まつこと2階で待ち合わせしたい。
      ワークショップとか…!
      2023/11/16
    • 松子さん
      やすこぉぉぉー!お久しぶりだよっ(≧∇≦)
      2階で待ち合わせ、大大大賛成!
      硯さん真ん中に、色々な文具の話も聞きたいし
      やすことも色々な話し...
      やすこぉぉぉー!お久しぶりだよっ(≧∇≦)
      2階で待ち合わせ、大大大賛成!
      硯さん真ん中に、色々な文具の話も聞きたいし
      やすことも色々な話したいわ♡
      ワークショップは、私の不器用っぷり披露しちゃうかも。ふひひ。
      久しぶりにやりとり出来て嬉しかった。
      ありがとう!
      2023/11/16
  • 毎話、1つの文房具が取り上げられ
    その文房具を必要とする人や大切に思っている人たちが
    四宝堂を訪れて、優しい店主にほぐされて前を向くお話。

    どの話も丁寧に背景が描かれているのでのめりこんで読むことが出来、じんわりと涙が滲んだり、心の中で頑張れと祈ったりと気持ちを忙しくして読み終えた。

    欲を言えば、ほぐされて前を向いたあとをもっと描いていて欲しかった。想像して楽しむことも出来るけど作者さんの文章で、物語をもっと楽しみたかった。

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