鴨川食堂ひっこし (小学館文庫 か 38-13)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (245ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072419

作品紹介・あらすじ

京都発!大人気美味しいミステリー第10弾 「鴨川はんには申しわけないんやが立ち退いて欲しいんや」。京都・東本願寺近くにひっそりと佇む食堂で、依頼人の“もう一度食べたい”を叶えてきた鴨川流・こいし親娘。ある日、食堂の大家が店を訪れ、一帯の再開発にともない建物を明け渡して欲しいと流に告げる。移転か店じまいか、戸惑いながらも話し合いを始める流とこいし。そして世代交代も考え始めた流は、こいしに亡くなった妻・掬子との思い出の味を探してほしいと依頼し――。第一話 紅白餅……流の探しもの第二話 ボルシチ……最後の答え合わせ第三話 カレーうどん……店の命運心もお腹も温まる、美味しいミステリー最新作、第10弾。鴨川親娘が実在の名店を巡る番外編、「鴨川食堂おでかけ」も収録!

感想・レビュー・書評

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  • STORY BOX2023年3月号紅白餅、書き下ろしボルシチ、カレーうどん、の3つの連作短編。タイトル通りの鴨川食堂のひっこしが3編を通して語られる。また依頼人はいずれも流さん、こいしちゃんのお知り合いの方が登場。それだけに、食の謎にも流さん、こいしちゃんがかかわる展開になるのが面白い。ひっこし後の食探しは役割りが少し変わるような話もあって次回が楽しみです。

  • シリーズ第十作。今回は探偵話が3つと少ないが、いずれも流ファミリーにまつわる話。浩とこいしはどうなるのか?実在の名店が25軒紹介されている。柏井さんらしいな。

  • 突然の話の展開に驚かされる。
    箸休め的な回なのか、これで終わりなのか…?

    区切りにするにしてももう少ししっかりとした内容にしてほしかったかも。

  • 待ちに待った流さんとこいしちゃんとの再会、嬉しくてたまりませんでした。話も急展開で、内容もいつものとはちょっと違うものでした。今回は、流さんがどのように探している食を推理していくのか、LIVEで感じることができ、とても斬新でした。
    また、何故このシリーズが感動を誘うのかもわかりました。誰もが自分の人生に心残りが1つや2つあるもの。あの時ああしていれば。いやいや、こうしていれば、というのがあるはず。悔やんでも悔やみ切れない想い出。時が戻せるなら・・・、と誰もが思ったことがあるはず。どうしようもないと思っていたこと、答えを一生得られないと思っていたことの解を料理を通して得られるのがこのシリーズの肝。だから、依頼者と同様に読者も一筋の涙をながすのです。だれもが、こんな瞬間に出会いたいと思うはず。少なくとも、私は思います。

  • 鴨川食堂の大家が、一帯の再開発にともない建物を
    明け渡してほしいと流に告げる。移転か店じまいか、
    流とこいしは話し合いを始めて…。美味しい
    ミステリー第10弾。

  • シリーズ第10弾にして、突然の立ち退き話。
    どうしてこの展開に?
    スマホの地図で見てみると、鴨川食堂はこの辺りかなーという界隈には、確かに宿泊施設がたくさんできている。
    仏具店などが並ぶ通りの、しもた屋風の建物・・・という描写がそぐわない景色の街並みになってきたのかもしれない。
    というか、持ち家だと思っていたら、店舗付き住宅の賃貸だったんですね。
    シリーズが終わってしまうのかと一瞬思ったけれど、そうでもなさそう。
    郊外の方に移ることになったので、生活の描写なんかも変わりそうですね。

    移転のバタバタで、飛び込みのお客さんの依頼は無し。
    身内の食探しが3件。

    第一話「紅白餅」は、流の依頼で、こいしが母・掬子(きくこ)の秘密を探る。
    自分だったら、そのままにしておく。家族から誤解を受けるようなことはしないと、こいしはハッキリ言う。
    さて、こいしはこういう考え方なのだ。
    私は第三話へのつながりが気になる。

    第二話「ボルシチ」は、常連さん、来栖妙(くるす たえ)の依頼。いい話でした。
    これからはご近所さん。

    第三話「カレーうどん」は、なんと一巻からちらほら名前は出ていた、福村浩(ふくむら ひろし)の依頼。
    こいしと付き合っているらしいということは分かっていたが、途中から影が薄くなった。
    ・・・と思ったら、故郷に帰れないそんな理由が・・・
    この話を、私はどう読んだらいいのか分からなくて困った。
    けじめをつけない罪な男ではありませんか。
    こいしは、どう思っているのだろう?
    流さんは浩を責めることはしない。
    流さんがいいと思っているなら良いのかな?
    時効・・・ですか?
    確かに、もう待たなくてもいいかと思い始めたらしき人に、こっちで食堂やることになりました、みたいなことを報告するのもな・・・新たな紛争の種だ。

    食の探偵が3件だけの代わりに、お父ちゃん、こいしそれぞれの、おひとりさま食べ歩きの話が載っている。
    実在のお店の紹介だけれど、二人のいつもの口調で語られるとガイド本っぽさはなく、紛れもなく小説である。
    特に、流さんと掬子さんの、生涯でただ一度の贅沢、『豪華客船のハンバーガー』は、しんみりしました。

  • シリーズ10作目でまさかの展開。びっくりぽんやわ。今回は身近な人の食べ物探しで、これまでの依頼とは結構違う。で、これからどう続けるの?

  • 水戸黄門的手法っていうドラマあるじゃないですか。ドクターXとか、ごくせんとか。いわゆるストーリーは違えど展開は同じでホッとする感じ。決め台詞もあって。そんな小説だったのに…今回はなに??作者変わったのかと思ったほど毛色がガラリと違うし、次回最終回ですか?や、今回が最終回ですかね、打ち切り?みたいな作品で本当にがっかりした。

  • 鴨川親子のリスタートの物語。
    ホテル開発の影響で、大家さんから退去を申し入れられてしまい、上賀茂へ引っ越すことに。
    いつも通りお客さんの食探しをするのではなく、今回は流自身の食探し、ずっと親子の馴染み客だった妙さん、こいしが一緒に食堂を開くことになった料理人の浩さんの食探しのお話だったのが面白かった。
    登場人物たちの背景がよくわかって、ますますこれからが楽しみになった。

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著者プロフィール



「2023年 『歩いて愉しむ京都の名所』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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