さくら (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 9083
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094082272

感想・レビュー・書評

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  • 「犬と家族の話」から想像した話とは、だいぶ違った。

    家族ってこんなんかなぁ…

    でも

    好きな人に好きと言おう。
    生まれてきた子どもに、ありがとうと言おう。
    子どもに何か聞かれたら、一緒に答えを考えよう。
    もし子どもが、パートナーに暴力をふるったら
    「自分の好きな人になにすんねん」 と言おう。
    子どもより先に逝こう。
    そして、死ぬ時
    「生まれてきてくれてありがとう」 と言おう。

  • 家族5人と犬1匹の物語。前半は間延びした感じがあったけど、中盤から気持ちが入り込んだ。幸せで安心した生活の中で息子2人と娘1人が成長していくが、そこに悲しくて残酷な現実が。人はいついなくなるかわからないからこそ、相手に気持ちを伝えとかなきゃいけない。とか考える。

  • 家族の切ない物語、かと思いきや、最後はあたたかな気持ちで読み切ることができました(*´∀`*)
    西加奈子さんの表現力がとても好きなので、別の小説も購入してみようと思います。

  • 人間てのは、ややこしいなぁ。
    けど、ややこしいから面白いのかな。
    ややこしい人間達の側にいつもさくらがいる。

  • 何でもない日常と、ちょっと変わった家族の愛情溢れる物語。
    人気者のお兄ちゃん、変わり者の妹ミキ、元気で太陽のような母、寡黙でおとなしい父、そしてサクラ。
    一人一人の人生、家族としての人生が細かく描写されており、感情移入してしまう。あたかも自分が主人公かのように。
    西加奈子さんの色彩溢れる比喩が盛り込まれており、とても面白い!
    どうしてこんなにも場面が絵で、鮮やかに思い浮かぶんだろうと、私はいつも思う。

  • 家族の死という最大の試練から、一家が前を向き再生する話。

    神さまからの試練は辛いものばかりじゃないよねと最後思えたのが良かった。

    さくらがとにかくかわいい。家を出てから後に死んでしまった飼い犬を思い出して泣けた。

  • ちょっと変わってるけれど、愛にあふれている。ヒーローだった兄ちゃんがいかにヒーローだったか。目をみはるほどの美女に育った妹がいかに美人でやんちゃだったか。丁寧に描かれたのは新興住宅地にあふれているキラキラとした家族だったはずなのに。神様がうっかり放ったボールを打ち損なった兄ちゃん。そこから時間は止まってしまった。家族皆が停止して、でも、月日だけはきっちりと過ぎていて。それはしっぽに花びらをつけてやってきた末っ子・さくらに如実に現れていた。小さな体でつなぎとめていたのは時だったのか、家族だったのか。

  • 予期せぬ出来事で壊れた、幸せな毎日。
    どんな家族にも大変な時はやってくる。
    それでも、不幸であり続けることはない。

  • ちよっとした行動や心理状態を形容する視点の面白さとリアルさ、表現の豊かさに圧倒された。
    怖いもの無し感のある幸せな家族が突然のアクシデントによって一気にどん底まで落ちる様子は悲しすぎるけれど、それを補って余りある西さんの文章力に引き込まれてしまいました。

  • 家族の物語がのんびりと進んでいくのかなという前半。
    後半になって一転。苦しくて、何回も本を閉じて深呼吸しながら読んだ。
    神様が投げたボールも、自分で投げたボールも自分の運命には変わりなく、与えられたことも、自分で選択したことも全てを受け入れるってことかなと思う。
    本で見ると、あの時の選択が違ってたら、あのページがなかったら、未来が、先の物語が変わっていたかなと思うこともあるけど、実際に時は流れているわけで、後戻りできないなら、自分の運命を信じて生きていくしかないなぁ。と思う。

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著者プロフィール

1977年イラン・テヘラン生まれ。2004年『あおい』で、デビュー。07年『通天閣』で「織田作之助賞」、13年『ふくわらい』で「河合隼雄賞」を、15年『サラバ!』で「直木賞」を受賞した。その他著書に、『さくら』『漁港の肉子ちゃん』『舞台』『まく子』『i』などがある。23年に刊行した初のノンフィクション『くもをさがす』が話題となった。

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