- Amazon.co.jp ・本 (464ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094083682
作品紹介・あらすじ
「沢彦宗恩(たくげんそうおん)について、記録上、わかっていることはさほど多くない。信長の少年期の学問の師であり、その名づけ親であったこと。信長に『天下布武』の印を授け、天下統一の思想を与えたこと。沢彦を描くことは、知られざる信長の素顔を描くことでもあった」(著者あとがきより)
武田信玄が斃れ、天下統一が目前になるにつれ、覇王と化した信長は「天下人」のあるべき姿を説く沢彦を疎んじるようになる。比叡山焼き討ちで亀裂は決定的なものとなり、沢彦は正義と信念を貫くため、信長の師として、最後の務めを果たす決心をする。
感想・レビュー・書評
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本能寺の変の首謀者が沢彦かぁ。この本を読む限り、あり得るかもと思える。ますます、本能寺の変は深い。
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沢彦(下)
上巻に続いて、最後まで二人三脚、
かと思いきや、すごい展開が待っていました。
(途中で先が読めたという話もありますが・・・)
残念であったのは、光秀君と家康君の描かれ方。
そして信長君はこの小説では最後まで大人になれなかったようです。
ただ、最後まで、読み手を飽きさせなかったのは、さすが火坂さん!
といったところでしょうか。
解説を読むと、火坂さんは”影の黒幕”系の人物を取り扱ったものが多いとのことなので、そちらも読んでみようと思います。 -
加藤廣の「信長の棺」が太田牛一の信長で表とすると、この沢彦は裏から見た歴史といえる。勝手ですが、この2冊を信長表裏一体と表現したい。信長の棺で足りない部分が、この沢彦で補われる点がすごくおもしろい。
沢彦を知る人は岐阜の名付け親ということだろう。沢彦が信長の懐刀だったとしたら、われわれのよく知る歴史本はすべて否定されることになるが、それはそれでいいと思う。これもひとつの解釈。そう考えるとすごくおもしろい本といえる。上巻とは違って、かなり重い話であるが、歴史の見方を変える部分があれば、すごく面白い。