- Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094085730
感想・レビュー・書評
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読み終えてまず思ったのは、
「あ~、わたしもこういうの、面白いって思うようになったんだなぁ」
ということ。
誤解を恐れずに言うと、これを読んで何かしら共感したり、面白いと思えたりするのは、どこかしら「年、とったなあ」と自分で感じ始めている人なんじゃないだろうか。
事実わたしはちょうどそんな時期にあるわけで。
きっとこの本を5年前に読んだなら、けっして「面白い」とは思わなかっただろうし、まず手に取ることさえしなかっただろう。
20代から30代へ、30代から40代へ…そんな、ちょっとした人生の区切りにある人には、どこか共感できて、ちょっとだけ勇気と元気をもらえる、ほんな「ほっこり」した一冊だと思う。
小説というよりは、長編エッセイのような本作。
主人公は40代だか50代だか、恐らく漫画家らしい女性。(すみません、前作読んでないもので。)
未婚、子供はなし、恋愛にも興味なし。
そんな自分の現状に特に不満を持つわけでもなく、個性的な友人とその子供達に囲まれて、日々を淡々と、しかしピリッと刺激はありつつ楽しみながら生きている。
そう、まさにビターシュガーな日々である。
わたしはバツイチ。
おまけに、大恋愛の末のこの結末だから、正直もう一生「恋愛」はできないと思ってる。
実はそんな自分自身にちょっと焦りと感じていたりして。
新しい出逢いを求めて新しい環境に飛び込んでみたり。
旅に出てみたり。
まあ、ここ一年半、足掻いてきたけれど…。
なぁんか、別にいいんじゃない?
読み終えたとき、カラッとそう思った。
不思議なくらい、自然にカラッと。
いいんじゃない、一生分の恋をしたんなら。もう無理して恋愛に拘らなくても。「友愛」の果てが一緒にいる相手だった、でもアリじゃない。
良い友人、大好きな妹ちゃん、おちゃらけて明るい両親、絶対出会うことはなかっただろう人々…そんな人達と、楽しく元気に生きていければ。
その中でちょっとシュガーだったりビターだったり、いろいろ感じながら生きていけば。
気楽に生きよう。
レッセフェール、ケセラセラ。
奇しくもずっと自分のモットーであったその生き方に、巡り巡って辿り着いた感じ。
本当に、本との出会いは奇なるもの。
「傑作だ」とか「これ絶対読んでほしい」という作品ではない。
でも、わたしのように、「一般的な人生ってなんだろう」と、それとの乖離に密かに焦っているような人には、ちょっと読んで欲しい一冊。
ビターシュガー。
人生ってそんなもの。
気負わず、わたしも、日々のシュガーとビターを淹れたての珈琲を味わうが如く噛み締めつつ生きていこう。
ふと、そう思った本なのでした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『虹色天気雨』の3年後。
いまだに奈津は夫と別居中。
全然事態が進展しない中、大人びて健気で空気読み~で美少女だった美月は、いっぱしの大人のつもりで、分かってない事まで分かったつもりで大人の生き方に口をはさみ、批判し、不潔扱いするという、まさに中二病真っ盛りの女子に変貌を遂げた。
そして、主人公の市子は、厄介事を次々と押しつけられ、善意でした事(というか断れなかっただけ?)をみんなから非難され、家には押し掛けられ…という気の毒な状態。
前作はそんなに気の毒にも感じなかったのだけれど…
まりとか美月が何だか強烈で。
前作は運動会、今作は、小糸ちゃんの結婚式やリンゴ狩り?
登場人物が総出で楽しむ。
切れたと思ったら、まだ繋がっていて、ちょっとついたと思ったら、ずっと切れなくて、納豆のような人間関係である。
離婚したり、元夫と撚りを戻したりと、波乱といえば、皆、波乱に満ちた人生を歩んでいるのだが、まるでお経を聞いているような語り口で書かれている。
以前、ドラマになったそうなのだが、この淡々とした感じを出す事が出来たのだろうか?
厄介事が次々と舞い込む…と書くとマイナス印象だが、実は主人公のマンションは、みんなの帰る場所のような、つまり安らぎの空間なのである。
そして、大所帯な行事の写真を“興奮した犬みたいに”写真に撮りまくる土方さんが、目に浮かんでくるようで、なんだか可愛かった。
前作では、失踪してまで憲吾さんが何したいんだか全然分からなかったのだが、今回、長野が描かれるに至って、何だかちょっと分かったような気がした。
“女性の友情”は、前作の方が感じたかなあ…
私は、今作のまりはちょっと遠慮したいです。 -
腐れ縁でもなんでも続いている友情とその距離感が絶妙です。そして振り回されてばかりの市子の避難所のごとき存在感に乾杯です。
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虹色天気雨の続編と知らずいきなり読んだので面白さは半分だったかもしれない。続きのようでわからないところもあったが中学、高校からの付き合いの市子、奈津、まりの何でも言い合える関係…絶妙な友達関係が大人になっても続くのはいいなぁーと思った。
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相変わらずいい大人が四六時中女子会を開いてる。
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2013 8/27
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恋愛、家族や老後を考える四十路女性三人の友情を中心とした物語。三者三様の人生がお互いに絡み合いながら進み、その会話の掛け合いが面白い。NHKのドラマを見て読もうと思った。小説よりドラマのほうがスピード感があって面白いと感じた。それは女優3人(りょう、和久井映見、鈴木砂羽)の演技力の賜物か。
恋愛できる最期ではという思い、自分の価値観を大切にしたい気持ち、老後一人を恐れる気持ち。お互いのさわやかな関係が浮かんできて、とても気持ちよい。この妙齢の女性を対象とした小説はドロドロ、嫉妬といったものがイメージされるが、それらがなく、読み終えて気持ちよかった。 -
虹色天気雨の続編
40代の女性3人の友情ストーリー
前作から3年が経ち、少しずつ変わっていく
主人公の市子のようなみんなの安定剤にちょっと憧れる
結婚もせず、恋人もいない、けどもいつも誰かがふらっとそこにやってきて、癒されて帰っていく
そんな市子のような友達が欲しい -
現在NHKでドラマが放映されている。
ここ最近、NHKのドラマが本当に面白い。
他局が3か月クールなのを全く無視しているのもいいし、出ている俳優が売れっ子過ぎない実力派だからなのか!?
39歳女性、学生のころからの仲良し3人組だが、それなりに経験を積み、いろいろある。
恋愛で甘い思いはしたいけど、苦い思いはしたくない、って思っていて知恵もついたはずなのに…結局傷ついてしまう。
それども折り合いをつけて生きていく、みたいな話。 -
前作に引き続き、ついつい読みたくなってしまう。ドラマの登場人物が印象に残っていて、キャスティングはほんと絶妙だな、と改めて思った。幸せっていったい何なのか、思いめぐらすことができる本だった。