127時間 (小学館文庫 ラ 3-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (391ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094085938

作品紹介・あらすじ

全米が泣いた奇跡の実話!オスカー映画原作

2003年、アメリカ・ユタ州の峡谷で、アウトドア好きな青年アーロンはロッククライミング中に岩に右手を挟まれ、身動きがとれない状態に陥る。手元にあるほんのわずかな食料と水。それが尽きれば命も尽きる・・・。
1日、2日、3日・・・。絶望と闘いながら、生への情熱を燃やしつづける。
4日、5日・・・体内から水分と力が消え果てていき、朦朧とした意識の中で、彼は愛する家族を想う。「ママ、パパ、愛してる。いつまでも忘れない・・・」
しかし、彼の強靱な生命力は、彼に「ある決断」をする時間の猶予を与えた。想像を絶する、生還のための闘いが始まった・・・・。
アーロン本人がその「奇跡」を、あるときはショッキングにあるときはまるで詩のように繊細な筆致で綴った、感動の記録。
命の力、家族の絆、そして人間の勇気について、ひとりの青年の奇跡の体験が教えてくれます。

【編集担当からのおすすめ情報】
本年度アカデミー賞、作品賞・主演男優賞など6部門にノミネートされた映画「127時間」の原作です。監督は一昨年の作品賞受賞作「スラムドッグ$ミリオネア」のダニー・ボイル。アーロン役を壮絶な演技でリアルに見せているジェームス・フランコはこれから日本でも人気が上がること間違いなしのイケメンです。日本での映画公開は6月ですが、4月発売の原作を読んでから映画を見れば、感動も100倍です! 映画では描かれていない壮絶な闘いの描写もあり。

感想・レビュー・書評

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  • 著者はアウトドアだけではなく、文学の才能まであるのか?
    そう思ってしまうほど、描写や心情の表現が豊かで内容が細かく伝わってきました。
    その所為(?)なのか、読むに耐えない心苦しい場面ではゾクッと感じます。
    耐えられない人は多いかも…。
    それでも古い作品・映画原作であり、前情報がすでに入った状態でしたが十分に楽しめました。
    これを知らずに読むまたは観る人が羨ましい。
    そう思い少し曖昧な表現で感想とさせて頂きます。
    登山道具の名前が一般名称ではありますが、普通に使われており想像しにくい人もいると感じます。

  • 極限、まさに極限。
    人は簡単には死なないのか、死ねないのか。
    「生」についての強さを感じる。

  • アウトドア好きにも程がある。アメリカ人なら在り得るかも、にしても危険と背中合わせが魅力なんだろうね、怖いおもいをするためにジェットコースターに乗って騒ぐのに似てる。こんな事をしでかしてベストセラー作家、映画の原作に採用されるって・・・世の中なんかヘンだよ、コレを読んで感動するっていう感覚が分からない、ただただ痛いだけ。

  • うぅ…痛い。「痛い文学」ってジャンルは存在すると思うんだ。
    だって、読んでいるだけで激痛を伴うのだも。

    それはあまりにも酷い出来事で「心が痛む」のでも、物語が
    破綻していて「頭が痛い」のでもない。身体的な痛みを伴う
    作品というのはあるのだと実感する。

    それは沢木耕太郎『凍』もそうだし、本書も同じジャンルに
    加えたいくらいに痛い。否、痛過ぎるかもしれない。

    著者はアウトドア好きの青年である。休日に砂漠の渓谷へ
    出かけ、ロッククライミング中に悲劇に襲われる。

    不安定な岩から飛び降りる際に、その岩塊と共に滑落する。
    それだけならよかった。落下した岩塊は著者の右手を岩壁
    との間に挟んでびくともしない。

    ハイカーも少ない渓谷の奈落。誰かが偶然に発見してくれる
    可能性は皆無に等しい。手元にあるのはわずかな水と食料。
    それが尽きてしまえば、自然と死を迎えるしかない。

    岩塊を砕いて挟まれた右手を引き出そうとするも、持っていた
    マルチツールの刃渡りの短いナイフと金やすりでは成果が
    上がらない。

    右腕の切断にも挑戦するも、岩を削ってなまくらになったナイフ
    では僅かな傷をつけることしか出来ない。

    座ることも横になることも出来ない姿勢では、睡眠を摂ることも
    出来ず、クライミングの道具を工夫して足の負担を減らすのが
    やっとだ。

    昼間こそ太陽の光を受けることが出来るものの、砂漠の夜の
    寒さは低体温症を引き起こす恐れもある。

    頭上を飛ぶカラスと、時折襲ってくる蚊以外にはまったくの
    孤独。その孤独と死への恐怖。加えて、衰えていく体力が
    著者の意識を混濁させ、時に譫妄の世界へ誘う。

    このままここで、孤独に死んでなるものか。そうして、決断の
    時がやって来る。挟まれた右腕を…。

    ギャー。こうやって思い出して書いているだけで自分の右腕が
    目茶目茶痛いんですけど。

    絶望的な状況にありながら、客観的に自分の置かれた状況を
    分析し、万一、このまま死を迎えることを考えてビデオカメラ
    に遭難の状況を残すなんて。

    自分だったら絶対に出来ないわ。絶望してそのまま死んでる
    と思う。

    しかもこれが実話なんだよね。そして、渓谷からの生還後、
    著者は再びアウトドア・ライフを楽しんでいる。

    原書のせいなのか、訳文のせいなのか。少々読み難いのが
    玉に瑕。

    尚、この作品は若干の変更を加えて映画化されている。私は
    映画を先に観ているので、最初のアクシデントシーンが分かり
    やすかった。文章だといまひとつピンと来ないところもあるん
    だよね。

    なので、「映画は観たけど原作は読んでいなかった」シリーズ
    であ~る。それにしても…イタイ。

  • コンセプトコーナー2012年 8月「アンケートリクエスト企画 自然から学ぶ医療知識」の選書です。

  • 映画を見た後ロビーで原作を買い、そのまま読んでみた。
    映画だと目をそらせば済んだけど、活字にすると…イタイ。
    内容とは関係ありませんが、中に挟み込んであった宣伝用しおりが、お坊さん著「ブッダにならう 苦しまない練習」で、笑えた。主人公が遭難した場所は、モルモン教の総本山ですけどねw。

  • 週末、一人で旅に出かけ、渓谷を下った所で大きな岩と共に落下。片腕が挟まれ127時間、葛藤が続く… 色々考えさせられる一本でした。

  • 彼の生きてきた人生
    後悔しながらも、それがあったからこそ生きることができたのだろう

  • 映画にはない母親や友人たちの捜索、その後の様子がある。
    腕を切るシーンは痛すぎてじっくり読めない。

  • 生きている事はすばらしい。
    強く生きよう。

  • 最後まで
    諦めない、
    強い精神力は
    感動した。

  • 映画鑑賞後に読了。

    「岩に腕をはさまれて身動きがとれない状況で、水も食糧もなく、人に発見
    される見込みもないとしたら?」と訊かれて、安易に「腕を切り落とせばいい」
    と考えがちだけど、実際にそうするためにどれだけ勇気がいることか。
    事故に遭ってからずっとピンチ、自由になってからも困難続きで、その長くて
    濃い苦しみは「127時間」というタイトルの字面だけでは到底表せない。

    映画は原作に忠実で、視覚に訴えてわかりやすかったので、こっちの方が好み。
    もう一度見たいと思う。
    原作は地名や道具の名前がちょっと分かりづらかったかな。

  • 山岳サバイバルものなんだけど、けっこう、中身がグロい。
    読み終えた後で、原作者、元インテルの社員だと知って、ちょっとびっくり。

  • 極限状況に置かれたひとの手記というのは、往々にして他者が記録をもとに後世になって編みあげるものが多い。冒険じたいが廃れた時代だからでもある。そんな21世紀にあって、本人による実録が書かれたことは注目に値する。そしてまた彼の筆致が巧みで、心理、情景の描写がバランスよく、読者に臨場感を与えるばかりか哲学的でさえある。個人的にはこういうメンタリティの人物は少し苦手かも知れないが。

  • 映画版の「127時間」を見て、その行間を埋めようと購入。ちなみに、映画の方は傑作だと思います。

    映画では描けなかった部分(主人公の家族や友人たちの行動)が描かれていたり、映画の意図したかったことが分かったりして、映画のガイドブック的な意味で楽しめました。

    本から読みはじめた人がどう感じるかは未知数です。私は読みながら、どうしても映画の映像が出てきてしまったので。

  • 腕切断の描写が怖く、部分的によみとばしてしまった。「愛する人生を生きなきゃ」「さようならを言うことは大胆で力強いもうひとつの始まり」の言葉に、人物を愛することを伝えられた気がする。

  • 新宿武蔵野館にて鑑賞。

    ダニー・ボイルならではの疾走感、テンポ、そしてやはり音楽が素晴らしい映画。
    ある意味into the wildと対極に位置するテーマだと感じた。
    鑑賞中は誰もが「渇き」を覚えるだろうが、クライマックスの爽快感は凄まじい。というか音楽で強引に持っていった感じは否めない。
    一つ言いたいのは、回想をもっと作りこんで欲しかった。実話ベースの話なので難しかったのかもしれないが。

    ダニー・ボイルとクリストファー・ノーランが今の映画界の二大巨頭かな。

  • 落石に右腕を挟まれてしまった青年。
    彼の「生きたい」という気持ちはすごい。
    127時間。たった一人で生き延びた。
    最後には右腕を切断という信じられないような決断を下す。

    自分だったら、そんな冷静でいられるだろうか?1日だって耐えられないと思う。

    そして、そんな辛くて苦しい思いをしたのに、現在も義手をつけて山に登ってるなんてすごい。

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