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- Amazon.co.jp ・本 (316ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094086836
感想・レビュー・書評
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文庫書き下ろしシリーズの第2弾。第1弾の『再会キャッチボール』で主人公だったフリーライター・白銀力也が第2弾では脇役に回っています。
ひなた町という海沿いの町の役場に勤めるまだ若手の出水英一。たいして有名でもない大学を卒業したのち大手のビール会社に就職、企画したCMが大当たりして異例の出世を遂げたのに、仕事に疑問を感じて辞め、故郷の町役場に転職したのだ。その経歴に着目したフリーライター白銀から、『人間カタログ』という連載で出水を取り上げたいという申し出がある。ちょうど町では沖合いに謎の水生生物が出没して話題に。それがスナメリクジラであることが判明して、これを利用した町おこしプロジェクトが発足。アイデアを繰り出して奔走する出水に白銀が同行するのだが……。
いい話であることは間違いなく、上手く爽やかな話にまとめられています。しかし、テンポがイマイチでもっちゃりした印象。出水と白銀がべろべろに酔っぱらって会話するシーンなどは読みにくいったらありゃしない。この著者の作品は、ご近所さんトラブルで泥仕合が繰り広げられる『どろ』や、ベタベタの大阪弁で進む『ぱちもん』など、アクの強いキャラが主人公の物語のほうが面白いような気がします。たぶんそういうものを書いているときのほうが著者自身も楽しいように思えて仕方ありません。詳細をみるコメント0件をすべて表示