逆説の日本史 15 近世改革編―官僚政治と吉宗の謎 (小学館文庫 い 1-25)
- 小学館 (2012年6月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (448ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094087284
感想・レビュー・書評
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歴史ってのは流れなんだよなぁ。つくづく思います。
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この巻では、新井白石の正徳の治から、吉宗の享保の改革、田沼意次時代を経て、松平定信の寛政の改革までがあつかわれています。
田沼意次にかんしては、大石慎三郎が名誉回復を図ったことが知られていますが、著者もその立場を引き継いでいるようです。とくに辻善之助の『田沼時代』(岩波文庫)については、田沼の業績を正当に評価していないとして、厳しく批判されています。そのうえで、儒教思想の商業蔑視の考えが江戸時代の経済政策を大きくゆがめていたとして、吉宗や松平定信に対しては辛い評価をくだしています。
江戸幕府の経済政策の問題点を指摘する著者の議論は、おもしろく読みました。その一方で、国際的な環境の変動も視野に入れた、経済史的な観点に立った議論が欠けており、もっぱら貨幣政策によって日本の経済のありようが決定づけられていたかのような印象をあたえる記述になっている点が、多少引っかかるような気分にさせられます。 -
井沢氏の基本的な歴史の見方には同意できる事も多い。なので、ずっと読んでるわけだが。
ただ、本書は繰り返しが多くくどい。また、近世には入ってから、少し鼻につくのは対中国、韓国に関するくだり。井沢氏は、これを書きたいために、本シリーズを延々書いているのだろうから、仕方ないといえば仕方ないが。
また、自説を主張するあまり、筆が滑っている部分もあるような気がする。もうちょっと公平な記述もできるのではないかな。 -
第1章 徳川幕閣の展開と改革1
第2章 徳川幕閣の展開と改革2
第3章 徳川幕閣の展開と改革3
第4章 徳川幕閣の展開と改革4 -
文庫落ちしていたので図書館で借りて再読。電車内の暇つぶしには絶好。著者が攻撃する通説って、何十年前の通説よ⁉という突っ込みはさておき、独断と偏見に満ちた方が本としては面白いですよね。
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すべてのシリーズをよんふでいるけど毎回新鮮な視点をくれる良書。星三つ
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いやー今回も面白かった。
江戸時代はかなり知識がないので、するーっと入ってきます。
吉宗、定信の政治と田沼意次の政治、歴史教科書の知識とはかなり違う見方で面白い。
なぜ改革といわれるものと、そうでないものがあるのか、など、読みごたえあります。