奇跡の教室 (小学館文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (233ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094087734

感想・レビュー・書評

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  • 信念が無いとできない教育方法だよなあ。
    今だったらモンスターペアレントにフルボッコされそう…

    すぐに役立つことはすぐに役立たなくなる

    この言葉、橋本先生の言葉として紹介されてる感じだけど、小泉信三じゃないの?

  • ◆2021/08 購読
    漫画「銀の匙」を読んだ関係で、元祖『銀の匙』があるということを知りました。銀の匙という書籍をもとに国語の授業を行い、灘高を一躍、トップ高におしあげたという実話。こんな国語の授業あったら面白いだろうなーという内容でした。子供たと接する際に、少しでもエッセンスを取り入れて行きたいなーと思いました。

  • 「すぐ役立つことはすぐ役立たなくなる」

    「自分が読んだもの、調べたこと、体験したこと、つまり追体験したものは本当の力になる」

  • 無理やり覚えさせられるのではなく、生徒自身の興味を引き出すことができるのは、教師やテキストではなく生徒自身が主役になれるからなんじゃないか、と思った。

    感性はもって生まれたものではなく、育てることができるものであると証明している。中~高校生の授業がテーマの話なので、感性のやわらかい子どものうちに、と書いてあったが、大人でも感性を育てることは出来ると思う。自身が興味があることを徹底して調べること、その内容を議論すること、というのは、大人になったからこそやりたいと思った。

    有識者が語り手の役割と随時の解説を担っていたが、どちらかというと解説はまた別枠でやって、地の文は語り手は出てこない方がまとまりがよかったかな、と個人的には思う。本というより、コラムをまとめた雑誌のような印象。気軽に読みやすいので、スロウリーディングの概念を広める役割になっている。

  • この様な教師に巡り会いたかった。

  • 学力を育てるというより、人間を育てるエチ先生の授業。自分で自発的に考えることが出来れば、勉強だって楽しく思えるようになるかもしれないし、大人になってもしっかりとした考え方が持ち、様々な状況に柔軟に考えることができるかもしれない。そんな考え方を教えてくれる先生がもっといたら、きっと学校が楽しいものになっていたかも。そんな授業を行なってきたエチ先生の授業は素敵だ。うらやましい。

  • 灘中高の元教師、橋本武先生は、中勘助の「銀の匙」を教材にして、中学一年から三年までの国語の授業を行った。

    3年間かけ、一つの作品を読み込んでいく途中で、文中のエピソードから横道にはずれ、美術や、数学の勉強にもつながっていく授業だった。

    この本はその授業を受けた子どもたちの今の姿も紹介している。当時の授業の様子や、その授業を受けたことにより、進路や、仕事にどのような影響を及ぼしたかがわかる。

    紹介された人たち、なぜかみなさん、東京大学出身者なんですね。

    この授業、受けてみたかった。そして、この授業、やってみたい。

  • まぁ、「東大合格率日本一」っていうのがあって、そこから導かれて、ものすごく外側から書かれた本だから、こんな感じなんだろうなぁ。

    失敗には理由があるけど、成功にはたいした理由はないというのは、この手の本を読むときに、いつも心にとめておかなければならないことです。
    もちろん、そこからなにも学ぶなという意味ではないけれど。

    この物語の中での1番の奇跡は、エチ先生に、自由に精一杯やれる環境があり続けたということですよねぇ。学校では、昔から、「教科書教えろ問題」っていうのがありますから。
    確か、裁判にもなったような気がします。

    その環境をつくって維持していくことも、もちろん、その人の徳であったりするのですが……。でも、その維持や、理解してもらうことにあまりにもエネルギーを使ってしまうと、肝心の所にエネルギーを費やせなかったりします。

    目先のことしか見えないのは悲しい。
    それは、自分にも戒めておこう。

  • 「すぐ役立つことは、すぐに役立たなくなる」「スピードが大事なんじゃない」「少しでも興味を持ったところから自分で横道にそれて、どんどん掘り下げることが大事、それが人生の糧になる」大事にしたい言葉だと思いました。

著者プロフィール

伊藤氏貴(いとう うじたか)
1968年生まれ。文藝評論家。明治大学文学部教授。
麻布中学校・高等学校卒業後、早稲田大学第一文学部を経て、日本大学大学院藝術学研究科修了。博士(藝術学)。
2002年に「他者の在処」で群像新人文学賞(評論部門)受賞。
著書に、『告白の文学』(鳥影社)、『奇跡の教室』(小学館)、『美の日本』(明治大学出版会)、『同性愛文学の系譜』(勉誠出版)など、
訳書に、『塹壕の四週間 あるヴァイオリニストの従軍記』がある。

「2022年 『ジョージ・セル —音楽の生涯—』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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