太平洋の薔薇 (下) (小学館文庫 さ 17-2)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 85
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (484ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094088724

作品紹介・あらすじ

21世紀最高の大型海洋冒険小説!

テロリストにハイジャックされた不定期貨物船パシフィックローズは、リーダー・アララトの指示のもと、太平洋を北に進んでいた。柚木静一郎船長以下、船員たちは天候をまったく考慮しない無謀ともいえる航海指令に従いながら、反転の機会を探っていた。
アララトたちは、究極の生物兵器「ナターシャB」を手に入れることで、世界を牛耳ろうとしているのだ。国際海事局海賊情報センター、日本の海上保安庁がパシフィック・ローズの救出に乗り出し、アメリカのCIA、FBI、ロシアのFSB(ロシア連邦保安局)がナターシャBの行方を追うなか、豪華客船「スターライト・オブ・シリウス」のペントハウスには、世界の運命を左右する男たちが乗船していた。

【編集担当からのおすすめ情報】
後半、まさかの大トリックも炸裂!
ラストシーンで必ず涙する、
ハリウッド級超大作!

感想・レビュー・書評

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  • 冒険小説というカテゴリーでは、新しい世代。カタルシスも充分だと思う。読後、アリステア・マクリーンを再読した。

  •  海洋サスペンス小説の下巻。各地でバラバラになっていた物語が、太平洋の薔薇にだんだんと収束してくる。それにしても重要な役割だったはずの人物が終盤にかけてだんだんといなくなっていく展開には驚いた。最後までアクション映画を見ているようなドキドキする展開が続き、面白かった。

  • 映画「ダイハード」みたい(^^)

  • ラストは涙なしには読み進められない。人の世の道理がすべてを超越する。登場人物の生きざまがただただカッコいい。これは解説不要でただ読んでみて、としか言えない。少々、冗長だが自身の時間を投資する価値のある作品。

  • ラストは久々に魂が揺さぶられ、感涙ものである。本作の骨太なエンターテイメントはぶれることなくラストに見事に熱を発しながら収束する。物語の端緒でハイジャックされた後、荒れ狂う海を南シナ海、東シナ海、日本海そして津軽海峡を経て太平洋まで操船してきたシーマンとしての柚木キャプテンの存在が本書の全てであるが、脇もしっかり存在感ある人物で固められている。上巻からの荒狂う海での神がかり的な操船と巡視船かいもん艦長矢吹、IMB本部で柚木艦長の愛娘でもある海上保安庁から駐在官を支える上司のコンディリスとまさに男気満載。一歩間違うとクサイ展開になりそうなものだがその辺が笹本氏の凄いところかもしれない。

  • 最後までハラハラドキドキのオンパレードでした。
    一人のキャプテンの勇気と乗組員に対する愛が国を超えて、海の男達の心を動かしたこと、涙が出ました。
    命を懸けるお仕事、残される家族の辛さも含めて尊敬します。

  • 読み終わってしばらく、胸が震え、涙が止まらなかった。
    なんというスケールの大きさなんだろう。主人公が絶望的な状況にあっても、勇気と気概をもって事態に対処する姿に、心熱くなった。
    ここ数年読んだ小説の中で、ベストの一冊です!

  • 10年ほど前だが、トレジャーボートの免許を取得したので、何度も東京湾に繰り出した。たった6人乗りのボートでも、波に向かって当たる角度を計算して乗りこなさないと転覆のリスクがあり、苦労した覚えがある。スピードに乗って真正面で飛び込むと、ものすごい衝撃が。本書のストーリーはともかくとして、嵐の中での大型の船舶をコントロールする、その緊張感がたまらなかった。
    大型客船の優雅さと対比される貨物船の船内。
    大胆なシナリオの中に、親子の関係が持ち込まれているが、こちらは船にまつわる記述と比べ、その関係が十分描かれているとは思えなかった。その人間関係模様がもう少し考え込まれていたらもう一つ★を出せたかと。

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著者プロフィール

1951年、千葉県生まれ。立教大学卒。出版社勤務を経て、2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞。ミステリーをはじめ警察小説、山岳小説の名手として絶大な人気を誇る。主な著書に『ソロ』『K2 復活のソロ』(祥伝社文庫)他。21年逝去。

「2023年 『希望の峰 マカル―西壁』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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