武田修羅伝: 帰って来た信虎 (小学館文庫 B お- 1-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (347ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094100068

作品紹介・あらすじ

信玄の実父信虎は武田家の基盤を固めた功は大なるものの、その冷酷非情ぶりを信玄、重臣達から嫌われて、追放処分を受け、京に隠棲していた。その信虎が三〇年余の時を経て信州高遠城に現われた。亡霊か?一体、何が目的なのか?困惑する勝頼と重臣達。武田家の行末は?名将信玄なき武田家を覆う疑惑と不信。戦国秘話に材を採った力作歴史長編。

感想・レビュー・書評

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  • 物語のほとんどが信玄が死去し勝頼へと引き継がれる数日を描いた作品。信玄に追放された先先代の城主信虎が信玄の死をきっかけに突然高遠城に現れてまだ纏まっていない武田家を乗っ取ろうとし勝頼、老臣達を困惑させる。飛礫と呼ばれる石を投げるツブテを中心に信虎の野望を阻止する。強烈な信虎のキャラクターそして裏で秘密裏に暗躍する諏訪の異能集団とても面白い作品。

  • 老いても野心が衰えない元気な信虎 なんというぎらぎらした生き方してるんだこの人は!

  • 私はTVを観ないので伝聞で書くのだが,今のNHK大河ドラマは井上 靖「風林火山」を原作にした山本 勘助の話なのだそうで,だとしたら信玄の父である武田 信虎は殆どキチガイというか異常性格者に書かれている筈である.

    ところがこの爺,史実を追うと,信玄に家を追い出されてからの後半生の方も非常に面白い人なのであって,今川義元のところに居候の後に各地を漂泊,九鬼家の内紛に付込んで家中を掻き回したり,足利将軍家の居候になったりとやりたい放題,あげくに信玄より長生きして武田家に推参し,混乱を齎す…と,そこからの数年を描く小説.というわけで,この破天荒爺の人生の最も面白いところが飛ばされている憾みもあり,また生起するイベントは大方は心理劇に近いものなのでカタルシス分は少ない.折角信虎を主人公に置くなら,もっとハチャメチャなものが読みたかったなぁ.

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著者プロフィール

大久保智弘 おおくぼ・ともひろ
1947年、長野県に生まれる。立教大学卒業後、都立高校で教鞭をとる。
『水の砦──福島正則最後の闘い』で、第5回時代小説大賞を受賞し文壇デビューを果たす。
波乱に富んだ物語構成、鮮烈な登場人物の造形等で多くの読者を魅了する。<御庭番宰領>シリーズで二見時代小説文庫デビュー。
今回は久々に新シリーズ挑戦。

◆ 好評既刊
御庭番宰領 シリーズ
『 水妖伝 』
『 孤剣、闇を翔ける 』
『 吉原宵心中 』
『 秘花伝 』
『 無の剣 』
『 妖花伝 』
『 白魔伝 』
( いずれも二見時代小説文庫 )



「2022年 『竜神の爪 天然流指南2』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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