弱キャラ友崎くん Lv.6.5 (ガガガ文庫 や 2-7)

著者 :
  • 小学館
4.03
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本棚登録 : 305
感想 : 11
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  • Amazon.co.jp ・本 (312ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094517576

作品紹介・あらすじ

少女たちの想いを綴る、珠玉の短編集!

あの日、彼女はまだ完璧じゃなかった。
あの日、彼女は人前で初めて泣いた。
あの日、彼女はすべてを振り切るスピードが欲しかった。
あの日、彼女は――……。

日南、菊池さん、みみみ、優鈴――。
少女たちのあの日の想いが、ここに紐解かれる。

6巻と7巻をつなぐ彼女の気持ちも……?

「弱キャラ友崎くん」の世界がさらに色づく、珠玉の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 甘酸っぱくて素晴らしいです。

  • 日南の中学時代。もう既にパーフェクトを目指している段階だったので、目指し始めた時の出来事について知りたかった。それともそのエピソードはそのうち明かされるのか。

  • プレパーフェクトヒロインの憂鬱
    パーフェクトはないとは思いながらも、
    パーフェクトを目指し続けていることが、
    この段階でもずいぶんなパーフェクトヒロイン。
    基礎を自分のものにしたら、
    あとは応用だって気がついて、自分の行動を突き詰めていけるんですね。

    自分がいて、自分をみている自分がいることがよくわかります。
    プレイヤとキャラクタどっちも自分で、
    追い込んで、努力して、積み上げています。
    どこかに、やりたいが感じられないか気にしたのですが、
    そこが感じられないのにらしさを感じますね。

    そんな彼女に影響を与えられる人ってこの先どれくらい現れるのかって
    この時点ではわかっていないのが、
    少し先の未来を知っているからこその短編が面白いです。

  • 作者は、女性の一人称的な独白描写が、いまひとつ洗練されていない。
    はっきり言うと、非常に、くさかったり、恥ずかしかったりする。

    あの、憧れの念しか抱いていなかった菊池さんが、ムチャムチャ痛い娘にしか見えない。
    (日記コーナーはお願いだからやめて欲しかった)
    何とか読めるのが、みみみ。告白後の、後悔、嫉妬、不安などの後ろめたいところが、彼女の素であるのは納得感がある。

    本作だけ判断すると、菊池さんより、みみみを応援したくなってしまうな。
    なってこったい!

  • 基本的に主人公視点で進行する作品が短編集のような形で別キャラの視点を描いてくれる構成は好きだったりする自分にとって、この巻は話は進まなくてもキャラへの理解がより深まったという点では嬉しいものだったりする

    1話 日南の中学時代
    パーフェクトヒロインがまだパーフェクトじゃなかった時代…と言ってもその思考回路は既に怪物じみているね。一つ一つの会話に対してどう答えれば人間関係を円滑に回せるかと考えている点については現在の友崎に通じる点があるからまだ良いとしても、バスケ部副部長から告白された際に恋愛にも手を出してみたい、自分を更なる高みに上げるために告白を了承するというのは普通の女子中学生の枠に収まるものではない
    そしてある程度恋愛というものを知ったらあっさりと別れてしまう。本当に相手を見ずに自分を基準に物事を考えていることが伝わってくる描写
    この話を読んで改めて日南の過去に何が有ったのかと気になってしまった

    4話 風香の中学時代
    実は風香がクラスメイトに対してどういう風に接しているのか、とか距離感についてちょっと判らない部分があった。それが少し見えた気がする短編
    中学時代は友崎とは別の意味でクラスに混ざれていなかった風香。それがアンディ作品との出会いで少しずつ変わっていく様子が描かれる。
    司書の郷田の言葉をきっかけにして自分をポポルに見立てて行動した風香。悲しい結果に終わったけど、それは友崎にとっての日南みたいに風香を指導してくれる人が居なかったから起きた悲劇であるようにも思えてしまう。そういった失敗が有ったから、高校時代は声を掛けるだけじゃなく共通の話題を切り口にして友崎と親しくなることが出来た。
    風香にとってアンディ作品がどれだけ大きな意味を持っているのかが伝わってくる話だった

    6話 優鈴と中村による惚れた腫れた
    友崎視点の本編に置いても中村がどれだけ好きか存分に伝わってくる優鈴と、素直じゃないながらも優鈴を大切にしようと考えている事が見える中村。そんな二人に破局の危機が訪れるなんてフラグを整えられた所で簡単に信じられるようなものではないのです
    結末は思わずズッコケそうになるものであったのは確かだけど、優鈴視点で描かれることで改めて優鈴が中村のことが大好きであると再認識させられた
    そうだよなぁ、思い返せば中村とゲームしたいからって小ジャンプを猛練習したくらいだもんなぁ
    本当に甘々な短編でした

    そして、なんと言ってもこの巻でメインとなるのはやはりみみみの心情描写。
    前の巻で遂に友崎に告白したみみみ。本編では少しずつ彼女が友崎に惹かれていく工程は判るのだけど、具体的に友崎のことをどう思っていたか、自分自身の心情変化をどう捉えていたかまでは判らなかった
    それがこの短編集では幾つかの時間軸を細かく描写し、みみみの独白をふんだんに用いることで理解できるようになっている。
    そっか、日南が考えた他の女子の影を匂わすことで相手を慌てさせる策略、みみみには存分に効いていたのか


    本編に置いて友崎が覚悟を決め、短編集でみみみが自分の心を確かにした。次の巻で何が起こるのか非常に楽しみになってきた

  • 【再読】短編集。完璧を目指す中学2年生の日南。誰かと付き合うことも、自分の『経験』としてしか捉えていない様子に、ある種の狂気さえ感じてしまいました。運命の一冊と出会う中学生の菊池さん。この一冊が無ければ、友崎との出会いはなかったのかも…。本編の隙間を埋めるように語られる登場人物たちの物語。そして、みみみ。本巻のエピソードでも、積み重ねてきた友崎との思い出が、友崎への想いとして彼女の中に染み入ったったのだな、と感じられてとても良かった。最後のバタバタするみみみがまた可愛い。本巻はまさに『6.5』でしたね。

  • 【あの日抱いたまっさらな感情が、今の私を形作っている】

    ターニングポイントとなる少女達の日常に焦点を当てる物語。

    完璧に見える日南、感情を表に表さない風香、負けず嫌いなみみみ、恋に一途な優鈴。
    そんな彼女達にも等しく過去は存在して。
    未熟だからこそ、真っ直ぐに己と向き合い、ひたむきに努力を続ける。
    そして、その試行錯誤の自己研鑽の中で、思わぬ障壁にぶつかり、独りきりの眠れぬ夜をやり過ごす。
    報われるかも分からない努力をそれでも続けてきた彼女達。

    周りに取り残されないよう足掻く歩みは、確かに今の彼女達を形作っているのだ。

  • 見慣れた景色でもちょっと視点を変えると新しい側面に気づくことがある。
    ただそれでも不変なのは、
    菊池さんが尊い。

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