筺底のエルピス 7 -継続の繋ぎ手- (ガガガ文庫 お 5-7)

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  • Amazon.co.jp ・本 (442ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094518917

作品紹介・あらすじ

終わりを拒み、未来を繋げ。

殺戮因果連鎖憑依体――
古来より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきた、殺意の媒介者を狩る三つのゲート組織が、突如陥落した。月に鎮座する異星知性体によって、三体の地上端末が一斉に掌握されてしまったのだ。彼らのネットワーク攻撃によって、ローマの祓魔師たちと全世界の不死者が瞬時に制圧されてしまうという危機の中、同様に沈黙した《門部》本部の地下聖域では、阿黍宗佑が第二心臓を埋め込まれ、無敵の刺客として復活しようとしていた。

異星知性体の目的は、悠久の時と歴史を使い捨ててまでして求め続けた宝――白鬼の奪取。
超人と化した阿黍が復活し、朋之浦結の確保に動き出せば、すべてが終わる。白鬼である彼女が星の彼方に連れ去られてしまうことになれば、三つのワームホールゲートも地上から撤去され、残された人類は鬼への対抗手段を失い、滅亡が確定するのだ。

打開のために残されたタイムリミットは、わずか数十分。すべてを託された百刈圭と、彼が率いる狩人たちは、断ち切られた希望の糸を繋ぎ直すべく、伏魔殿と化した《門部》本部の攻略戦に、いかに挑むのか――。
人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。終焉を拒絶する、反撃の第7弾。

感想・レビュー・書評

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  •  2年ぶりの第7巻。#日本SF読者クラブ 「鬼滅の刃」と同じ鬼退治の話なのだが、こちらの鬼は、「殺戮因果連鎖憑依体」。文字通り人間への憑依を繰り返す。そして、鬼を狩る組織は日本の「門部」とあと二つ。今作では、いづれも大変な事態に陥る。

     前巻は「果てしなき流れの果てに」的な展開となり、世界的というか時空的、人類の歴史的な「どんでん返し」だった。続く今巻では、時間的には数時間、しかも局地戦となる。取り敢えずだが、人類の未来は継続される。しかし続く最終章が「絶望時空」とは。どういう気持ちで待てばよいやら。

  • 霧島vsマサさん戦、すごく良かった。
    毎度のことながら、この手詰まり感をどうひっくり返してゆくのか、戦略戦術面を読むのがアツい。モモがチート能力に手をかけてはいるけど、敵の巨大さからすればこのくらいは許されるのかな……。モモの図書館が「図書館」なの、すごく嬉しい。この本を手にした読者へのささやかなエールのように思えて。
    何を食べたらこのお話が書けるようになるのか……。

  • このインターバルは読み手じゃなくて
    書き手が原因のものですよ(笑)
    執筆がかかっただけ、また分厚い…。

    でも今回は意外と明るめかも。
    (いや、これを明るめと捉えるあたり
    読み手の感覚もおかしくなってるか?)
    共通敵がハッキリしたのと
    ミッションはひとつだったことで
    昨日の敵は今日の味方でしたからね。
    ギスさん、かわいいわぁ。

    で、最終的にはどう「閉じる」のか。
    頑張れ、お兄ちゃん。

  • (Ⅰ)阿黍宗佑が異星知性体の傀儡として最強の敵となって蘇ろうとし、青鬼となった姥山冬九郎もカナエたちを抹殺するために接近している中、圭は持てる能力を駆使し迎撃準備をする。
    (Ⅱ)使えるものはすべて使い倒し、自分にできないことは、できる奴に任せる。(p.322)
    (Ⅲ)第一巻から第六巻までを巨大な設定として隠し、いきなりこの巻から始まってすべてが謎のまま目まぐるしく進んでいくってのもけっこうおもろかったんではと思えたり。

    ■簡単なメモ

    【第七巻 一行目】「「……はい!」」

    /圭は「図書館」に収められている「教室」を駆使する。
    /敵は乗っ取られた百刈燈、不死者へと作りかえられた阿黍宗佑、若返った霧島幸緒。阿黍だけでもほぼ無敵だが。
    /敵の目的は白鬼、朋之浦結。
    /しかも同時に襲い来る一本角の青鬼となった姥山冬九郎。
    /その上でさらに、月面上のラスボス(同型機が宇宙中にいると思われる)。
    /絶望的な闘いが始まるが圭の目算では勝率は一流バッターの打率くらいはあるらしい。
    /冬九郎vsカナエと叶。
    /霧島幸緒vs奥菜正惟。
    /カナエvs叶。
    /幸緒vsギスラン。
    /圭vs圭。
    /圭vs宗佑。

  • 長くて重い話だけれど、希望も見えて、軽やかに読めた。
    ギリギリの戦いを潜り抜けていくギミックが相変わらず面白い。
    霧島さん良いキャラだ。

  • 書誌データ作り間違えてるじゃん(何で勝手に中黒付けるかな…)

    さて、完結まであと何巻、ていうか、何年?

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著者プロフィール

1973年徳島県生まれ。ゲームプランナー、シナリオライターとして、「トリノホシ ~Aerial Planet~」(日本一ソフトウェア)などのコンピュータゲームの開発に携わる。2012年「プロメテウスの晩餐」で第3回創元SF短編賞優秀賞を受賞。「筺底のエルピス」シリーズ(ガガガ文庫)、『波の手紙が響くとき』(早川書房)など、緻密に練り込まれた世界観とサプライズ溢れる展開で常に読者の度肝を抜く。「このライトノベルがすごい」や「SFが読みたい!」などに作品をランクインさせるなど、ジャンルを横断してその去就が注目されている。

「2017年 『おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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