新編日本古典文学全集 (20) 源氏物語 (1)

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  • 小学館 (1994年3月1日発売)
  • Amazon.co.jp ・本 (476ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096580202

新編日本古典文学全集 (20) 源氏物語 (1)の感想・レビュー・書評

  • 作家さんが訳したやつは今まで読んできましたが原作は初めてです!
    といっても原文ではなくもっぱら現代語訳が中心、気になった個所を原文で読み、頭注を読み、という形ですが。

    いややはりすごいですね『源氏物語』
    作者のトリックがなんともすごい。でもあまりにも構成がうまくて、やはり書き写していくうちに誰かが意図的に話の内容を変えていったのではないかとも考えてしまいます。
    原本がないので確かめようのないことですが、実際に青表紙本、河内本、別本と主に三種類に分けられていますし。
    『原本』が実はまだ日本のどこかに眠っていないかと私は思っているのですが、好きな人は喉から手がでるほどほしいでしょうね。

    桐壷~花宴
    の間で私が一番に感嘆したのは夕顔巻です。
    あの恐怖への圧倒的描写力。現代に住む私たちは想像で当時の夜や物の怪への恐怖、空き家の荒れ具合、匂い、風の感じ、時の流れなどなどを想像するしかありませんがリアタイで読んでいた人々にはもっと作品が身近に感じられたことでしょう。
    現代に生きるわたしでさえとても怖く思いました。
    そして光源氏のあわてっぷり。夕顔を間接的に死なせてしまったことには怒りを覚えますが年齢を考えるとさっきまでいっしょにいた彼女が突然死したらパニックに陥るよなぁ、坊ちゃん育ちやもんなぁと納得してしましました。仕方ないかなという気にもなります。
    惟光の働きっぷりが有能です。上に立つ人がああだと下はしっかりするものなんですかね。

    頭注にも触れていましたが「夕顔の屍を車に抱き乗せる条は、凄絶の美がある」、正にその通りですね。車が死体を運ぶということにも私は恐怖を覚えました。
    家に引きこもっておびえる光源氏にお見舞いにくる頭の中将。彼は光のウソに気づきます、頭注では「秘密をかぎつけてからかうことを忘れない頭中将の悪友ぶりに生彩がある」とありますが、私はそれに加えて頭の中将のカンの良さに彼のカッコよさを、そして帰ろうとしたけど引き返してウソを見破ったことを告げるその方法に演出の巧みさを感じました。

    読んでいくうちに紫の上が「若君」と「女君」とに分けられていることにきづいたのですがさすが頭注(というか長年研究されてきた『源氏物語』)きちんと指摘していました。

    主に現代語訳をよんでストーリーを追っているのですが、すごいなと思うのはここから発展させる研究者の皆様です。一文一文からよくもあんなに研究ができるなと。その探究心や考察力には脱帽します。
    研究されていない分野、ほかに何が残っているんですかね。まだまだこれからも発展し続けることはできるのでしょうか。

  • 過去に何度か挫折した「源氏物語」。

    この新編日本古典文学全集は、現代訳がついているので重宝している。
    今回は源氏物語の世界に対し、多少は理解が進んだ感じがする。

    源氏物語(1)は、桐壺〜花宴までを収録。

    第一巻では、光る君の生い立ちと成長を中心に描かれている。
    ここで重要になってくるのが、光の君の母の存在。
    幼くして死に別れとなった母の幻影を、光る君は女性に投影し、追い求める。
    桐壺〜帚木で展開されるのは「母恋しの物語」といった印象である。

    光る君が前半生において追い求める女性として登場するのが藤壷。
    このふたりの関係が、物語全編を通して語られる重要なシークエンスとなる。

    それゆえ、光る君と藤壷が結ばれるシーンというのは重要であるはずなのだが、桐壺にも帚木にもない。
    桐壺と帚木の間には、もう一冊存在していたのではないかという説があるらしいが、私もそれに賛同したい。

    光る君と藤壷、それと光る君と伊予守の女房の出会いについて語られていないのは不自然である。
    物語のつながりとしても、桐壺→帚木は弱い。
    存在していたら、前半で最もスキャンダラスな愛憎劇が展開されていると考えられる。
    光る君と藤壺は義理の母子にあたり、皇后が不義密通をはたらくという、世にもおぞましい展開であるからだ。

    残念なことに、現在では失われているらしい。
    ただ、想像力を豊かにするなら、この巻に描かれているスキャンダラスな内容を封印すべく、失ったことにしたということも、ありえるのではないか?。。。。


    それと、特に面白かったのが、帚木。
    主人公、光る君とその仲間たちが、夜通し女談義にふけるシーンがあるのだが、このシーンは素晴らしい。
    平安時代の男子会といったところでしょうか。
    ココでは、かなり笑いました。

    全体としては、面白かったものの、現代訳においても所々混乱するような記述もあったりしますので、じっくり読みたい方にオススメです。
    また、漫画や小説では満足できないが、挫折するのもイヤというワガママな読者にも向いていると思います。

  • 「新編日本古典文学全集」といえば、同一ページ内に原文・注・現代語訳の3要素を盛り込んだ“三段組”というスタイルが特長であり、現代語訳を盛り込んでいるところが「新日本古典文学体系」(岩波書店)と異なっている点。だが、古典作品には解釈の定まっていない箇所が多少なりともあるので、信頼性が求められる古典文学全集に現代語訳を組み込むことは、執筆をする側に大変な責任と労力が求められる。このような条件に挑んで編まれた「新編日本古典文学全集」は凄いと思う。

    さて、この「新編日本古典文学全集」の『源氏物語』も、やっぱり凄い。下段に組まれた現代語訳は無駄な表現を抑えてあり、それだけでも優れた作品となり得る完成度だし、上段に組まれた注も簡潔にして的確。さらに巻末には100ページを越えるボリュームで解説や資料が付いている。また、54帖それぞれの冒頭に付されている「巻名」と「梗概」が水先案内人となるので、本文を理解するうえで大きな助けになる。

    図書館で借りては繰り返し読んでいたものに、読むたびに愛着がわいてきて結局は買い求める作品がある。この「新編日本古典文学全集」の『源氏物語』も、狭い仕事場を占領する本の一つになっている。作家さんの訳による『源氏物語』にも好きなのがあるのだけれど、それとは違った味わいと愉しさがある。少々お高い本ではあるが、本気で付き合えば付き合うほどに、全集本ならではの新しい発見と感動に出逢える、値段を補って余りある本だと思う。

    この巻には、桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花、紅葉賀、花宴の各帖が収められている。底本は、伝定家筆本・伝明融筆臨模本・飛鳥井雅康筆本(古代学協会所蔵, 通称「大島本」)等。

    内容(「BOOK」データベースより)
    原典を頭注と現代語訳で読む。

    出版社からのコメント
    「原文・注・現代語訳」を同一ページに3段組みで配置して、原文を読みながら内容もすぐ確認できる新編集の古典文学全集の第1配本。本書には桐壷~花宴までを収録。

  • さすがに原文で全部読んだことはないんですが(笑)光君は理想の男……っていっても過言じゃないんじゃないかな、と思っています。女ったらしが好きでございます。光君は皇統に生まれて、位人臣を極めるのだけれど、彼の出世ってすべて女たちの手によるものなのよね。それが非常に日本的でよいなと思う。恋人によってもりたてられ、恋人たちの生んだ子供によって位人臣を極める。たぶんそれが、日本の立身出世のあるべき姿と言えるんじゃないのかしら。あ、まあ、須磨に流されるのも女のためですけど……。そもそも『紫のゆかりの物語』であって、高貴なる紫の女性たちにとりまかれている光君で、藤壺の宮、紫の上に留まらず、母である桐壺の更衣も桐=紫の花にえにしがある。ちなみに、それとは別に萌えツボなのは夕霧ですが。夕霧のダメ男っぷりが光君と別の意味で好きです。

  • 奇しくも卒論には選ばなかったけれど、やっぱり面白い。
    現代語訳で読むよりも、原文で読んだほうが絶対イイ。
    ワタシは紫の上と、浮舟がスキ。

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原典を頭注と現代語訳で読む。

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