フィギュアスケートに懸ける人々-なぜ、いつから、日本は強くなったのか (小学館101新書 68)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098250684

作品紹介・あらすじ

フィギュアスケートの世界を変えた天才スケート選手・伊藤みどりと名伯楽・山田満知子コーチの出会い。愛知県をスケート王国にした人々と、それを支えた学校や企業。有望選手を次々と生みだした長期的な強化戦略…。欧米に引き離されていた日本が、世界有数のフィギュアの強国に変化していくまでの歩みを、貴重な証言をもとにつづる。

感想・レビュー・書評

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  • 何故、日本は強くなったのか・・・というより、不遇の時代からフィギュアスケートを支え続けてきた人々に対する著者の感謝と愛情を感じる一冊。 小塚家と佐藤家の縁の深さに驚く。それだけ世界が狭いということなのだろう。 本当にマイナーだったフィギュアスケートを ずっと支えてきてくれた方々、みんな本当にありがとうございます。 それにしても小塚崇彦選手がスケートを習おうと決意したのが、幕張での世界選手権の時だったというのに愕然とする。もう大人だったよ、アタシは。 

  • 日本フィギュアの歩みというよりは、エピソード集という印象。フィギュアスケートを見るのは大好きだけどほとんど知らない世界なので、いろいろ興味深く読めました。しかし、取り上げられている人たちが愛知周辺に偏っていること、競技としての説明(ルールや採点法など)がほとんどなかったことなど、正直、ちょっと物足りなかった。

  • フィギュアスケートは今でこそ大人気のスポーツだが、その人気や歴史は、黎明期を支えた多くの先人たちに支えられている。伊藤みどりら優秀な選手や、選手を見出だし育てるコーチ、金銭的に支援する実業家など、日本のフィギュアスケートの礎を築いた人物たちや出来事が紹介されている。先駆者たちの並々ならぬ努力と情熱に、頭が下がる。

  • バンクーバー五輪直前に出た本。

    ・伊藤みどりと山田満知子コーチのストーリー

    ・小塚崇彦とその父(嗣彦)、祖父(光彦)の3代に渡るストーリーと佐藤信夫・久美子夫妻とその娘・佐藤有香との奇妙な縁

    ・荒川静香の金メダル(日本のみならずアジア初のフィギュア五輪金メダル)につながった若手育成の試行錯誤

    ・愛知県がフィギュア強豪になるまでとトヨタや西武グループ堤義明との関係

    ・ほぼ日本唯一のプロスケーター集団のプリンスアイスワールドについて

    『トリノ五輪に続き、日本に女子シングルで金メダルを獲らせまい(連覇させまい)とするべく欧州・北米が必死に』なってカナダを拠点に活動する、カナダ人コーチを迎えたキム・ヨナが不自然な加点でバンクーバー五輪で金、浅田真央ちゃんが銀になったことはご存知の通り。この本の予言の的中度はちょっと怖いほど。

    しかし、ソチ五輪では逆に男子シングルに「カナダの呪い」(シングルでは2位どまりで金メダルが獲れない)が発動したのは記憶に新しい。
    (羽生結弦選手金メダル、パトリック・チャンが最終滑走で凡ミスが続き銀)。
    因果応報ってあるって、はっきり分かんだね。

    短い中に貴重なインタビューが多く、楽しめました。小塚パパ(!)とか佐藤信夫コーチとか山田満知子コーチとか。渡辺絵美のインタビューもあっていいかなとは思ったけど。

  • [ 内容 ]
    フィギュアスケートの世界を変えた天才スケート選手・伊藤みどりと名伯楽・山田満知子コーチの出会い。
    愛知県をスケート王国にした人々と、それを支えた学校や企業。
    有望選手を次々と生みだした長期的な強化戦略…。
    欧米に引き離されていた日本が、世界有数のフィギュアの強国に変化していくまでの歩みを、貴重な証言をもとにつづる。

    [ 目次 ]
    第1章 ひと組の師弟(伝説の人;氷上の宝石;メダルへの道程;運命の出会い;柔らかな視線;おぼろげの時代;ファミリー)
    第2章 愛知の力(中京大学豊田キャンパス;はじめの一歩;成功の鍵;嘱託社員;三代の光;命、そのもの;崇彦)
    第3章 日の出る国(雪解けのころ;変化の渦;トリノの栄光;有望信心発掘合宿;目標と成果;オリンピックへ)
    第4章 煌めく器(プリンスアイスワールド;収支と使命;夜明けの時;億単位の契約;受け皿の中;夢の形;目指すべき場所)

    [ POP ]


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    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    [ 参考となる書評 ]

  • 伊藤みどりの時代やその前の話も。名古屋のフィギュアの歴史は、小塚家とともにあるんだなぁ。佐藤さんとこも歴史だ。
    みどりちゃんのあのものすごい高さは、以後見たことがないと思う、男子でも。体格が小さいのに、足首がリンクの上にかかってたあの高さ。

  • 山田満知子コーチが幼いころふとしたはずみでスケートを始めたこと(そのきっかけになったのが小塚崇彦のおじいさん)、「主婦の手内職」でスケート教室を始め、そのなかで幼い伊藤みどりと出会ったこと。それが名古屋のフィギュアスケート王国の事始め。山田コーチが伊藤みどりをひきとってわが子同然に愛情を注ぎ、「壮絶な」反抗期と正面から向き合いながらスケーターとして育て上げた話はすごいとしかいいようがない。アルベールビルのフリー、早朝に起きてリアルタイムで見たのを思い出す。二度目の3Aが決まったとき、ホントに感動したな~。あれでラフマニノフの2番を知って、CDを買ったのも思い出です。

  • フィギュアスケートの歴史が分かる本。
    山田真知子コーチ、小塚一家を中心に、愛知でのフィギュアスケートの歩みと人々の努力について語られている。

  • なぜ愛知が強いのか。
    キーマンは、どうやら小塚選手のおじいさん。


    日本フィギュアスケートの歴史のアウトラインを手っ取り早く知ることができます。

    伊藤みどり選手の時代、荒川静香選手の時代はもちろん、戦後、日本でフィギュアスケートが広まっていく様子なども。



    どうして愛知から強力選手がうまれているのかも分かります。


    この著者さん、『浅田真央、18才』等を書いてる方なので、フィギュアスケートについての知識はばっちり。

    安心して読めます。

  • 日本のフィギュアスケートの歴史を知るのにいいのでは。いまのビッグビジネスになるまでの過程がわかります。

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著者プロフィール

ノンフィクション作家。医療、人物、教育、スポーツ、ペットと人間の関わりなど、幅広いジャンルで活動。なかでもフィギュアスケートの取材・執筆は20年以上におよび、スポーツ誌、文芸誌などでルポルタージュ、エッセイを発表している。『人間らしい死を迎えるために』、『ペットと日本人』、『猫を看取る シュガー、16年をありがとう』、『別れの何が悲しいのですかと、三國連太郎は言った』、『羽生結弦が生まれるまで 日本男子フィギュアスケート挑戦の歴史』ほか、著書多数。

「2019年 『スケートは人生だ!』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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