命の格差は止められるか: ハーバード日本人教授の、世界が注目する授業 (小学館101新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098251742

作品紹介・あらすじ

格差は、負け組も勝ち組も寿命を縮める

ハーバードで世界が熱い視線を送る授業がある。日本人教授イチロー・カワチによる健康格差論の授業だ。先進国の中で寿命が短いアメリカと、世界トップ級の日本。この違いは格差にあった。今、格差の広がりとともに日本の長寿は危機に瀕している。格差はストレスを生み、信頼や絆を損ね、寿命を縮める。人々の命を守るには、日本の長寿を支えてきた、格差が少ない結束の強い社会を守るべき――所得、教育、労働、人間関係…あらゆる側面から格差を分析、新たな長寿への可能性を探る。



【編集担当からのおすすめ情報】
すらりとした長身、飾らない温かな人柄でハーバードの生徒から絶大な人気を誇るイチロー・カワチ教授。ハーバード公衆衛生大学院において、日本人では初の学部長に就任しています。カワチ氏の最先端の「社会疫学」の授業は、とてもわかりやすく示唆に富むものばかり。例えば、「高所得者ほど喫煙率が低い」「お見舞いに来る人が多いほど回復が早い」「結婚すると野菜摂取量が増える」などちょっとドキッとする調査研究が紹介されています。また、2013年12月からは、東日本大震災の被災地で被災者(主に高齢者)の調査を行う予定となっています。地域の絆がどのように健康に影響するのか、復興が進んでいる地域とそうでない地域では何が違うのかなどを調査。今後、ますます注目を集めるカワチ氏の「健康格差論」に是非ふれてみてください。

感想・レビュー・書評

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  • 公衆衛生を具体的にわかりやすく扱った良書です。治療も大事ですが、予防で救える命の数はその比ではないことをよく理解できます。同時にその影響力の大きさと采配の難しさも。

  • 面白い!
    公衆衛生、面白い!!

    上流に食い込む面白さ、結局社会を巻き込まないといけない難しさ。
    うーん、複雑。。。

    13日の先生の講義が楽しみだ(^^)

  • ”格差は負け組だけでなく勝ち組の寿命も縮める。“という衝撃的なメッセージに惹かれ、読み進めた。

    医者から研究者への転向は、患者の容態が「目に見える世界」から、社会全体を見渡して健康の要因を探る「目に見えない世界」への転向だった。

    医者としてやっていることは傷口にただ絆創膏を貼っているだけ。根本的な解決はできていない!!

    問題を上流から解決する!!
    →医学だけでなく、パブリックヘルスが大事!!

    健康と貧困に焦点を当て、

    ⭐️日本の長寿
    日本の長寿は、人々の絆、隔たりの社会による。
    ex向こう三軒両隣、お互い様、情けは人のためならず
    しかし、、
    最近は、非正規雇用の増加による格差から人とのつながりが薄い、生活習慣病を個人の努力義務とする風潮

    非正規雇用の増加による待遇差がもたらした人間関係の溝、経費削減で会社のイベント減少の傾向
    →ソーシャルキャピタルの減少

    健康はソーシャルキャピタル(社会関係資本、社会における人々の結束により得られたもの)による影響が大きい!!ex 震災
    なぜ日本はこうなのか?
    稲作文化↔︎欧米は牧畜(いかに多くの土地を確保するかが鍵)
    島国であり鎖国してた、多様性のなさ

  • 命を数字で表し、量的な視点でしか語らないこの本に、違和感を感じざるを得ない。いや、はっきりいって胸くそ悪い。そう思うのは、国の平均寿命が伸びることよりも、その人の満足する時間の過ごし方を充実させた方が、たとえ数字の上で、寿命が短くなったとしても、大切だと思うからであろう。

  • 498/カ

  • 社会疫学の視点から健康格差の必要性を主張している。かつての日本は地域での絆が強く、健康格差の是正に貢献していたが、経済的格差の拡大などにつれ日本でも健康格差が拡大しているとの著者の主張はうなづける。コロナ危機を受けて格差が拡大基調にある中、健康格差にどう取り組むかについての示唆を与えてくれる一冊。

  • パブリックヘルスとは何か?人の健康は何に左右されるのか?健康格差について、身近な事例をとりあげながら詳しく解説されています。「人と人とのつながり」の重要性に気付くことができる1冊です。

    大阪府立大学図書館OPACへ↓
    https://opac.osakafu-u.ac.jp/opac/opac_details/?reqCode=fromlist&lang=0&amode=11&bibid=2000864822

  • 命の格差は止められるか

    やや、当たり前のことをデータを使用して述べている感じが拭えない本であった。しかし、パブリックヘルスという考え方は示唆に富んでいた。筆者のイチロー・カワチ氏は、どうしたら人々は健康でいられるのかという川上のアプローチをとっている。つまり、医師とは健康から不健康になった人々を救う職種ではあるが、その一歩手前で健康から不健康にならないためにはどのようなアプローチが必要なのかという観点で論が進んでいくことは新鮮であり、多くの場面で応用できると感じた。

  • 【OPACへのリンク先】【講座選定:社会医学講座(公衆衛生学・疫学分野)】https://lib.asahikawa-med.ac.jp/opac/opac_details/?lang=0&amode=11&bibid=2000099860

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著者プロフィール

ハーバード大学公衆衛生大学院教授

「2013年 『ソーシャル・キャピタルと健康政策』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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