- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098254521
作品紹介・あらすじ
ナイジェリアでロマンス詐欺犯に直撃! ●被害者と詐欺犯の双方に迫った本邦初のルポルタージュ!●SNSやマッチングアプリで恋愛感情を抱かせ、金銭を騙し取る「国際ロマンス詐欺」の被害が急増している。なぜ被害者は、会ったこともない犯人に騙されてしまうのか。「お金を払わないと、関係が途切れちゃうんじゃないか……」。被害者の悲痛な声に耳を傾けると、被害者の心理に漬け込む詐欺犯の「手口」が見えてきた。そして取材を進めると、国際ロマンス詐欺犯は、西アフリカを中心として世界中に広がっている実態が明らかになってきた。著者はナイジェリアに飛び、詐欺犯への直撃取材に成功。彼らが語った、驚きの手口と倫理観とは――。その被害者・加害者の双方に迫った、本邦初の迫真ルポ。* * * * *●詐欺犯の“愛の囁き”には、すべからく「裏」がある●・被害者への「I love you」のメッセージは、例文をコピペして送っている・犯人はプロフィールに、美男・美女の「他人の写真」を盗用している・「How is mom?」――家族への気遣いを見せて信用させる・存在しない「架空の投資サイト」にお金を振り込ませる …etc. 【編集担当からのおすすめ情報】 国際ロマンス詐欺の「被害者」に取材した報道はこれまでにもありますが、本書はその「実行犯」に取材した稀有なルポルタージュです。その舞台はアフリカ・ナイジェリア。犯人たちが語った手口は、著者が日本で出会った被害者たちが騙された手法と一致することが明らかになっていきます。詐欺犯たちは、いかにして被害者を騙すのか。そして、騙し取ったお金でどんな暮らしをしているのか――。犯罪・事件のルポルタージュとして、そして詐欺被害を少しでも減らすためのヒントとして、一人でも多くの方にお読みいただきたい一冊です。
感想・レビュー・書評
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国際ロマンス詐欺と聞いて、真先に思い浮かんだのは映画にもなった「クヒオ大佐」。まあこれは、外国人を装った日本人詐欺師なのだが。
よく考えれば、おかしい話だということがわかるはずなのだが、 そこが外国人に憧れる気持ちも利用した詐欺事件だ。
実はアフリカのナイジェリアに犯人がいるらいいということがわかった。そこで、著者はナイジェリアまで取材に行く。そこで出会ったのがヤフーボーイ(ガール)と呼ばれる若者たち。主に学生だが、生活費を稼ぐため詐欺に手を染めている。大学の授業料は無料だが、そこは貧しいアフリカの国である。先進国の人々をカモにすることには、たいして罪悪感を感じないようだ。根は深いのかもしれない。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
おもに前半は被害者、後半は加害者について書かれています。
私の以前のメールアドレスには
それっぽいメールが頻繁に入ってきましたが、
全て読まずに処分しました。
ちょっと関わってみても良かったかな。
加害者は西アフリカの人たちと思われ
著者水谷竹秀さんはナイジェリアに飛びます。
こんな人たちに騙されたのか。
ミステリー小説のような面白さはまるでありません。
ナイジェリアの全人口約2億1000万人の平均年齢は18歳。
働き口が用意されていないのに次々子どもが生まれる。
人手不足少子化の日本とは真逆。
そしてかつて奴隷貿易が行われたところ。
とにかく歴史が日本とは全く違うのです。
だから若者の考え方も
私たちには考えられないものになるのですね。
ナイジェリアでインターネットが普及し始めたのは
2000年に入ってから。
若者たちはヤフーチャットで外国人の友達を作りたかったけど
出身を尋ねられ「ナイジェリア」と答えたとたん
相手からの反応がなく連絡が途絶えてしまったそうです。
しかし、顔を出さなければこんなに上手く騙せるわけです。
ネットを使った詐欺はこれからもいろいろ編み出されそうです。 -
インスタをやっていると、ちょっとネオンが綺麗なぐらいの画像に対して「これはどこで撮ったのですか」とコメントが付く。それだけではまだ怪しい人かどうかわからないから、どこそこで撮りましたと返信すると、途端に怪しい人まるだしになる。あなたは写真を撮るのが上手、いろいろ教えてほしい、フォローし合いましょう。アホか、誰が乗るか。
と思っていたけれど、乗ってしまう人がこんなにもいるんですね。そういうことかとは思わない。DV親父に金を借りてまで何百万と払うのはやっぱり不思議。ナイジェリアの若者の8割は詐欺で稼ぐって、目が点になりました。ホンマですか。 -
★★★
今月9冊目
国際ロマンス詐欺とは外人がSNSを通して連絡してきて結婚したいだのとそそのく。
で、色々と金を暗号資産などで投資してしまう。
なんと犯人はほぼナイジェリアの大学生。。
貧困国に加え、政治的にも腐敗している。
外人、日本人も基本全てシカトにかぎる。 -
心の隙
欲
そんなところにつけこんで
客観的に聞いたら騙されるはずないのに、騙される恐ろしさ((((;゚Д゚)))) -
開高健ノンフィクション賞受賞作家が、詐欺犯を追ってナイジェリアにまで執念の取材を敢行した力作……ではあるのだが、あまり面白くなかった。
私の中に「騙されるほうも大概だ」という思いがあるせいかも……。
著者が会った被害者は10数人に上り、本書にはその中の数人が登場する。中高年男女が多いが、20代女性もいる。大金を巻き上げられた彼らに、同情する気はあまり起きない。
後半は、国際ロマンス詐欺犯が多いというナイジェリアが舞台。意外性があって面白いのはその部分だ。
《ナイジェリアの若者たちは「10人中、8人ぐらいがサイバー犯罪に関与している」》と、現地のサイバー犯罪専門捜査員がコメントしている。
そして、《国際ロマンス詐欺は、サイバー犯罪をやる上では誰もが通る、いわば「入門編」のようなもの》なのだという(190~191P)。
ホントかなァ? ナイジェリア政府から抗議を受けそうな記述だが……。 -
社会問題となっている。詐欺の実態、その詳細に触れることができ、さらには罪悪感がなく、詐欺行為をしている。貧しい国の実態を垣間見ることができた。
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心が弱っているときに新興宗教だったり、マルチだったりが寄ってくるとはよく聞くが、そういうアプリを入れてるとこういうのが寄ってくるのかと初めて知った。
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知らない世界で、ルポとしては興味深い。情報網の発達した中で、犯罪もまた性質を変えていくのだなと思ったし、技術が向上しても、騙される側の心理的な要因というか、そういうものは変わらないんだなとも思った。
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独り身の寂しさ。将来の希望のなさ。一発逆転の予感。そして、いつの間にか恋に落ちてる。周りが見えない。当たり前の判断ができない。費やしてしまったお金も無駄ではなかったと思いたい。つながりが果てて気が付いたときにはもう遅い。ラインの向こうは貧しさあふれる大陸。罪の意識は違法賭博程度。学生たちが狙う一攫千金。例文数打ち当たり待つ。…取材に応じてくれた被害者たちに敬意を表する。人の心は脆いもの、騙され易いもの。まずそれを認めることから始めたい。「国の借金は千兆円、緊縮しなければ破綻する!」…ほら、簡単にひっかかる。