米蔵夫婦のレシピ帳 (1) (ビッグコミックス)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098615810

作品紹介・あらすじ

妻が遺したレシピ帳によるグルメ復活劇! 夫は悲しみの底から甦る。妻の料理を作って食べることで--気難しく人付き合いが苦手な時代小説作家・米蔵は、妻に先立たれ生きる気力を無くしていた。だが、「作品を完成させる」という妻との約束を思い出し、遺されたレシピ帳で妻の料理を作り、食し、復活していく。 【編集担当からのおすすめ情報】 実写ドラマ化された『ふろがーる!』著者の新連載!本作はただ食欲を刺激するグルメまんがにあらず、重厚な人間ドラマも描いてく、「涙腺も刺激するグルメ復活劇」です!また、愛する人を亡くした主人公が、その悲嘆からどのように復活していくのか、喪失をどのように埋めていくのか、「グリーフケア(悲嘆からの復活)読本」としても是非お読み頂きたく思っております。どうぞよろしくお願いします。

感想・レビュー・書評

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  • 「夜明けの旅団」とのギャップに驚かされる片山ユキヲの「米蔵夫婦のレシピ帳」。振り幅が広すぎやしませんか。

    妻に先立たれた小説家の日々を淡々と描いています。
    悲しみから逃れるため、ありし日の思い出を振り返るため、男は妻の残したレシピを見て食事を作ります。過去を整理して、未来へと進むために。
    少しずつ心の整理がついてきたかのように思えた日々。しかし不意の一瞬、妻が生きているかのように錯覚してしまったことで、死んでいるということ失ってしまったということを突きつけられてしまい、心が抑えきれなくなってしまう。

    静かに、それだからこそ残酷に突きつけてくる孤独。そしてまとわりついてくる後悔。

    少しずつでもいいから、孤独・後悔と向き合い、前へ進んでいくしかない。歩み始めた矢先にあらわになってしまった、限界と虚構。
    作る料理は美味しそう。しかし、その料理が訴えてくる温もりが、孤独を一層際立たせるという、違う意味で強力な飯テロの漫画。
    いつの日か、正しい意味での飯テロ漫画に、最高の飯テロ漫画になってくれることを期待します。

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