藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス 4 (ビッグコミックススペシャル)

  • 小学館
4.08
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本棚登録 : 92
感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・マンガ (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098618453

作品紹介・あらすじ

SF短編、全作品収録の決定版が登場! 2023年、TVドラマ化を機に、藤子・F・不二雄のSF短編シリーズ全111作品+αを単行本全10巻に再編集し、装いも新たに刊行! 「SF・異色短編」シリーズ6冊(第1~6巻)と「少年SF短編」シリーズ4冊(第7~10巻)に分け、それぞれ概ね発表順に収録します。第4巻の収録作品は以下の通りです。<第4巻収録作品(SF・異色短編)>・「あのバカは荒野をめざす」・「並平家の一日」・「ぼくの悪行」 ・「パラレル同窓会」・「あいつのタイムマシン」・「メフィスト惨歌」・「神さまごっこ」・「いけにえ」・「超兵器ガ壱號」・「クレオパトラだぞ」・「テレパ椎」・「旅人還る」*過去に刊行された、既存の『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版』全8巻とは作品の収録順と巻立てが異なります。 【編集担当からのおすすめ情報】 「このシリーズを読めば、SF短編全作品が読める!」というコンセプトで、装いも新たに編集しました。一般的なの青年系コミックスと同じB6判、ボリュームは各巻約300P前後と、読みやすくも読みごたえがある構成を心掛けています。今回、全作品を「SF・異色短編」シリーズと「少年SF短編」シリーズとに分け、概ね発表順に収録。また、第7巻以外の巻末には藤子・F・不二雄先生のエッセイを巻末に収録することで、先生の発想の変遷や、執筆のきっかけやねらいにも迫れるような構成を目指しています。テレビドラマを機に原作に興味を持った方、また以前から「SF短編」に興味があり、いずれ全作品を読みたいと思っていた方に、ぜひ手に取っていただきたいシリーズです。装幀:佐々木暁

感想・レビュー・書評

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  • SF短編コンプリート・ワークスにハマってしまいました。ハッピーエンドで終わる話もあれば、バッドエンドで終わる話もあり、そして、心にモヤモヤを残し考えさせられる話もあります。子どもが読むには難しいですね。

    1番気に入った話は、「メフィストの惨歌」。冴えないサラリーマンが、悪魔と3000万円で魂を渡すという契約をする。魂を渡すのは、細胞の最後の一個の死亡が確認された時。主人公は3000万円を手に入れ、悪魔も魂を貰える契約ができ、一見両者が得したようにみえるが・・。最後のオチが気持ちがよかったです。

  • ほんとうに素晴らしい作品たちだなぁ…って感想しか出てこない
    読んだ事ない作品もあって嬉しかった!

    短編なのにこれだけのものが詰め込めて、読者をアッと言わせる、唸らせる、考えさせる…

    表題の『パラレル同窓会』はもちろん好きなんだけど、ラストでスパッと切り替わる「あいつのタイムマシン」は地味に好き
    これこれ〜F先生の独特さ〜ってニヤけてしまう
    「あのバカは荒野をめざす」も好きだな〜私ももし今の自分が落ちぶれていて、不幸だとして、それを正そうと過去に戻ったとしても、過去の自分はガンとして意見を変えないと思う いつだって自分は自分で、自分は自分を変えられる 何歳になったって

  • あのバカは荒野をめざす
    パラレル同窓会
    あいつのタイムマシン
    メフィスト惨歌
    いけにえ
    クレオパトラだぞ
    テレパ椎
    が読んでいて面白かったです。
    特に、『あのバカは荒野をめざす』の話が印象に残りました。
    昔の自分を見て「俺も昔はあんなに熱かったのか~」と感心し、今の自分を変えようと明日へ向かっていく後姿が好きです。

  • 『あのバカは荒野をめざす』
    昔の自分を説得しに行く設定は「ドラえもん」や、このSF短編集でも何度も見たが、主人公のオジさんがとても好きだった。
    結局、ジジイになった自分に説得されても決心した若者が道を変えるには至らないだろうし、逆に若者の意志の強さにあてられてジジイが奮起するというオチはこの設定の作品の中でも一番好きだった。

    『並平家の一日』
    星真一っぽくてよかった。

    『超兵器ガ壱號』
    地元の星でイジられてる宇宙人が日本に帰属意識持ってしまうの面白い。
    全体主義的な時代の日本が舞台になっているのもよかった。

    『クレオパトラだぞ』
    デブの前世がクレオパトラな気持ち悪さの時点で好き。

    『旅人還る』
    これSF真っ向勝負って感じでよかった。三体X?のオチがこんな感じだった気がする

    これ、「脈動宇宙説」というらしい。

  • 『藤子・F・不二雄SF短編コンプリート・ワークス』4巻。

    「ぼくの悪行」「パラレル同窓会」「あいつのタイムマシン」と、本当はこうでなかった自分、こうなりたかった自分という、誰もが持ってしまう現実と理想の隙間。それを憧れや諦めで無理やり埋めて生活しているのですが、大なり小なり。理想だと思う自分に入れ替われるとしたら、どうする?どうなる?と問いかけてくるのは、子供よりも大人に刺さるのではないでしょうか。夢や希望を押しつぶす現実。それでも向き合い生きてゆかなきゃ、という暗さを抱えた希望を提示させられているような気がします。ひとかけらの染みがついてしまったキャンバスに、人生を描くのですよ、という感じかな。
    なんかだいぶ黒いなFさん。

    違う自分になれたとしても、現実からは逃げられない「超兵器ガ壱號」が一番黒い気がする。ガ壱號のモノローグがないので、彼がなにを思って軍務を全うしているかが不思議なのだけど、ラストで暴露される真実はちょっとなぁ。かわいそうでもあり、気持ち悪くもあり、共感もできるし、憐れむ気持ちもある。あれを陰キャのイキリと断じてしまうのは、しんどいです。

    ラストが綺麗な「旅人還る」ですが、道中の絶望感から抜け出せなくてこわい。なまじ話あいてがいるからこそ、実は孤独であるという気づきのせいで怖くなってゆく。
    思念体として永遠を生きた「火の鳥」猿田博士や、守護者として存在し続ける「DSJ」タダノヒトナリへの思いと似ている。ラストがあるから救われてはいるけども。

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