花のワルツ (新潮文庫 か 1-3)

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  • Amazon.co.jp ・本 (171ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101001036

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  • 『イタリアの歌』『花のワルツ』『日雀』『朝雲』を収録。

    『イタリアの歌』は、実験中の出火で全身火だるまになり、病院へ運ばれたが怪鳥のような唸り声をあげ続けて死んでゆく戦争医学博士と、同じ火事で腕と脚を火傷した若い女助手の話。恋人が苦しみぬいて死のうという時に美しい声で歌う、その声からかつての二人の恋人達の姿が想像できるようでした。儚くて美しいです。
    『花のワルツ』は、踊りのライバル星枝と鈴子、師の竹内、竹内の愛弟子・南条の話。竹内に献身的に尽くしながら、洋行した南条を愛して待ち続けた鈴子は健気だけれど、お嬢様育ちで我儘で「もう一生二度と踊らない」と言いながら踊らずにいられない星枝から目が離せません。脚を傷めて踊れなくなったびっこの南条が林の中で星枝と踊る場面が凄いです。激しく美しく残酷で、強く惹かれました。
    『日雀(ひがら)』は、自分の女関係を隠しもせず、妾との上松旅行中に見かけた日雀を思い出しては欲しがる松雄とその妻の話。夫と妾との関係を、第三者であるはずの妻ばかりが覚えているというのが印象的でした。
    『朝雲』は、若く美しすぎる国語の先生「あの方」に対して抱いていた、絶望的なほど切ない憧れを描いた作品。

  • (2002.12.14読了)(2002.01.25購入)

    ☆川端康成さんの本(既読)
    「雪国」川端康成著、新潮文庫、1947.07.16
    「伊豆の踊り子」川端康成著、新潮文庫、1950.08.20
    「千羽鶴」川端康成著、新潮文庫、1955.02.28
    「眠れる美女」川端康成著、新潮文庫、1967.11.25
    「古都」川端康成著、新潮文庫、1968.08.25

  • 嫉妬深く、純情で、生きることに真剣な女達の美しさを描いた短編集。

著者プロフィール

一八九九(明治三十二)年、大阪生まれ。幼くして父母を失い、十五歳で祖父も失って孤児となり、叔父に引き取られる。東京帝国大学国文学科卒業。東大在学中に同人誌「新思潮」の第六次を発刊し、菊池寛らの好評を得て文壇に登場する。一九二六(大正十五・昭和元)年に発表した『伊豆の踊子』以来、昭和文壇の第一人者として『雪国』『千羽鶴』『山の音』『眠れる美女』などを発表。六八(昭和四十三)年、日本人初のノーベル文学賞を受賞。七二(昭和四十七)年四月、自殺。

「2022年 『川端康成異相短篇集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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