卍(まんじ) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101005089

感想・レビュー・書評

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  • めちゃくちゃ面白い!!!!

  • 私にはまだ読みにくい…!
    もう五年ほどしたらもう一度読みたい。

  • オーディブルで聴いた本

    次々回の読書会の課題本なので、さきにオーディブルで聴いてみた。どういう小説かも知らず、そもそも小説自体あんまり読まんので読書会がなかったら読んでなかったと思う。
    なので前提知識ゼロで読んだ。古典作品やしどうかな~と思うたら!!!!
    む~~~~~~っちゃエンタメ小説やんけ!!!!!!おもろ!!!!となり一気に聴いた。
    耽美小説、、、、なのかこれ!?最初みつこが裸になって2人で抱き合って「殺してえ殺してえ」言いあうところとか、聴きながら鼻で笑ってしまった。2人の酔いに酔ってる感がすごくて笑ってしまったかな…?
    柿本の旦那さん、まさかまさかまさかすぎる。肉体関係なし、恋愛感情無しで、自分の伴侶やからという理由で園子をあれだけ守っていたのか…???いや~~~~う~~~~ん、旦那さん、もしかして自分のことあんまり好きじゃない?んかなあ。自分に自信がないというか。やから、自分の分不相応やと思える女性に傾倒してしまう、依存する、離れたくない、となるのかな?DV被害者みたいな心理というか。
    みつこはたしかに美人でしたたかで、自分大好きマンが歪みに歪んだ人やとは思うが、みつこだけが悪者と思えんし…。自分に熱狂する人らを間近で見て、調子に乗って妙な勘違いをしていったんやないろうか?自然とカルト教祖になっていく、みたいな。みんなが交わりあって、影響しあって、おかしな状況になっていってるな~~と思うた。みつこ、スマホ持ってたらヤバかったねー。インフルエンサーみつこ、見てみたかった

  • いやはや恐ろしい女よ光子は。これはこれは全員光子の沼にハマっていく様子が面白かったわぁ
    4人全員の絡み合いを描いた作品の題名が卍って谷崎潤一郎のセンスの良さひかりすぎている。最後にかけて本当にページを捲る手がとまらなくなった。そんで持って夫まで死ぬんかい!!で園子は生き残るかい!!驚愕のラストでした。夫が園子といた時は恋愛を分からなかったけど光子としてからは恋をしたことに気づくのが好き。これの実写化はハードル高そう〜

  • 真実を語っているのは誰なのか、最後になるまで分からず、恋愛小説というよりミステリ小説を読んでいる気分になる。
    園子と孝太郎、光子と綿貫の2組の男女が織りなす、倒錯的で濃密な愛憎は、卍のように入り乱れている。より正確に言うと、園子と孝太郎夫妻が、光子と綿貫の恋愛に巻き込まれ、翻弄される形となる。
    互いに猜疑心に苛まれながらも、愛に溺れていく姿はとても美しく、これこそまさに美の本質。

  • 良家の若奥様だった園子の告白というかたちで、大阪のことばで語られる。標準語にはない物腰の柔らかい口調に、自然と引き込まれる。登場人物である園子、園子と禁断の関係に落ちる光子、光子の愛人・綿貫、そして園子の夫。みんながそれぞれ愛に盲目的になり、その愛を失わないようにと画策する様は醜いようであり、反面自分の心に正直で純真なのかもしれないと感じた。

  • 光子と園子の恋文がやけに生々しい。
    不倫してる人たちのやりとりって感じでリアル。

    場面場面では綺麗だなと思うけど、全体的に胸糞だった。

  • 全編にわたる大阪弁の独白が陰妖な空間を読み手のなかにつくりあげる。
    後半一気に堕ちゆくさまに太宰をみる。

  • 今年の谷崎潤一郎はこれ。三つ巴かと思いきや…

  • ただの同性愛変態小説かと思って読んでみたら全然違っていて実はひとりの毒婦が無意味にいろいろと周りを翻弄したあげくに最後には自分勝手な理想を退廃的に実現させた物語だった。もちろんこれと異なる読み方もいくつかありうるけど。この作品の前半から中盤にかけてはゆっくりと確実に事態は進行していくのだけれども後半は思いもよらぬ形で怒涛の展開が繰り広げられる。19世紀フランス自然主義文学を読んでいるかのような錯覚を強いる傑作です。現代の編集者なら長編でじっくりしっかり書かせただろうなあ。本当に面白い。やはり谷崎はすごい作家であることを再認識させられた。

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著者プロフィール

1886年7月24日~1965年7月30日。日本の小説家。代表作に『細雪』『痴人の愛』『蓼食う虫』『春琴抄』など。

「2020年 『魔術師  谷崎潤一郎妖美幻想傑作集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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