オルガニスト (新潮文庫 や 48-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (381ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101014210

感想・レビュー・書評

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  • 購入してから読了するまで結構時間がかかりました。10日ほど前に改めて「青春アドベンチャー」での放送話を少し聞いてから再度読み始め、本日読了しました。
    「青春アドベンチャー」で描かれなかった内容も多く、作者が東大工学部卒というのもあって終盤は専門的な言い回しが目立ち、読み応え十分な1冊でした。

  • ラジオドラマ青春アドベンチャーで聴く。

    青春もの+ミステリ+SFアドベンチャーという様々な要素が織り込まれている。
    さらにいえば、「人間の進化」に関するひとつの提案でもある。
    「ぼくは音楽になりたい」という台詞が、すばらしい形で結実する。
    それは人間がひとつ上の段階に達した瞬間であり、神や天使に近づいたということでもある。

    かなりの傑作。原作も読みたい。

  • これはハッピーエンドなのか、バッドエンドなのか。。
    ずいぶん前に1度読んだ時は、とても恐ろしい印象だけが残ったけど、今回は怖さだけじゃなく研ぎ澄まされた美しいものを感じました。
    「音楽になりたい」とは、普通に聞けば情熱を秘めた夢の言葉に聞こえるけど、この本では神の領域に足を踏み入れようとする禁断の言葉ですね。

  • プレリュードとフーガBWV.546 (再読)。

  • ファンタジーノベル大賞を取った作品。有名どころ。

    ごくごく最近(注・2001年九月の話である)、文庫化した。今なら平台に積まれているはず。

     ハードカバー(1600円する)でもう読んだよ、という人も多いでしょう。樓主も読んだ。

     ところが。

     なんと文庫化にあたって中身は大幅改定。一人称で書かれているのだった。

     文章はすごくクリア。青春小説だから。



    「音楽になりたい」という天才オルガニストのテオ。彼は事故で音楽生命を断たれてしまう。

     最終的に彼は「音楽」になる。それは寒気がするほどの結末だった。

     追伸のように友人の語りが入っているため、その肌の粟立ちを和らげてくれるのだが。



     最初の方はオルガンの構造とかそういうのに詳しく触れられる。

    オルガンにまるで馴染みのないゴーストには「ストップ」の説明で「??????」という状況。

     さらにバッハ(音楽の時間に習うあのバッハ)の説明のくだりになると、

    「へっ?」「この曲知らない」「??」という事態に陥る。

     音楽を囓っていると、より馴染めるかもしれない作品。

     それでもその馴染みのない樓主が図書館でハードカバーのこれを借り、文庫化するのをずっと待っていて入手したのだから、凄まじい引力がある作品だと思う。

  • 大味なところも、粗もそれなりにあるのだけれど、<BR>「この物語を書きたい!」という情熱に巻き込まれるようにして一気に読めてしまう。そういう力のある小説にはなかなか出会えないので嬉しい。<BR>
    「オルガニスト」という、ストレートながら興味を惹くタイトルもいい。<BR>ピアノの代替品、ぐらいの認識しかなかったオルガンへの見る目がだいぶ変わった。

  • 音楽を演奏することと、音楽そのものになること。芸術の追求にとりつかれたオルガニストの物語。

著者プロフィール

1960年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、家電メーカー研究者となる。98年『オルガニスト』で日本ファンタジーノベル大賞を受賞しデビュー。01年『われはフランソワ』で直木賞候補。現在は専業作家として、良質な作品を上梓し続ける。

「2014年 『暴走ボーソー大学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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