鬼絹の姫 ―ソナンと空人2― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101023328

作品紹介・あらすじ

弓貴滅亡の危機を救ったソナンは、新たな名「空人」と領地・輪笏を与えられ、妻ナナや家臣らと旅立つ。赤く輝く花に彩られた美しい大地、だがそこは財政難にあえぐ貧しい場所でもあった。輪笏を立て直すため、空人は生き急ぐかのように奔走し、領民の心を動かしてゆく。数々の策が実を結び始めたころ、都に呼ばれた空人。そこで、予想外の事実を告げられ─。流転のファンタジー大作、第2巻。

感想・レビュー・書評

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  • 全4巻の第2作目の作品で、第1作目は序章かのような下地を描いていたので、正直2作目以降読もうかどうか悩んでいました。
    とりあえず読んでみると、与えられた領地をどのようにして、再生していくのか、人々との交渉の駆け引きを交えて描いていて、第1作目よりも面白かったです。
    ただ、こういった大河もののファンタジーというと、戦いが描かれると勝手に想像していましたが、今回は領地をどう再生するのか、知恵を振り絞っていくのが大半でしたので、ちょっとスペクタクルという感じではありませんでした。

    このままだと廃れてしまう領地。収入を増やすか、支出を減らすか。いかにして潤っていくのか。ドキュメンタリータッチで、試行錯誤を試していくので、NHKやテレビ東京の番組を見ている感覚がありました。

    第1作目って必要だった?と思っていましたが、読み進めているうちに第1作での下地があったからこそ、物語に生かされていました。今置かれた状況をどのように変えていくのか。特産品や人々の交流や交渉、さらに生まれ変わる前の故郷についても触れられていて、今後どうなっていくのか楽しみになりました。個人的には戦いのシーンもあったらいいな・・・とも思ってしまいました。

    ちなみに‘神‘の登場がなかったので、なぜ空人に新たな人生を与えたのか?本当の真意は不明でしたので、次回に期待したいと思います。

  • 鬼絹の姫ーソナンと空2(新潮文庫)
    著作者:沢村凛
    発行者:新潮社
    タイムライン
    http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
    流転の空人ファンタジー大作第二弾

  • まさかの繋がりでただ衝撃だった。空人として生きる世界がソナンの世界と同一世界で、交流しようというのはなかなかに神様のいたずら。ワシャクのこれからも気になる。

  • 結婚して領主になった空人だが、トラブル続き(というか自分で引き起こしたり)。とにかく奥さんがよかった。いわゆる「建国もの」「異世界で改善していく」というやつですが、そんなことされた現地のひとびとの反応がごもっともでした。面白いわー。

  • 何となく、信長協奏曲を思い出させるシチュエーション。この世界の常識を知らない人が偉い人になって引っ掻き回すも英断で、それに周りの人が突き動かされていく。

  • 長編第2巻。生き直しなのかな、物語はぐんぐん進んで行くので、楽しい。主人公の違和感はまだあるが、周りの人たちが良い。

  • 相変わらずなんで主人公がここまで頑張れるかは分からない。でも主人公がひたすら必死になって自分の領土を豊かにしようと奔走する姿を見て、周りの人々が主人公を受け入れ、愛していくというのがすごく良いな、と思った。主人公、意外と頭良いんだな、ちゃんと外交とかについて学んでたんだな、と思った。
    ソナンの世界をちゃんと作りこんでいながら、1巻の最初ちょろっと出たくらいでもったいないなーと思っていたのだが、こんなカラクリがあったのね。
    相変わらず面白かったです。次巻も読むぞ。

  • 一巻は異世界転生物だったが、二巻は異世界だけど時代劇の藩主の苦労話的な展開
    それぞれのエピソードは面白いんだけど、主人公の動機がいまいちぴんと来ない
    それでもがむしゃらに働いて次々に展開する話はうまくいきすぎてる感はあるが、それでもなかなか面白いし飽きさせない

    最後の方は、過去の自分と向き合う展開を予想させて終わっており、また今巻の領国経営さえ前振りとなるような壮大な展開となりそうな予感もある

  • ようやく物語が流れるようになったな。
    シミュレーションゲームでもそうだけど、国造りは楽しいね。

  • えー!そうなの?
    そんな展開!? すごいなぁ。
    全くの異世界なんだと思っていたのに

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著者プロフィール

1963年広島県生まれ。鳥取大学農学部卒業。91年に日本ファンタジーノベル大賞に応募した『リフレイン』が最終候補となり、作家デビュー。98年、『ヤンのいた島』で第10回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞を受賞。骨太な人間ドラマで魅せるファンタジーや、日常のひだを的確に切り取るミステリーなど、様々な世界を展開している。その他の著作に『瞳の中の大河』『黄金の王 白銀の王』『あやまち』『タソガレ』『ディーセント・ワーク・ガーディアン』『猫が足りない』「ソナンと空人」シリーズなど多数。

「2023年 『旅する通り雨』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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