新しい環境問題の教科書 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (214ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101035253

感想・レビュー・書評

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  • 【本の内容】
    「温暖化防止」の名のもとに、いまなお空前の盛り上がりを見せる環境ブーム。

    実際に自然界で起こっていることに目もむけず、科学的な見地も理解せず、ただ声高に異を唱える現状は、本当に正しいのだろうか。

    世界中を巻き込む一大ムーブメントに隠された、陰謀やウソや偽善を暴き、私たちの愁活に本質的に関わる真の環境問題を考える。

    話題の生物学者が提唱する、画期的な一冊。

    [ 目次 ]
    1 環境問題の錯覚(何が「環境」の「問題」なのか;身の回りの環境問題―ゴミとリサイクルをめぐる誤謬;ほんとうの環境問題―エネルギーと食料;環境問題は「人間の問題」である―人口問題のジレンマ;地球温暖化の何が問題か)
    2 ニセモノの環境問題(「地球温暖化脅威論」こそ脅威;北海道洞爺湖サミットでわかったこと;日本にエネルギー戦略はあるか;生物多様性の保全という「正義」;人口―ほんとうにほんとうの環境問題)

    [ POP ]
    ペットボトルのリサイクルはゴミ減量に本当に役立つのか。

    温暖化防止は多額の国家予算をかけて取り組むべき問題か。

    生物学者が専門的知識と柔軟な思考で本質をあばく。

    人間が生きられる世界を存続させるために私たちが今やるべきこととは。

    イメージで危機感をあおるメディアや利権絡みの政治に左右される問題を、自分自身で考え直すための1冊。

    [ おすすめ度 ]

    ☆☆☆☆☆☆☆ おすすめ度
    ☆☆☆☆☆☆☆ 文章
    ☆☆☆☆☆☆☆ ストーリー
    ☆☆☆☆☆☆☆ メッセージ性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 冒険性
    ☆☆☆☆☆☆☆ 読後の個人的な満足度
    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

    [ 関連図書 ]


    [ 参考となる書評 ]

  • 著者の過激で歯に衣着せぬ物言いは、ちょっと言い過ぎなところはあるにしても、何れも正論。

    面白かったのは、ゴミを散らかし放題のカラスが、実は海辺に棄てられたゴミを漁って夕方に郊外の森に帰って糞をするから、海辺の栄養物を森に返して循環の役割を果たしている、という指摘。ほんとかな、と思いつつも、そんな見方もできるんだな、と感心。

    また、「在来のザリガニは北海道を中心とする清流に生息し、アメリカザリガニとは競合しない。もし在来のザリガニが減少したとすれば、それはアメリカザリガニのせいではなく清流が汚染されたなどの別の原因によるものだ」と言うのはしらなかった。外来種を敵視して躍起になって駆除するのは確かにやり過ぎだな。

    CO2排出が地球温暖化の主要因と言うのは嘘八百で、本当の環境問題は、人工過剰に起因する食糧・エネルギー問題である、と言うのは正鵠を射ている。

    難しいことではあるけれども、マスコミや流行に乗った一部の学者等の言説に安易に踊らされないように気を付けなければ!

  • 環境問題を通して、世の中の嘘に飲み込まれないための視点のひとつとなる。読みやすい。
    多角的な情報から本質を見極めたい。

  • 易しい文章で書かれているため、環境問題についての真面目な本なのだ、と肩に力を入れて臨むと読み始めて早々に、少しずつ肩の余分な力が抜けていくのを感じる。

    環境と政治、与えられる情報、そういったことを自分の頭でも考えてみようかと思わせてくれた一冊。

著者プロフィール

池田 清彦(いけだ・きよひこ):1947年東京生まれ。生物学者。東京教育大学理学部生物学科卒、東京都立大学大学院理学研究科博士課程生物学専攻単位取得満期退学、理学博士。早稲田大学、山梨大学名誉教授。専門の生物学分野のみならず、科学哲学、環境問題、生き方論など、幅広い分野で60冊以上の著書を持ち(『構造主義科学論の冒険』 講談社学術文庫ほか)、フジテレビ系「ホンマでっか!?TV」等、各メディアでも活躍。

「2024年 『老後は上機嫌』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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