- Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101036014
感想・レビュー・書評
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言葉から日本語の歴史をたどり、また、日本語が生まれ消え、変容してきた軌跡を印象的な言葉で綴る名著です。
特に、愛するものを説く箇所で、奈良時代の女性の歌がしっかりと大地に自分で立つ印象を与える理由を妻問婚の習慣に求め、それが平安時代に以降、徐々に嫁取り婚に変わっていくのとともに、女性が日本語の歴史から姿を見せなくなっていくと論じていく箇所は畳み掛けるような説得力があります。また、源氏物語の終局の描き方に、女性の運命の大きな転換が迫っていることを平安時代に早くも観て取った紫式部の天才の発露であると説く箇所(108頁)も白眉です。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
言葉の変遷やルーツを辿ることは、その民族の心情や文化の歴史を辿ることだという。誠にもっともだと思う。
日本人の宗教観についても触れられているが、個人的に日本人は特定の宗教を信仰していないだけで、宗教心自体は持っていると思う。
外でお腹を壊した時、トイレにたどり着けるよう神に祈ったことの無い人が、完全な無神論者なのではないかな?と思ったりする次第。 -
2009.11.06読了
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-自分の全財産を人々に施しても、自分の身を焼いてよいと人々にさし出しても、それを愛なしにするのでは、そこから何も得ることはないという。(中略)しかし、それだからとて、愛のあり方が、どの時代にも、どこの国でも、同じなのではない。(中略)では、日本の昔と今、西洋と日本では「愛」の上でどんな違いがあるだろうか-
「愛」「美」「祈りと願い」などを表現する言葉、単語を追い、日本語および日本文化の本質を紐解くことができる。必読。