ベッド タイム アイズ指の戯れ・ジェシーの背骨 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101036175

感想・レビュー・書評

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  • 山田詠美の書く、だらしなくていやらしくていたずらで時に醜いけれどセクシーで上品なビッチの「ファックしちゃった!」という言葉の軽やかさは切なくて笑いたくなる

  • 相手を愛する事は、自分を愛する事と同義だ。
    そして、相手を愛する事と、自分を傷つける事もまた同義だ。
    愛する人に対する執着が、自分と同化される。
    こんな風にはならないと、思ってるあなた。
    きっとその片鱗は誰でも持っているよ。
    怖いくらいの気持ちの渦が胸の中心にあるよ。

  • 読んだのは河出のベッドタイムアイズ。
    この本の登録が見つからなかったので仮で。

    初期作品には山田詠美さんの日本人ぽくない感覚や表現が、色濃く表れている。これが日本が舞台の物語に落とし込まれると、新鮮さ、鋭さが際立ちさらにかっこいい。

  • 中編3つ。「ジェシーの背中」母親の愛に触れられなかった11歳の少年の屈折した心と、どう対処したらよいか悩む主人公の葛藤がよく表現されている。2019.7.2

  • 山田詠美のデビュー作。
    なんだろうこの見てはいけないものを見てしまった感(笑)
    山田詠美ってこういう話でデビューしたんだなぁ。
    3編収録されていて、そのどれも黒人との情事の話です。
    作品間で似たり寄ったりの人物とストーリーなのに、こうも味わい深いのはなぜだろう。
    下品な言葉やベッドシーンがつづくのに、そこにいやらしさは無く、ある種チャーミングで気怠げなエロティシズムを感じさせます。そしてその世界観を織り成す比喩や言いまわしが素敵だった。
    この一冊で、すっかり山田詠美ワールドに魅了されてしまいました。

  • ここ最近山田詠美ばかり読んでいるけど
    驚いたことに、この人の本はどれも全然違う
    共通の軸みたいなものは感じるけど
    あまりに違うので、違う人の本を読んでる気持ちにさえなる。

    デビュー作のベットタイムアイズは、
    GIの黒人男性と、日本人のおんなのこの恋愛の話。

    恋愛、といってもその響きの爽やかさはどこにもなく
    もっと淀んでいて
    何日も窓を開けていない部屋の中の空気みたい。

    こんなに直接的に卑猥な表現が出てきても
    なんだかそれが嫌じゃないのが、山田詠美らしい。

  • スラングが多用されていて、卑猥なのに何だか格好いいと感じてしまった。
    三編の中ではジェシーの背骨が一番読後感が良くて好き。
    「家族」って必ずしも父、母、子供ってカテゴライズされなくてもいいよなって改めて思った。

  • 内容としては、親の愛情を受けない子供の葛藤が印象的だった。こうした山田詠美の本は、今後も読んでいきたいところ。

  • オレ、オンナノヒトの気持ち分からない。でも、ジェシーの気持ちは分かる。子供だなあ。

  • ベッドタイムアイズ
    スプーンは私を可愛がるのが上手い.

    こんな風に誰かを愛したことあったけ
    えろいとかそうゆんじゃない。
    あたしは綺麗だと思う。

    ラストは涙腺が緩んだ。

    山田詠美の処女作。
    あたしは好きだな。


    指の戯れ
    男を捨てたルイ子
    それと同じように捨てられていく自分。
    復讐だとかそうゆうのなんだけど
    とっても切ない。
    あの人がほしくてほしくてたまらなくなった
    ルイ子の気持ちがたまらなく切ない。
    プライドとか関係なしに欲しくなったんだろうね。
    男に溺れて行く様がなんとも切ないラブストーリーです。

    ジェシーの背骨
    母親の愛情を知らない子供
    人に対する愛し方はもちろん
    愛され方も知らない子、ジェシー。
    愛する男の連れ子との奇妙な3人暮らし。
    とても深い。

著者プロフィール

1959年東京生まれ。85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞受賞。87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、89年『風葬の教室』で平林たい子文学賞、91年『トラッシュ』で女流文学賞、96年『アニマル・ロジック』で泉鏡花文学賞、2000年『A2Z』で読売文学賞、05年『風味絶佳』で谷崎潤一郎賞、12年『ジェントルマン』で野間文芸賞、16年「生鮮てるてる坊主」で川端康成文学賞を受賞。他の著書『ぼくは勉強ができない』『姫君』『学問』『つみびと』『ファースト クラッシュ』『血も涙もある』他多数。



「2022年 『私のことだま漂流記』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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