女神 (新潮文庫)

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感想 : 130
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101050256

感想・レビュー・書評

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  • 何度も読んでて、三島の世界の入り口でした(´∀`☆)

  • 偏執的な美意識だなー…

    もう少しヘビーなものを期待して読んだのですが、根底に流れる思想自体は澱んでいるけど、新潮発刊の三島作品には珍しく、物語自体は意外とさらっとしたものが多くて驚いた。

    …と思っていたら、最後のあとがきで『朝の純愛』に対する自分の中の評価が完全に反転してしまったのだけれど。この人は多分、頭が良すぎるのだろう。

  • 『女神』は、三島由紀夫の短編集である。

    女神と称されるほどの美しさを持つ妻が、その顔に火傷の醜い傷を残した時、美を何よりも重要な女性の要素だと考えていた周吾は妻を見捨てる。代わりに、その妻の美しさに肉迫するように成長する娘を、自身の求める「美の権化」たらしめる為に独自の教育を行う。

    主人公の、さらに言えば三島自身の「美」に対する執念を垣間見ることが出来る作品であると感じた。そして、それに反する「美」の裏切りが生じることによって、この作品の文学性をより高めているように感じた。
    その他の短編も、読み応えのあるものが多かった。

  • 共感と違和感のぎりぎりラインが秀逸。
    余りに短い作品は個人的にはいまいち

  • 短編集。表題作の「女神」は150ページほどで、超短編がいっしょに収録してある。三島由紀夫は物語の終わらせかたが巧みで、ときどき芸術的ですらある。短編も、小話といったかんじだけれど、優雅だったり人間くさかったり、なかなか素敵。

  • 表題作の存在感と、完成度とストーリー性はやっぱり秀逸。あとは、雛の宿が好きでした。

  • 谷崎みたいな女性の描き方とは
    またカラーの違う美しさが見える。
    男性の行動や女性の心情が抽象的な表現で
    一見するとわかりにくいけれども
    自分の中に消化できれば
    すごく落ち着いて伝わってくる。

  • 『汝の名』に続いて明野照葉2作品目。
    まだ2作品しか読んだことないけど、最近お気に入りの作家。

    女性が社会で働くことについて、
    その厳しさだったり、周りの目だったり、
    かなりリアル。

    読み終えると、ちょっと放心状態になるほど
    話の展開、それぞれのキャラクターが相当いっちゃってて、
    でもその中途半端ではないかんじがあるから、
    メッセージが気持ちいいほど突き刺さってくる。

    ---
    恐れることは何もない。いざとなればやり直したらいい。
    リセット。
    ---

    一度きりの人生であることを、
    このまま生きていくのかということを、
    どんどん胸が高鳴ってくる。

  • 三島作品はまだ3つめだが、
    金閣寺や女神を読むと、三島の「美」や「不具」についての
    執念が痛いほどに伝わってくる。なにが彼をそこまで追い立てたのだろう。

    戦争の時代を生き、その中でこういった小説の執筆もしていたはずで、そんな環境下で生まれた作品は、安全ぬるま湯の現代日本を生きる私たちに通じるものばかり。

    『女神』での父娘の関係性はまったくもって創作と思えず、
    一定以上の美を維持していないと恋人や妻、夫を愛せないという人は多かれ少なかれいるのではないか。
    そして、この父のようにお金や力を持っていれば、
    相手を好みの像に仕立て上げるということもあるだろう。

    美とはなんだろう。
    人を惹き付け、ときには安心させ、そして狂わせる。

    まだまだ三島を読み込んでいくことにしよう。

  • 物凄いタブーを感じました。
    自分の妻と娘を「女神」のような女性に教育すること。夫婦の生活に他人を利用すること……。
    恋愛のずるくてきたない部分が印象的に描かれています。

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著者プロフィール

本名平岡公威。東京四谷生まれ。学習院中等科在学中、〈三島由紀夫〉のペンネームで「花ざかりの森」を書き、早熟の才をうたわれる。東大法科を経て大蔵省に入るが、まもなく退職。『仮面の告白』によって文壇の地位を確立。以後、『愛の渇き』『金閣寺』『潮騒』『憂国』『豊饒の海』など、次々話題作を発表、たえずジャーナリズムの渦中にあった。ちくま文庫に『三島由紀夫レター教室』『命売ります』『肉体の学校』『反貞女大学』『恋の都』『私の遍歴時代』『文化防衛論』『三島由紀夫の美学講座』などがある。

「1998年 『命売ります』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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