しあわせのねだん (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 2009
感想 : 189
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  • Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101058252

感想・レビュー・書評

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  • 角田さんの読むのは初めて&エッセイも初めてかもしれない。
    あんまりエッセイっては好きじゃなかったけど予想以上に面白かった!!
    これはエッセイが面白いのか、角田さんが面白いのか。
    角田さんの表現は思考が面白い!一緒に飲みながらお喋りして聞いてる感覚になれる(* 'ᵕ' )☆

    お金や物への価値観などを重きに置いた話なんですが、24個の話かな、全部ニヤニヤと笑える部分があり。
    1番印象に残ったのは、
    迷いに迷って高額な買い物をしたときと、
    衝動で高額な買い物をしたときと、
    物への思い入れが全然違うという話。
    具体を書いてしまうと面白くなくなるのでこのへんで。

    半年前くらいからの積読本、気軽な気持ちで読めました!他の角田さんのも読んでみよーっと。
    あ、、八日目の蝉!?あれ?これは映画で見たような、、愛がなんだ?も映像で見たような。。
    映像化結構されてて、知らずに結構観てるかもだ
    ( °_° )_φ(..)メモメモ

  • 角田光代さんの作品を読んだのは、数時間前に読了した『八日目の蝉』に次いで3冊目となりました。

    最初に読んだ『さがしもの』がとても良かったので、角田さんの作品を読み進めようと決め、『八日目の蝉』と本書『しあわせのねだん』を併読していました。

    本書は、お金に関するエッセイ23篇とあとがき2編から構成されています。
    『対岸の彼女』で直木賞を受賞され、5年もの歳月をかけて『源氏物語』の現代訳にも取り組まれた作家さんとは思えない?ユニークな作品が多く収録されており、また、ご自身の(全部ではないにしろ)あからさまな姿も描写されていて、とても楽しむことが出来ました。
    と同時に、併読していた『八日目の蝉』を書いたのも同じ作家さんなんだよな、というちょっと不思議というか変な感覚にも襲われました。(勿論、冷静に考えれば不思議でも何でもないのですが)

    本書に収録されているエッセイは、全て面白く読むことが出来ましたが、とりわけ、「100%感動する名作!」と帯に書かれていたとおり、角田さんと母親の旅行を題材とした『記憶 9800×2』は秀抜でした。
    別の小説家さんの作品ですが、氷室冴子さんの『冴子の母娘草』(本書と同じぐらい面白くお薦めです)を思い出しました。
    母親と娘が織りなす珍道中(涙もありますが)に間違いはないようですね。

    他の小説家さんのエッセイとしては、三浦しおんさんの『のっけから失礼します』を読んでいますが、本当にどの作品も面白く、楽しませてくれます。

    小説家さんの才能と、作品への精励には頭が下がります。

  • 急に角田さんのエッセイが読みたくなった!
    普段エッセイがはあまり読まない。
    単純にストーリーがある方が好きだから。
    でも角田さんのエッセイは読みたくなる!
    テレビで拝見して以来、その人柄に惹かれている。
    テレビで見せてくれる顔は角田さんのほんの一部だろうけれど、あのほのぼのとしたふんわりとした飾り気のない雰囲気が好きだ!
    そしてその見た目の中、言わなければ分からないのに角田さんの黒い部分も惜しげもなく披露してくれるところも大好き。
    このエッセイももう何度目の再読だろう…
    角田さんの独り言を聞かせてもらっているようでクスクスと笑いながら、時には「わかる〜」と思いながら楽しませてもらいました。

  • これならいくら使えるっていうのは人それぞれ違っていて、小さな金額でとても満足できる時や、逆もある。本当に必要な自分の心のエネルギーになるお金の使い方をしたい。

  • 角田さんご本人がおっしゃっているように、私も彼女をテレビで拝見している限り、おっとりした方だと思っていた。それが何とも、せっかちエピソードが満載で面白い。特に秋刀魚を選ぶ親子の話。そしてイライラを抑える薬「イララック」なるものがある事も初めて知った。

    「20代で使ったお金がその人の一部を作る」という言葉が響いた。自分は20代の時に何にお金をかけてきたのか。映画が好きな人、洋服が好きな人、食べることが好きな人…人それぞれにお金をかける所が違うけれど、それがその人を作り上げていくなら決して無駄ではないと思う。「ゆたかであるというのは、お金がいくらある、ということでは決してない」と著者は言っている。

    最初にこの本が書かれたのが約20年前らしいので、ガラケーが出てきたり、タバコの値段が今の半分以下だったり時代を感じさせる部分もあるが、若い人に知ってもらいたい事もたくさん書いてあると思う。

  • やっぱり、角田光代の書く文章が好きだ。選ぶ言葉が好きだ。キュートで可笑しくて"そのまま"で、読んでいてなんだかとってもうれしくなった。他のエッセイももっと読みたいな。

    「なににお金を費やしたかということが、その人を形成する」、「中身が何にもない人にはなりたくないよね」的なことを最後におっしゃっているのにめちゃくちゃ共感した。個人的に最近ずっと考えていた、"お金とは何か"の答え合わせが少しできた気がした。ありがとう角田光代さん。

  • 今から十数年前に書かれたエッセイで、懐かしさも覚えるけどほぼほぼ現代の感覚と変わらない不思議。
    自分が満足すれば、それが自分のしあわせのお値段。
    外出中に財布にお金が入ってなかった話は、他人事ながらドキドキしました。怖い…。
    他は共感する事が多く、たくさんのエピソード、面白かったです。

  • たとえお金をたくさん使っちゃったとしてもそれはこれからの自分を作っていく土台になるっていうのがすごくグッときた。お金を使ってものを得るだけじゃなくて、自分の中に得られるものがあるっていうのほんと考えさせられた。貯金だけたくさん貯めて中身がない人になるより、お金を使ってたくさん友人と遊んだり、色んなところに行ったり、美味しい物食べたりヲタ活したりして人生思いきり楽しんでいきたいなって思った。せっかくの人生だから豊かな思い出と経験を作っていきたいな。お金を気にして何もしないより絶対いい。

  • たしかに!と思える身近な気づきがいっぱい。
    なかでも鞄の話は印象的だった。
    「鞄の値段と収納力は違う。規則性がなくてんでばらばらなのである。140000円出したって、鞄は140000円分のことを解決してくれないのだ。」
    長年自分のなかでボヤッと考えていたことが、はっきりと言語化されたような気がした…!

    「二十代につかったお金が三十代の下敷きになる」
    「お金と心はときとして、体と心の如く関係しあう」
    覚えておきたい名言がたくさん。

  • 角田さんのエッセイ初読み。面白かった。角田さんって面白い人なんだなぁ。「紙の月」「八日目の蟬」から想像するイメージとは違った。お金に関するエッセイで価値観がわかる本。お財布の中に普段いくら入っているか、は私も興味があった。とても普通の感覚を持っていて共感できる部分がたくさんあった。

著者プロフィール

1967年神奈川県生まれ。早稲田大学第一文学部文芸科卒業。90年『幸福な遊戯』で「海燕新人文学賞」を受賞し、デビュー。96年『まどろむ夜のUFO』で、「野間文芸新人賞」、2003年『空中庭園』で「婦人公論文芸賞」、05年『対岸の彼女』で「直木賞」、07年『八日目の蝉』で「中央公論文芸賞」、11年『ツリーハウス』で「伊藤整文学賞」、12年『かなたの子』で「泉鏡花文学賞」、『紙の月』で「柴田錬三郎賞」、14年『私のなかの彼女』で「河合隼雄物語賞」、21年『源氏物語』の完全新訳で「読売文学賞」を受賞する。他の著書に、『月と雷』『坂の途中の家』『銀の夜』『タラント』、エッセイ集『世界は終わりそうにない』『月夜の散歩』等がある。

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