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- Amazon.co.jp ・本 (224ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101063027
感想・レビュー・書評
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「一人の天才との接触に於いて相手の重さに打ちひしがれて、自らを摩耗した凡庸な人間の悲劇」という言葉に、はっとさせられました。天才日本画家・大貫桂岳の偽作家であった原芳泉という無名の画家が、傲岸不遜の天才・桂岳若き日の唯一無二の親友であったという事実を知った元美術記者の男の視点を通じて、天才画家の気づかないところで彼の存在がために、屈折し転落していった一人の男の悲劇を捕らえた作品です。記者による聞き込みによる桂岳や芳泉を取り巻く人々の証言により、時間軸が前後する構成が、記者の感性と考察を研ぎ澄ませているのが印象的な作品でもあります。
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井上靖さんの作品は、重苦しい主題の物語でさえ、読後に、清涼な微風を受けたような気分にさせてくれる。表題作含めて6つの人生を描いた短編集。
さすが稀代のストリーテラー。
今の若者でも、面白く読めます(キッパリ)!
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