やれば、できる。 (新潮文庫 こ 33-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101070216

感想・レビュー・書評

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  •  「やれば、できる。」なんて、私も簡単に口にするときがありますが、何しろ相手はノーベル賞ですから、そう簡単な話ではありません。

     筆者の小柴さんがどうしてノーベル賞がとれたのか。天才だから、努力したから、あるいは運がよかったから、いろいろな見方ができると思います。ご本人は、素晴らしい人たちに巡り会えたことを理由にあげています。

     私がこの本を読んだ印象では、小柴さんは、人をひきつける魅力のある方なのだろうなと思います。素晴らしい人との巡り会いも、決して偶然ではなく、ご本人が呼び寄せたものに違いありません。

     人徳などと簡単に言い切ることはできませんが、人も運も、結局は自分で引き寄せるしかないのだなと改めて思いました。

  • 野中郁次郎『経営は哲学なり』では、小柴昌俊の研究哲学を徹底解説!

  • 小柴さんのかわいらしい雰囲気が文章になっていて読みやすい。
    ニュートリノって降ってくるものなんですね。
    先を見据えて努力すればたとえ失敗しても損失は最小限に抑えられるし、努力したという事実の方が価値がある。
    必要以上に萎縮せずに、まず、もっと棟を張って、そして頑張るべき。
    カミオカンデのことも多少わかった気になれます。

  • ノーベル物理学賞を受賞した小柴先生の本。2003年。ニュートリノの研究でノーベル賞を受賞したすばらしい経歴を持つ小柴さん、実は小さな頃に小児麻痺を患い、音楽家の夢をあきらめざるをえなかったという。また、学校での成績も優れたものではなく、むしろ下から数えるほうが早かった。優秀ではなかったのですよ、と講演でもお話するようだ。研究に対して真剣に向き合っていることが本書の中から読み取れるが、それ以上に小柴さんが大切にされているのが人との付き合いであることがよくわかる。恩師をはじめとするお世話になった人への感謝や、研究を支えてくれる後輩/カミオカンデの建設を支援してくれた神岡町の方々など、とにかく人への感謝を大切にしているのだと感じた。ノーベル賞の受賞は、小柴さんの人柄にも大きく由来しているのだろう。

  • (2005.11.02読了)(2005.09.23購入)
    2002年にノーベル物理学賞を受賞した、小柴昌俊さんの自伝です。
    「心に夢のタマゴを持とう」(講談社文庫、2002年11月)に較べて余り目新しい事は無いように思いました。付録の「東京大学卒業式祝辞」は、両方共通です。
    ●10月(4頁)
    10月のこの時期は、僕の家で新聞記者の方々と、来るか来ないかわからない電話を待つのがずっと恒例になっていました。1988年から毎年、15回も僕の家に通ってくれた記者さんも多くいました。
    ●中学校で物理を教えた時のテスト問題(48頁)
    「この世の中に、摩擦というものがなくなったらどうなるのか。記せ」
    この設問の正解は「白紙答案」。
    摩擦がなければ鉛筆の先が滑って紙に文字は書けないからです。正解した生徒は三人くらいでしたが、ひょっとするとまるで分からずに途方にくれて白紙で出した生徒も混じっていたかもしれませんね。
    (小柴先生、ひょっとするとじゃなくて、皆さん途方にくれて白紙で出したに決まってるでしょ。)
    ●ニュートリノ(129頁)
    ニュートリノは物質を形作る素粒子の一種で、宇宙の始まり、ビッグバンで大量に生まれたと考えられています。1センチ立方には約300のニュートリノが存在し、宇宙中に満ち満ちているといわれています。電気的に中性(ニュートラル)であるということからの命名で、1930年、オーストリアの物理学者パウリ博士が、はじめてニュートリノの存在を指摘しました。

    専門的なこと、難しい事は、何も書いていないので、分かりやすく、楽しく読めます。

    著者 小柴 昌俊
    1926年9月19日 愛知県豊橋生まれ
    1951年 東京大学理学部物理学科卒業
    1955年 米国ロチェスター大学大学院修了。
    1970年 東京大学理学部教授に就任。
    1987年 停年退官。
    2002年 ノーベル物理学賞受賞。

    ☆関連図書(既読)
    「心に夢のタマゴを持とう」小柴昌俊著、講談社文庫、2002.11.25

    (「BOOK」データベースより)amazon
    中学1年で小児マヒ、音楽家と陸軍幼年学校入学の夢挫折。猛勉の末入学した物理学科の成績ビリ、でもアメリカ留学の夢を勝ち取る。カミオカンデ建設の際には腕力・ウラワザの限りを尽くして、予算獲得に奔走―ノーベル物理学賞受賞も凄いけど、小柴センセイのこれまでの人生はもっと凄い。いまや伝説の東大卒業式の祝辞と、大学卒業時の成績表を収録。

  • ノーベル物理学賞受賞者の講演緑〜大正末年生まれで軍人の息子だった。父は公職を追放されて,一高から絶対にないだろう東大の物理に進むが,アルバイトが忙しくてビリで卒業したが,先生に願って大学院にも滑り込むことができた。シカゴの大学で学位を取れたのは学位保持者の俸給の高さに惹かれたからだった。宇宙船に含まれるはずのニュートリノを記録しようと工夫をして,滋賀県の神岡鉱山に着目し,地下千メートルに千リットルの純粋な水を入れ,ニュートリノが降ってきた場合,ごく稀に水中の電子をはじいて青白いチェレンコフ光を出す。直径50cmの光電子増倍管で検知する。電子を千倍以上に強めて太陽ニュートリノを検知しようとしたら,超新星爆発が起こり,その到達を観測できた。その設計図は一晩で書き上げたものだが,長年の研究の成果であり,幸運も重なった。十年以上前から物理学賞間違いなしと云われ続けて,ようやく自分の番が回ってきたのだった。ニュートリノに質量があることも分かった〜カミオカンデ・スーパーカミオカンデ・カムランド。もう講演を聴かなくて良いかな。内容が分かるかなあ・・・高校生に。まあ何かノウハウを持っているでしょう

  • あのノーベル賞を受賞された、小柴氏の半生記。特に子供から病弱だったというのには驚き。実は仕事でご近所に行った事がある。
    中身はまだ読んでいないので評価はまだ出来ません。

  • やればできる、というより物理に興味が湧いた。

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著者プロフィール

物理学者、ノーベル物理学賞受賞者

「2014年 『ニュートリノと私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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