やれば、できる。 (新潮文庫 こ 33-1)

著者 :
  • 新潮社
3.60
  • (6)
  • (15)
  • (21)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 115
感想 : 20
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (201ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101070216

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • いつも臨機応変に対応していたのだなと学びが深い。が、内容がちょっと難しかったかな…

  • この本で小柴先生の主張したいことは、きっとこんなことだろう。・自分のような凡庸な成績しか残せない人でも、やればできる・人生では、人とのリレーションが重要である・ノーベル賞を取るような研究においても団体戦である以上、マネージメントが重要・人生は幸運が重要であるが、その幸運をキャッチしなければならない その主張は、ノーベル賞受賞物理学者というよりも企業家。カミオカンデ、スーパー・カミオカンデの施設という日本物理学史上非常に重要な業績を成し遂げたチームのリーダーという実績から考えれば当たり前なのかもしれないが、やはりちょっと意外。この意外性こそがこの人物の偉大さであり、この偉大さが文章を深長なものにしているのだろう。 理系離れが叫ばれている昨今、このような著作が多く出版され、若者のこれ以上のアホ化が食い止められることを願う。

  • 小柴先生はこの本でともかく出会いを重視している.師や弟子,友人とのつながりに本当に感謝している姿が見て取れる.語りかけるような書きっぷりにひきこまれる.

  •  「やれば、できる。」なんて、私も簡単に口にするときがありますが、何しろ相手はノーベル賞ですから、そう簡単な話ではありません。

     筆者の小柴さんがどうしてノーベル賞がとれたのか。天才だから、努力したから、あるいは運がよかったから、いろいろな見方ができると思います。ご本人は、素晴らしい人たちに巡り会えたことを理由にあげています。

     私がこの本を読んだ印象では、小柴さんは、人をひきつける魅力のある方なのだろうなと思います。素晴らしい人との巡り会いも、決して偶然ではなく、ご本人が呼び寄せたものに違いありません。

     人徳などと簡単に言い切ることはできませんが、人も運も、結局は自分で引き寄せるしかないのだなと改めて思いました。

  • 野中郁次郎『経営は哲学なり』では、小柴昌俊の研究哲学を徹底解説!

  • 小柴さんのかわいらしい雰囲気が文章になっていて読みやすい。
    ニュートリノって降ってくるものなんですね。
    先を見据えて努力すればたとえ失敗しても損失は最小限に抑えられるし、努力したという事実の方が価値がある。
    必要以上に萎縮せずに、まず、もっと棟を張って、そして頑張るべき。
    カミオカンデのことも多少わかった気になれます。

  • カミオカンデ、ニュートリノに関しての解説も平易に書かれており、小柴先生の子供の時からのご苦労も記されています。
    苦難を乗り越えて、研究に没頭した先生の人生が伝わってきます。

  • ノーベル賞を受賞した小柴氏のエッセイ集。
    物作りの立場からの視点があれこれ、科学者らしいスタンスからの
    易しい文体で直ぐ読めます。

  • ノーベル物理学賞を受賞した小柴先生の本。2003年。ニュートリノの研究でノーベル賞を受賞したすばらしい経歴を持つ小柴さん、実は小さな頃に小児麻痺を患い、音楽家の夢をあきらめざるをえなかったという。また、学校での成績も優れたものではなく、むしろ下から数えるほうが早かった。優秀ではなかったのですよ、と講演でもお話するようだ。研究に対して真剣に向き合っていることが本書の中から読み取れるが、それ以上に小柴さんが大切にされているのが人との付き合いであることがよくわかる。恩師をはじめとするお世話になった人への感謝や、研究を支えてくれる後輩/カミオカンデの建設を支援してくれた神岡町の方々など、とにかく人への感謝を大切にしているのだと感じた。ノーベル賞の受賞は、小柴さんの人柄にも大きく由来しているのだろう。

  • (2005.11.02読了)(2005.09.23購入)
    2002年にノーベル物理学賞を受賞した、小柴昌俊さんの自伝です。
    「心に夢のタマゴを持とう」(講談社文庫、2002年11月)に較べて余り目新しい事は無いように思いました。付録の「東京大学卒業式祝辞」は、両方共通です。
    ●10月(4頁)
    10月のこの時期は、僕の家で新聞記者の方々と、来るか来ないかわからない電話を待つのがずっと恒例になっていました。1988年から毎年、15回も僕の家に通ってくれた記者さんも多くいました。
    ●中学校で物理を教えた時のテスト問題(48頁)
    「この世の中に、摩擦というものがなくなったらどうなるのか。記せ」
    この設問の正解は「白紙答案」。
    摩擦がなければ鉛筆の先が滑って紙に文字は書けないからです。正解した生徒は三人くらいでしたが、ひょっとするとまるで分からずに途方にくれて白紙で出した生徒も混じっていたかもしれませんね。
    (小柴先生、ひょっとするとじゃなくて、皆さん途方にくれて白紙で出したに決まってるでしょ。)
    ●ニュートリノ(129頁)
    ニュートリノは物質を形作る素粒子の一種で、宇宙の始まり、ビッグバンで大量に生まれたと考えられています。1センチ立方には約300のニュートリノが存在し、宇宙中に満ち満ちているといわれています。電気的に中性(ニュートラル)であるということからの命名で、1930年、オーストリアの物理学者パウリ博士が、はじめてニュートリノの存在を指摘しました。

    専門的なこと、難しい事は、何も書いていないので、分かりやすく、楽しく読めます。

    著者 小柴 昌俊
    1926年9月19日 愛知県豊橋生まれ
    1951年 東京大学理学部物理学科卒業
    1955年 米国ロチェスター大学大学院修了。
    1970年 東京大学理学部教授に就任。
    1987年 停年退官。
    2002年 ノーベル物理学賞受賞。

    ☆関連図書(既読)
    「心に夢のタマゴを持とう」小柴昌俊著、講談社文庫、2002.11.25

    (「BOOK」データベースより)amazon
    中学1年で小児マヒ、音楽家と陸軍幼年学校入学の夢挫折。猛勉の末入学した物理学科の成績ビリ、でもアメリカ留学の夢を勝ち取る。カミオカンデ建設の際には腕力・ウラワザの限りを尽くして、予算獲得に奔走―ノーベル物理学賞受賞も凄いけど、小柴センセイのこれまでの人生はもっと凄い。いまや伝説の東大卒業式の祝辞と、大学卒業時の成績表を収録。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

物理学者、ノーベル物理学賞受賞者

「2014年 『ニュートリノと私』 で使われていた紹介文から引用しています。」

小柴昌俊の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×