戦争の話を聞かせてくれませんか (新潮文庫 さ 56-2)

著者 :
  • 新潮社
3.26
  • (1)
  • (7)
  • (8)
  • (2)
  • (1)
本棚登録 : 38
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (390ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101075228

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • この本は戦後50年目の時にまとめられた。戦争体験のほとんどは語られないまま失われるが、それは体験した人にしたら二度と思い出したくない過去でもあるから。この本で語られた体験はもちろんどれもが悲惨なもので、到底言葉では言い表すことができない悲惨な出来事を語ってくれた体験者の方々に深く感謝したい。

    特に書き留めておきたい言葉を一つ。「ただの若造だったのが、頭を撃ち抜かれたり、腹を切り裂かれたりした死体を見たとたんに別人になる。だから戦争は頭で反対していたって、いったん起こったらもうとめどなくなるんです。鬼になる。心の底から敵が憎いと思う。(P299)」

    理性が一瞬で消え失せるのは人の本能が残虐さを含んでいるから。しかし同時にそれを回避して助け合い、生かし合う知恵も有していると信じたい。同じ過ちを繰り返しながらもこれまで人類が存続できた事実にフォーカスしたい。その歩みの中に必ず救いがあるはずだから。

  • 勉強になります。

  • <b> 飛行機に乗って爆撃に参加していた時には、人間の顔は見えなかった。接近してくるのは敵の戦闘機だから、戦うのが当り前です。ところが、この地球儀を見て、私は日本人がどれほど憎まれているかということを思い知らされたんです。</b><br>
    (P.112)

  • 戦争はドコドコの国がどれだけの犠牲を払い、ドコドコの国に勝った。という話ではない、実際に殺し合いをし、殺されていった人たちがソコにはいて、この視点こそが実際に知らなければならない。戦争の悲惨さは彼らが一番知っているから。

全5件中 1 - 5件を表示

佐賀純一の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×