- Amazon.co.jp ・本 (313ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101077215
感想・レビュー・書評
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「湯口事件」のルポ。背負ってきた期待と、現実の狭間に起こった巨人ドラ1選手の悲劇。もちろんその壁を破ってこそ一流という見方もあるが、どんな組織でも起こりうるプレッシャーと締めつけのメカニズムかも。
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昔出版された分と差異があるなら「読みたい」のだが。
違わないのなら、昔の分で読んでるからいいか。 -
20年前くらゐまでは、日本の男どもは皆プロ野球に夢中になつてゐたものであります。なかでも読売ジャイアンツなる球団は常勝ティームで、抜群の人気を誇つてゐました。巨人・大鵬・卵焼き。
同時にこの球団は常勝を義務付けられてゐた(わけでもないけど、皆そんなふうに捉えてゐた)ので、勝つためにはなりふり構はず何でもやる、といふ面もございます。古くは別所引抜き事件なんてのもありました。そんなこんなで「アンチ巨人」といふ一派もあります。
『巨人軍に葬られた男たち』は、まづ前半が「あるドラフト一位投手の死」。湯口事件の湯口敏彦を中心に、難波昭二郎・小坂敏彦・大北敏博といつた人たちを取り上げてゐますが、「巨人軍に葬られた」といふのは少しおほげさな気がします。
湯口事件については私はほとんど知るところではなく、何となく「自殺した巨人の投手」くらゐの認識でありました。本書を読めば分かりますが、もちろん自殺ではなかつたのです。しかし多くの人が自殺だと思つてゐるらしいのです。確かに謎の多い死ではありますが。明らかにジャイアンツが間違つたのは、うつ病が完治しない状態で練習に復帰させたこと。そして死後の川上哲治監督のコメント。この発言は、無知・偏見・驕り・責任転嫁・自己保身がすべて詰まつた、リーダーにあるまじき内容でした。おそらくこれにより、湯口投手の被害者性が喧伝されたと見ます。著者の思ひ入れが詰まつた、力作ルポと申せませう。
個人的には、難波選手に対する仕打ちが非道であると思ひました。中日入団がほぼ決まつてゐた難波選手を強引に説き伏せ、巨人に入団するよう工作するスカウト。ところが六大学のスタア長島茂雄の入団が決まるや、もう君は必要ないから巨人に来なくてもいいよと突き放す。恐ろしい世界。
後半はスーパースタア・王貞治監督の苦悩を描いた「スーパースターの涙」。
巨人軍の歴史を見ますと、王貞治といふ人は文句なく最高レベルの貢献者でせう。さういふ人に対してさへ、かかる仕打ちを平気でする球団。著者でなくても怒りがわいてくるものです。
人格者の王さんは、誤解による非難やいはれなき中傷にも黙つて耐へたのです。詳しくは本書を読んでみて。
読後思ひました。これらは、はたして昔話か? より巧妙な形で今でも行はれてゐないだらうかと。
すでに「球界の盟主」とはいへない巨人軍ですが、積年の体質といふものはさう簡単に変るものではないと感じます。杞憂ですか。
プロ球界に少しでも興味のある人なら、一気読みするでせう。著者の語りつぷりも、熱い。
http://genjigawakusin.blog10.fc2.com/blog-entry-169.html -
03.8.14
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最近古本屋で買って読んだ本。
古〜い時代の巨人軍のダークな内情について書かれている、著者の勇気を感じる本。
実在した選手達の色々なエピソード交えながら、ある1人の有望な選手が20の若さで亡くなった悲しいエピソードについて詳しく書かれています。
とっても切なくなりましたねぇ・・・そして、巨人軍ってなんなの?!いったいナンボのもんじゃい!!と思ってしまう。
戦後の封建的な時代背景もあるでしょうが巨人軍がお金にモノを言わせて間違った事をしてきた事は事実。
こんな犠牲の元に、プロ野球選手の色々な事が改善されてきたのでしょうね。
実力次第の厳しい世界ですが、今の時代の人達は幸せだぁ・・と感じます。
まぁ・・・ね、巨人嫌いの人が読んだら、ますます巨人が嫌いになる事間違いなしでしょうね・・・
大昔の出来事として読むことをお勧めします。 -
(文庫 - 2003/2)
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読売の体質は昔から変わらん、ちゅーことですかな。湯口選手が亡くなった時の川上監督のコメントには言葉が出ません。
「巨人こそ大被害を被った。大金を投じ年月をかけて愛情を注いだ選手。せめてもの救いは、女を乗せての交通事故でなかった事だ」
この発言が本当なら、決して彼は神様などと崇められる人物ではない。まあ、書いてあることを鵜呑みにするわけにもいきませんがね。
ちなみに、この本を読むまで、湯口選手は自殺したのだと思いこんでいました。申し訳ありません。 -
2005/10/16 再読
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『息子は巨人軍に殺されたんだ!』
読売ジャイアンツの栄光の陰に、人知れず葬られた人たちが居た。果たしてあの時の巨人軍は何をしたのか? アンチでもファンでも呼んでおくべき一冊です。