蟹工船・党生活者 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101084015

感想・レビュー・書評

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  • 「この時代に生まれていなくて良かった…」が読後の感想。

  • プロレタリア文学の代表作。

    行き過ぎた資本主義への抑制、という観点では、現代社会においても、共感できるところ、学ぶべきところはあるのだろう。
    最後に監督が解雇され、自分もまた大きな社会構造の歯車でしかないことに気づかされる。
    厳しい労働環境を具体的に描く一方、この終わり方を以って社会構造全体の問題として提起することの効果はあるのだと思う。(文中にも、そのようなことは触れられているが)

    小林多喜二自身は、国家権力に抹殺されたわけでが、この作品が今なお読み続けられているということは、イエスキリストではないが、殉教者として将来への影響を却って大きくしているのだろう。

  • 蟹工船めちゃくちゃ面白かったです。
    価値のある高い船が難破してた時、監督が船を引き上げてその船の番号を書き換える(番号が若いと価値が高くなる)?シーンがまるで今話題のビッグ○ーターの不祥事みたいだなと思いました。

  • いつの時代でも社会に与える影響は不変。
    読むタイミングによって感想が大きく異なると思う。
    現代日本の物価高や賃金の上がらなさ、将来への見通しの無さに端を発する不満や暗い雰囲気は、世情は全く違えど蟹工船の時代から一周したのかと思うほど。
    現代の20代が読んだら共感する人も多いのではないかと思う。

  • カニ光線

    中学生の頃恥ずかしながらカニ光線だと思っていた。それから15年経て、読んでみた。

    気付き
    ・搾取されないために勉強は必要
    ・何も考えずに仕事をしていてはいけない
    ・共産主義の良い面の影響
    ・日本を築いた先人達に感謝したい

    汚い、重い、辛い、の三拍子揃った本だが、自然とスラスラいける。骨太の映画を観たあとのような達成感がある。
    労働する人全員に読んでほしい。

  • 日本史で小林多喜二の名前をした時からずーっと読みたくて、でもいつも本屋さんに行くと違う本を買っていて…ようやく読めた蟹工船!!!

    シンプルに、両作品ともめっちゃめちゃ興味深いし奥深い。プロレタリア文学にハマりそう

  • 正に近年の日本。
    もうすぐ衆院選だが、選挙の大切さを身に染みた。
    国や周りを変えるのは己とその組織。
    資本主義が世界で崩壊されつつある今こそ読んで良かったと思った。
    一時期に確かこの本はかなり売れ行きが尋常ではない時期があり、これは「ブラック企業」が出始めた頃だったように記憶している。
    声を上げることの大切さ。
    その資格は選挙にあると考えている。

  • ひたすらにえげつない。監督にボコボコにされた漁夫が恨みを晴らすため監督の部屋に殴り込んで部屋をめちゃくちゃに壊したが、監督だけはどういうわけか居なくて監督だけは壊せなかったという場面が特に印象的だった。いつの時代も損をするのは末端の人間で、上の人間は何かあったら尻切れトンボのように逃げていく。この時代の労働者が共産主義に憧れたことは必然だったのだなと思った。

  • 方便・独特な文体であるが、読点を細かく入れ読むやすい文章だった。
    「蟹工船」は、人間を人間と扱わない残酷な環境で、自分には刺激的であった。凄かった。

  • 深いです。

    読み終わったあともしばらく引きずりました。
    こういう時代もあったので、資本主義がいいとも言えません。
    複雑です。

著者プロフィール

1903年秋田県生まれ。小樽高商を卒業後、拓銀に勤務。志賀直哉に傾倒してリアリズムの手法を学び、28年『一九二八年三月一五日』を、29年『蟹工船』を発表してプロレタリア文学の旗手として注目される。1933年2月20日、特高警察に逮捕され、築地警察署内で拷問により獄中死。

「2008年 『蟹工船・党生活者』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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