夢魔の標的 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 326
感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101098135

感想・レビュー・書評

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  • 面白かった…!
    長編でもさらさらとした無駄のない文体であり、想像力掻き立てる設定。この無駄のない文体が本当に心地いい。ショートショートでは出てこない固有名詞が登場するという新鮮さもあった。固有名詞を使っているのにどことなく漂う匿名感みたいなものも感じた。やっぱり星新一はすごいなと改めて思った。

    腹話術師の人形が、腹話術師の口を借りて喋りだすという設定が星新一らしいし、それだけでも面白い。人形が勝手に喋るのではなく、当人の口を借りて喋りだすので、その当人は自分の異常に混乱していくというのがすごく面白かった。
    すごく内面的なのに実際身の回りでおかしなことが起こるという不気味さが心地よかった。
    久しぶりに星新一作品を読んだけど、やっぱり最高に好きだ。

  • クルコちゃんの素直さ。
    なんの計画が進んでいたやら、わからずじまいながら、相変わらず巧みな比喩に陶酔。

  • 読書録「夢魔の標的」4

    著者 星新一
    出版 新潮社

    P109より引用
    “他人にとっては、単なる人形だが、私にとっては必要欠くべか
    らざる商売道具なのだ。”

     腹話術師を主人公とした、長編SF小説。
     少し気持ちに不安感をかかえ、易者の前に座った主人公。しか
    し、易者は上手く占うことが出来ず、主人公に話し続けることが
    出来ないのだった…。

     上記の引用は、人とぶつかりかばんを持ち逃げされた場面での
    一文。その人にとって何が大切であること言うのは、千差万別の
    のだから、どんなに大した事がなさそうなものであっても、ぞん
    ざいに扱ってはいけないように思います。
     人前で何かを演じるという事を職業にするのも、なかなか大変
    そうですね。人混みでさえ好きではない私には、きっと務まらな
    いでしょうね。

    ーーーーー

  • 今まで私は、ショートショートしか知らなかった星新一の長編SF。

    前半の引き込まれ感から、終わり近くの疾走感が良かった。

    ただ、結末の展開は、ちょびっと物足りなかったなぁ。
    もう少し、クルコちゃんの存在を明確にしてほしかったかなと…。

    でも、全体的にとても読みやすい。

  • ショートショートが有名だが私は長編もオススメしたい。ショートショートでは味わえない、何が現実なのか、何が幻想なのか、判別のつかない不可思議な世界にじわじわと惹きこまれていく。この作品も全てが幻想と切ることも出来るのだが、そうしたくない魅力がある。

  • 何かもぞもぞ気になるか感じだが、最後まではっきりしない

  • 小学校6年生のとき、駅のキオスクでたまたま買って、すっかり星新一ワールドのとりこになったきっかけの本。数日前、なぜか無性に読みたくなって、Amazonで中古を購入、現在は絶版のようだ。
    星新一の数少ない長編のひとつでいま読み直しても純粋に面白い。

  • 中学の朝読書で読んでから
    たまに読み返す。

    初めて読んだ時は怖くてしかたない
    っていう感じやったのが
    だんだん面白くなってくる。

    ショートショートも好きやけど
    長編もいい。

  • 小学校5年生の時に読んだ記憶がある。それ以前に星新一氏の作品は数冊読んでいたので軽い気持ちで読み始めたのだが…長編且つ難解なストーリー展開。そして、当時の自分にとっては夜うなされるほど怖かった(笑)10年以上経った今、もう一度読み直して星ワールドを新たな視点から捉えてみたい。

  • 初めて星新一の長編を読んだ。これは難しい内容だった。やはり、星新一はすごいのだと思った。SF作家の王様か!?

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著者プロフィール

1926 - 1997。SF作家。生涯にわたり膨大な量の質の高い掌編小説を書き続けたことから「ショートショートの神様」とも称された。日本SFの草創期から執筆活動を行っており、日本SF作家クラブの初代会長を務めた。1968年に『妄想銀行』で日本推理作家協会賞を受賞。また、1998年には日本SF大賞特別賞を受賞している。

「2023年 『不思議の国の猫たち』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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