ならぬ堪忍 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 22
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101134611

感想・レビュー・書評

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  • 戦前の作品を集めた短編集とのことだが
    どの作品も「ならぬ堪忍」なところが見え隠れしているので
    そういった趣旨で集めたのかと思った。

    耐え忍んだところで、あえて静かに怒りを爆発させるところがメチャメチャかっこいい。
    読み終えて、天晴れ!と言わずにはいられない作品が多かった。

    ベスト3をあげるなら、これかなぁ・・・
    ・五十三右衛門
    ・千本仕合
    ・宗近新八郎

    ---作品一覧---
    白魚橋の仇討
    新三郎母子
    悪伝七
    津山の鬼吹雪
    浪人走馬灯
    五十三右衛門
    千本仕合
    宗近新八郎
    米の武士道
    湖畔の人々

    ならぬ堪忍
    鴉片のパイプ(これだけ江戸時代ではなく現代)

  • 名誉を傷つけられ「我慢できねえ!ぶっ殺す!」といきり立つ、将来のある若者。
    キレやすい人に是非。
    その他盛りだくさんの短編集。

  • 江戸時代が舞台のお話しですが、今でも充分心に響くですよ。

    読みやすいのに、読んだ後に何やら1段心の階段を上った感じがするです。

    これこれ。せっかく読むなら、こういうのがいいですな。

  • ★3.5かなぁ、どの作品にも起伏がしっかりついていて読みやすい。
    戦前の短編集ということですが、表題作の発表時期を考え合わせるとこの作家の心根はどこにあるか?は想像するに難くなく。

  • 時代物を主とした短編集。必ずしも読後感がすっきりするものばかりではなく、その理不尽さに対して考えさせられるものもあった。

    表題作が比較的短い話の分、伝わってくるものが強い印象。戦時中に作られた話というのも納得できる一方で、現代にも通じる寓話にもなる。

  • 山本周五郎の前期作品集
    発表順に収録されていて、最初の1,2作は「ふーん山本周五郎が昔書いたやつか~」という以上の面白みは…ない… 3作目あたりからおなじみの山周的ストーリー構成になっていると思う
    だいたい武士の話で出てくる主人公ほぼイケメン、ヒロインは美女!いや、いいんだけどさ…

  • 時代背景もあるのでしょうが、軍国主義/葉隠れ武士道の匂い濃い作品群です。
    まだ文体も固まって無い。ストーリーが直截的で含みが無い。言い立てれば多くの欠点があります。それも晩年の周五郎作品を知っているせいでしょう。この人は晩年になるほど良くなって行った人ですから。時代背景と周五郎と言う名を差し引いてこの短編集を見れば、飽かずに一気に読み通せ、そこそこの出来なのだと思います

  • L

    山本周五郎作品短編集
    さすが。渋い、重い、艶やか、憂い、全部詰まってる。短編なのが勿体無い。短編だからこその凝縮度合いなのかもしれないが。

  • 数年前、先輩に勧められていた山本周五郎の作品を初めて読んだ。戦前の13の短編集だが、どれも凛とした生き様を描いた作品ばかりで、読後感はスッキリ。なかでも、「新三郎母子」が良かった。これからも、好きな作家として多数の作品を読んでいきたい。

  • 戦前に書かれた短篇集。なかなか面白い。
    「新三郎母子」「浪人走馬灯」「千本仕合」「宗近新八郎」「米の武士道」「鏡」あたりが面白かった。
    逆に表題作は今ひとつ。

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著者プロフィール

山本周五郎(やまもと しゅうごろう)=1903年山梨県生まれ。1967年没。本名、清水三十六(しみず さとむ)。小学校卒業後、質店の山本周五郎商店に徒弟として住み込む(筆名はこれに由来)。雑誌記者などを経て、1926年「須磨寺付近」で文壇に登場。庶民の立場から武士の苦衷や市井人の哀感を描いた時代小説、歴史小説などを発表。1943年、『日本婦道記』が上半期の直木賞に推されたが受賞を固辞。『樅ノ木は残った』『赤ひげ診療譚』『青べか物語』など、とくに晩年多くの傑作を発表し、高く評価された。 

解説:新船海三郎(しんふね かいさぶろう)=1947年生まれ。日本民主主義文学会会員、日本文芸家協会会員。著書に『歴史の道程と文学』『史観と文学のあいだ』『作家への飛躍』『藤澤周平 志たかく情あつく』『不同調の音色 安岡章太郎私論』『戦争は殺すことから始まった 日本文学と加害の諸相』『日々是好読』、インタビュー集『わが文学の原風景』など。

「2023年 『山本周五郎 ユーモア小説集』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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