覇王の家 (新潮文庫 し 9-25)

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  • Amazon.co.jp ・本 (567ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101152257

感想・レビュー・書評

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  • いつもの事ながら、司馬遼太郎さんにかかると歴史上の人物が見事に再構成されて行きます。
    色々なエピソードの中からその人の性格をあぶり出し、そうして出来た人物像を歴史の中で動かす。悪く言えば「見てきたような嘘」なのでしょうが、それを読者に納得させてしまうのが司馬さんの力量です。
    ただ家康という、どちらかといえば地味で面白みの少ない人物を主人公にした為もあるのでしょう、余り筆が弾まない感じもします

  • 再読、★2.5。
    ここまでくると作家の怨念ですな。本作再読の直前に読んだ『新説太閤記』と合わせて作家にとって都合の良い部分を切り取っての世界構築。まぁこの作家、生粋の小説の作り手とは思えないからこれはこれでありなんだろうけれども、流石にここまでくると悪意めいたものを感じますね、当方は。
    徳川にも与しないけれども、司馬遼史観にも疑いの眼を向けてますんで評価はこうなります、必然の結果として。

  • 関ヶ原読了後こちらに。ただの時代小説でなく今の日本イズムの始祖に触れたような感が残る本でした。何百年も前の話にも関わらず、出てくる人々の奥底に眠る思いや動機的なものを丁寧に書かれていて、こういう文が人を飲み込ませるんだなと思わされました。

  • 家康って、今までそんなに興味がなかった
    英雄感がなかったし、狸親父とか言われてたりして魅力的な物語になりそうにない印象
    今作も確かにそんな趣だが、ケチなところや、自分の健康を自分で気をつけていたところ(スポーツをしたり、医学を独学したり、遊女に手を出さずに性病予防をしたり笑)なかなかに親近感がわきました。
    ただ、この本では関ヶ原の戦いはまるっと飛ばされていて驚きました。
    小牧・長久手の戦いが長かったー。

  • 信長や秀吉に比べ家康は人気がない、とよく聞きます。おそらく、あまりに神聖化され過ぎているからではないか、と思います。「覇王の家」を読めば家康の「泥臭い人間らしさ」を知ることができます。

  • 吝嗇家。三河人は気宇が小さく実直。

  • 信長、秀吉と比べて、家康のエピソードはあまり知らなかったので、いろいろと知れて面白かった。

  • 徳川家康とその周りの武将の話。三河者の特性と尾張以西の文化の違いが歴史にどう映っているか。おもしろい。ただ、ストーリー以外の脱線が結構多い。。

  • 徳川家康の話。
    小牧・長久手の戦いが中心。
    司馬遼太郎はアンチ家康といわれたりするが、そんなことはないと思う。
    普通にいいところはいいと書いてると思う。

  • 主に三方ヶ原の戦いから小牧・長久手の戦いまで。家康の心理、状況把握、立廻りの描写が、まるで政治ショーのようで素晴らしい。本能寺の変以後の主に秀吉との駆け引きが秀逸。

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著者プロフィール

司馬遼太郎(1923-1996)小説家。作家。評論家。大阪市生れ。大阪外語学校蒙古語科卒。産経新聞文化部に勤めていた1960(昭和35)年、『梟の城』で直木賞受賞。以後、歴史小説を次々に発表。1966年に『竜馬がゆく』『国盗り物語』で菊池寛賞受賞。ほかの受賞作も多数。1993(平成5)年に文化勲章受章。“司馬史観”とよばれ独自の歴史の見方が大きな影響を及ぼした。『街道をゆく』の連載半ばで急逝。享年72。『司馬遼太郎全集』(全68巻)がある。

「2020年 『シベリア記 遙かなる旅の原点』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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