操縦不能 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (348ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101160436

感想・レビュー・書評

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  • スタティックの異常で操縦不能になるという専門的な内容ですが、理解不能ではありませんでした。

  • 素人には馴染みのない単語が続くのにきちんと読める、というのはなかなかに凄い。話としてはストレートなのだが、飛行機好きとしては楽しめた。
    残りページ数から展開がみえるメインパートより、ある意味第一部のウィーン便の緊迫感の方が好きかも。

  • 操縦不能 (新潮文庫)

  • 飛行機の故障によって、飛行機がコントロールできなくなる
    ということは、あり得る話である。
    どうやったら、その故障を 故意に行なって、
    その故意性を、隠蔽するか と言うことが重要だ。
    ある意味では、空飛ぶ 密室殺人事件のようなものだ。

    大気の圧力を測るスタティック孔(static hole 静圧孔)を塞ぐことで、
    操縦不能となると言うことが、この物語の鍵を握る。
    スタティック孔が、塞がれることで、計器のデータが狂ってしまう。
    つまり、飛行機の状況把握ができなくなり、
    コンピュータの故障と理解して、違った操作をしてしまうことで、
    失速して、墜落する。

    女性パイロット1号になる予定だった ノゾミは、
    空間識失調(バーティゴ)になる恐れをもっていた。
    そのために、優秀な成績を収めたが、パイロットになれず、
    事故の調査分析のシゴトをしていた。

    2人の機長とひとりの副機長のうち 機長二人が原因不明の病気にかかり
    副機長の江波が ひとりで ワシントンまで飛ぶのを日本にもどることに変更した。
    そして、操縦不能となった時に、ノゾミが 操縦不能の原因を推定して、
    江波と連絡し、そして、シュミレーターで、その操縦のアドバイスをする。
    幾度も危機に陥りながらも 危機を切り抜けていく ノゾミと江波。
    最後は ノゾミの教官だった 滝内の誘導によって、無事着陸をする。
    その展開が 実にスリリングで、ノゾミの中での葛藤の描写がすごい。

    実におもしろく、一気に 読み切ることができた。

  • 内容紹介

    北朝鮮からの亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため遅れて離陸した。その直後、機長二人が倒れ、コクピットには副操縦士の江波だけが残された。そして墜落の危機が訪れる。速度と高度を示す計器がなぜか狂いはじめたのだ。万策尽きた江波に、救いの女神が現れる。元訓練生の岡本望美が、地上のシミュレーターで“一緒に飛ぶ"というのだ。最も危険な夜間飛行が、いま始まる。

    内容(「BOOK」データベースより)

    北朝鮮からの亡命者を乗せたワシントン行き002便は、大雪のため遅れて離陸した。その直後、機長二人が倒れ、コクピットには副操縦士の江波だけが残された。そして墜落の危機が訪れる。速度と高度を示す計器がなぜか狂いはじめたのだ。万策尽きた江波に、救いの女神が現れる。元訓練生の岡本望美が、地上のシミュレーターで“一緒に飛ぶ”というのだ。最も危険な夜間飛行が、いま始まる。

    内容(「MARC」データベースより)

    太平洋上で突如コントロール不能になったジャンボ。墜落まで30分という時、「このシミュレーターからあなたの機を操縦する」という無線が。考えもしなかった方法にパイロットはすがるが…。現役機長が描く航空サスペンス。 --このテキストは、単行本版に関連付けられています。

    著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)

    内田幹樹
    東京都生れ。1965(昭和40)年、航空会社入社。ボーイング747‐400などの機長として国内線、国際線に乗務。その間十数年にわたり、操縦教官としてライン・パイロットの教育にあたった。’97年(平成9)年、処女長編小説『パイロット・イン・コマンド』でサントリーミステリー大賞優秀作品賞受賞。プロのパイロットが書いた本格航空小説、と高い評価を受けた。小説の一方、その経験を生かしたエッセイも手がけ、『機長からアナウンス』『機長からアナウンス第2便』は、ともにベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

  • 操縦不能になった機体を救うのは誰か?という手に汗握る話。
    毎度おなじみ不運なパイロット江波のキャラクターが好き。
    なんというか、ダイ・ハードのマクレーン刑事チックな感じがします。

  • 文句なしにおもしろい・・・

    ディテイルが臨場感を盛り上げ、ぐいぐい引き込まれます。

    知人の機長さんに聞いたら、計測器が故障すると操縦は極めて難しらしく、本書のとおりピッチ頼りの操縦になるとのこと・・・
    なるほど機長である著者の面目躍如である。

  • これは・・・プロローグは意味あるのか?プロローグで書かれていることは、最後まで読んでも意味不明。
    冒頭の3,40ページまでは、「面白くなりそうだな!」とワクワクしながら読んだが、その後がいただけない。
    亡命者を消そうとする謎のパイロット(テロリスト?)だの警察関係者だの地上での描写が多い。同じ作者の「査察機長」を読んで期待していただけに残念。
    着陸させる場面は、そこそこ楽しめるけど・・・それだけ。
    テロリストやら警察関係者なんかが出てきたわりに、ラストでも操縦不能の原因や、そこにいたる動機が明らかにされないのは消化不良。悪が逃げ切れるっていう展開も好きじゃない。

    航空会社のパイロットが大変な仕事だってのは伝わってくるけど・・・。「査察機長」のほうが後味も良い。
    こちらは☆2個。

  • 文体がやたらおっさん臭くて、女性の描かれ方もイラっとさせられるばかり。
    専門用語は群を成してやってくるのに、それに対する説明は一切ない。
    なんという内輪向けの作品なんだろうと思った。
    けれど終盤テンポがよくなるに連れて作品に引き込まれた。
    全体としての評価は低くならざるを得ないが、その方向の興味があればおもしろかっただろうな、とは思う。

  • インシデント(近事故),アクシデント(事故),空間識失調(パーティゴ)などの用語の意味がよくわかる。
    模擬試験(シミュレータ)での訓練の精密さがしみじみと分かった。
    視界が閉ざされた状況までも再現できるとは。
    そして,実物の壊れた計器の代わりを、模擬試験の計器が果たそうとは。

    現場を知っている人でなければ書けない現実味。

    航空宇宙のソフトをおろそかにしてはいけないという教訓。

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