わが友マキアヴェッリ 3 (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181400

感想・レビュー・書評

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  • 最終巻フィレンツェ書記官を罷免され、君主論、政略論の著述や喜劇作家としての期間。友人との往復書簡等を通じて、非常にマキャベリを魅力的に書いています。解説が佐藤優氏というのが、マキャベリと佐藤氏の境遇があまりに似ているため笑えます。

  • 「君主論」とか「マキャヴェリズム」とか、かたくて難しくて全然読む気になれないと思ってたけれど、マキャベリは親しみのもてるオッサンだったし、チェーザレを読んだ後だと君主論もすごく読みたくなった。

  • 読了

  • やっぱり面白かった

  • 学生時代から読み続けてるので、塩野七生さんだから読み始めました。塩野七生さんのマキアヴェッリへの愛情が溢れる分、ちょっと読みにくい感じでした。
    でも私は塩野七生さんもマキアヴェッリもかっこいいです。

  • マキャヴェッリの名前すら知らなかったのに、祖父の書斎に並んであった「君主論」をなんとなしに手をとったのは中学か高校の頃だったと思う。

    そのとき読んだのは背表紙にあるあらすじだけだった。「権謀術数」、「目的達成のためには手段を選ばないマキャベリズム」、そういった言葉だけが残り、それがそのまま私のマキャヴェッリという歴史上の人物のイメージとなっていた。

    彼の思想を一言に要約すると確かに「権謀術数」という言葉が最も近いのだろう。けれども、「権謀術数」という言葉があまりにも冷酷な響きを持つ強烈な言葉であるために、浅薄な知識しか持たない私は、マキャヴェッリを誤解してきたのだと思う。マキャヴェッリの著作を一冊も読んだことのない私に彼の思想を論じる資格はない。けれども、彼の思想が「権謀術数」という言葉に要約される過程でそぎ落とされたもの、つまり彼の思想の理論的裏付け、彼の生きた時代背景や書記官としての政治的体験などを知ることなしにマキャベリズムという思想は理解できないのではないか、とこの本を読んで感じた。また、彼の政治思想は毒性が強く、わずかな調合ミスでも身を滅ぼしかねない種のものであり、高度な政治の技術(アルテ)なしには使いこなすことのできないものであるとも思う。現に、マキャヴェッリの若き弟子たちは、ジュリオ・デ・メディチ枢機卿暗殺を計画するも失敗、2人は斬首刑、命の助かった陰謀参加者もフランスに逃亡、財産没収刑に処せられている(3巻、p93~102)。

    彼の思想は宿命的に誤解されやすく、それゆえに人間としても後世の人々に誤解されやすい。「権謀術数」という言葉に引きずられ、「冷酷」というイメージの付きまとう、そんな歴史上の人物を、“学者とちがって自分の眼前に情景が浮かんでこないと承知しない” (3巻、p64)という塩野氏らしく、血の通った、生きているマキャヴェッリの描写に成功し、彼の人間的な魅力を余すところなく読者に伝えている。あとがきが政争に敗れた元外務官で作家の佐藤優氏であるのも面白い。あとがきを書く人を誰が決めるのか知らないが、マキャヴェッリを連想させるような経験を今の時代にした佐藤氏が書くことによって、時間軸を超えた親近感をマキャヴェッリに感じることができる。

    まったく、マキャヴェッリは21世紀に塩野七生氏という、大変良き「友」を得たものだと感心する。

  • 三巻の読後感は、ちょっとした山を登り終えた感じだった。マキャベリの君主論には随分前から興味を持っていたが、当時のヨーロッパ史について疎い私にとってはそれなりしんどい作業であった。それでも読み終えて爽やかな気持ちになれたのは、冷たいイメージのあったマキャベリが、至極人間臭く感じられたからだった。またしばらくして読み返したいシリーズでした。

  • 11/9/4
    メディチ家が再びフィレンツェで権力を握り、マキアヴェッリは官僚を辞めさせられる。君主論執筆。ドイツ・スペイン対フランス。コニャック同盟でイタリア同盟軍はフランス側に。外交上の不手際でイタリアがスペイン軍の戦場に。イタリア同盟軍は法王クレメンテ7世の無能さもあり、戦わずしてローマは占領される。ローマ略奪。法王とスペイン王カルロスとの講話によりイタリア半島はスペインのものに。
    上層部の無能さが本当に国を滅ぼす事を実感。恐ろしい。

  • なるほど。波瀾万丈な訳ですな。
    マキアヴェッエリ。。

  • 色々と祖国のために動いても、最終的にはマキャベリの思惑通りには進まない状況になっていく姿が悲しかった。
    「この墓の下に、彼の骨はない。」という一文がより深い感慨を抱いてしまいました。

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