ローマ人の物語 (19) 悪名高き皇帝たち(3) (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101181691

感想・レビュー・書評

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  • ゲルマニクスの弟クラウディウスのお話し。
    悪くないけどなんかかっこ悪い人で少し残念。
    4、ティベリウス・クラウディウス・カエサル・アウグストゥス・ゲルマニクス

  • クラウディウスという皇帝は全く知らなかったが、こういう人がいたからこそローマの帝政は続いたのだろうなと思う。恐らく普通に誠意ある仕事をした人なのだろう。だけど、カエサルとアウグストゥスという2人の存在は大きすぎたし、仕事も人心術にもたけていた。同僚にいたら、頼りになることだろう。だが、彼の仕事は皇帝。妻のことまでは管理できなかった、では済まない。普通に仕事のできるいい人が皇帝になるということの悲劇さ。それにしても、家庭は大切。どの皇帝も家庭生活に恵まれていないのは悲しいことだ。読んでいて、かわいそうになってくる。
    次はネロの番。さて、どうなることやら。

  • 20巻に記載

  • 悪妻2連続で面白かった

  • 3代皇帝カリグラが暗殺された後に歴史学者だったクラウディウスが4代皇帝となった紀元41年から、クラウディウスが妻であるアグリッピーナに毒殺される54年までを扱う。

  • 皇帝クラウディウスの統治

    五〇歳まで歴史研究家だったクラウディウス。
    カリグラ暗殺後に突然、皇帝に即位する。
    先帝の、内政(特に財政)・外政面(北アフリカとユダヤ)における負の遺産を処理し、皇帝統治の信頼回復を目指す。

    それ以外にも、安全保障のためのブリタニア遠征や、解放奴隷を登用した秘書官システム(現在でいう官僚制度)の構築、国勢調査の実施や公共郵便制度の拡充と民間への開放、クラウディウス港やクラウディウス水道橋(起工はカリグラ)といった公共事業、北ガリア属州民への元老院の議席解放とそれに伴う奴隷解放規制法施行といった、多くの業績を残した。

    しかし妻には恵まれず、メッサリーナやアグリッピーナといった悪妻にいいように利用されてしまう。
    最後は(おそらく妻に)毒殺され、アグリッピーナの連れ子である、あのネロが次の皇帝に即位する。

  • カリグラの叔父で、50歳で皇位に就くことになったクラウディウスの巻。
    クラウディウスは歴史家ということもあって、学者肌だったのかな。真面目で仕事もできる人だったんだと思うけど、ずいぶんと年下の奥さんに弱腰すぎるというか、押し切られすぎなのが残念。悪妻とされるメッサリーナはただ欲に任せて好き放題って感じだけど、ネロの母親である小アグリッピーナはやり手っぽくて悪妻でもタイプが違う。
    小アグリッピーナは次巻でたくさん出てくるだろうし、皇帝ネロも有名なので、次巻も楽しみ。

  • カリグラとネロは悪名高きって感じだけどクラウディウスは、そうでもない感じがします。悪いのは奥さんですよね。

  • 真面目ではあるんだがなあ。カリグラの後始末もしたんだがなあ。妻にも民衆にも軽視されて、気の毒なような。それにしても小アグリッピーナは、見事と言ってはあまりに不謹慎だが、すごいなー。泳ぎうま過ぎるし、毒キノコとはね、思わず口をあんぐり。

  • 行き当たりばったりの人気取り政策ばかりを行った挙句、財政と外交を破綻させ、近衛兵に暗殺されたカリグラに変わって帝位を継いだのは、彼のおじであるクラウディウス。
    50歳になるまで、一族の中でも目立たず、歴史家として執筆活動にいそしんでいたクラウディウスは、しかしカエサルやアウグストゥス、ティベリウスの政策の意味を知り、カリグラ以前のローマに戻すことに成功した。

    けれど、彼もまた悪帝とされているのだ。

    まず第一に彼は人気がない。
    病弱で、顔も体躯もパッとしないクラウディウスはまず見た目で人気が取れない。
    いや、見た目よりも実績やろ、とかばってあげようと思いましたが、やっぱり彼は悪帝だった。

    というのも、奥さんに対する態度が悪い。
    コミュニケーションがとにかく苦手なんでしょうね。
    ワーワーギャーギャー言われたら、何も考えずに「そうせい、そうせい」って許す。←長州藩の殿さま?
    奥さんが気に入らない人を訴えたり、死刑を望んだりしてギャーギャー言うと、ろくすっぽ書類に目を通さずに死刑執行命令書などにサインしちゃう。
    これはあかん。

    奥さんの好き嫌いと、国にとっての重要度を秤にかけて奥さんの方を優先するって、あり得ない。
    だからと言って愛妻家なわけでもない。
    多分奥さんをほったらかしにしているという負い目が、そういうことをさせたのではないかというのは、甘すぎるか。

    それだけなのよ、彼の皇帝としての欠落は。
    でも結局それが彼の命を奪ってしまった。
    奥さんに暗殺された彼は、連れ子のネロにその座を奪われてしまう。
    自業自得と言えばそうだけど、あまりにも大きい代償だった。

    そしてクラウディウスの後を継いだ17歳のネロに対するローマ市民の喝采。
    カリグラで懲りなかったんかい!って思ったわ。
    皇帝は人気商売ではないことを、いつ民衆は気がつくのでしょうか。

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