- Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101191201
感想・レビュー・書評
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舞衣子のような女性に一度は憧れる女性は少なくないのではないかな。私は憧れたことがある。
自分の持って生まれた美しさを利用して何が悪い。そこに対して、虚しい女、や、無価値な女というように非難されるのはおかしいと思う。それはただの嫉妬。
ただ、憧れる一方、男性に囲われた先に自分の欲する幸せはあるのかなとも考える。
結論、今の私は目先の華やかさに囚われないで、しっかり自分の足で立った未来を目指したいと思った。
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小説の素晴らしいところの1つは、自分の知らない世界を見せてくれるところだと思います。
本書の主人公は、プロの愛人。
お金持ちの人たちが作り出す煌びやかな世界と、自分とは全く違う価値観の人々に触れられておもしろかったです。
中村うさぎさんが素晴らしいあとがきを書かれてるんですが、私も主人公には1ミクロンも共感できずに、とはいえ、その確固たる価値観に圧倒させられました。
人の価値観は、若い頃の環境に影響される部分が多いと思いますが、若いうちから愛人として囲われている彼女の価値観が本当に独特で。
愛人とは、いわば妻のいる人とお付き合いするということですが、魅力的な男性に女性が集まるのは当然のことと言い、よくある不倫と違うのは、愛情や未来なんていう不確かなものを彼女が一切求めていないところ。
彼女は誠実さはお金として表れるものだと信じてやまない。
彼女にとっては、類まれなる「女の魅力」と引き換えに、相手がどれ程大切にしてくれるか(=お金を遣ってくれるか)が、重要なのです。
そして何がすごいって、彼女がその美貌や身体(あとは相手との駆け引きのための知略もそうですが)のみで、生活の基盤から貢物まですべてを手に入れているところ。
あとがきにも書かれていましたが、私もいつか無くなるそんなものだけで勝負をするなんて怖い、と考えてしまいがちですが、そういった若さを全力で享受するのも1つの生き方ですよね。
「週刊新潮」で連載されていたもののようですが、かなり官能的でもありました。10年後の彼女の話が読んでみたい。 -
プロの愛人というテーマで林真理子さんが描いたら、そりゃもう楽しいでしょう。
ゴージャスなレストランや、セレブの集まりなど華やかに描きます。
が、目隠し緊縛で秘密のSMショーに巻き込まれそうになった主人公が、
「これ以上、何かしたら警察に訴える!」と強気の発言で難を逃れたり、
部屋いっぱいの薔薇のプレゼントに、片付けを考えて萎えるあたり
林真理子さんらしくて良いです(笑)
薔薇よりバーキンよね♪と、私も思います。
マンションの権利書だったらもっと良い。
人はそれぞれの環境や立場で、うまく立ち回って生きていかなければならない。
そういった強い女性を描いたら、林真理子さんは抜群に面白いです。 -
時々後悔することもあるが、それもほろ苦い記憶として、やがて甘味を帯びて積まれていく。
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昔の林真理子さんらしい作品。
これをお相手の男性目線で書かれたものがあっても、おもしろいだろうな。 -
愛人のプロは美人だからできる選択肢。傲慢でも許されてしまうことに美人は得だとつくづく思う。物語の続きで麻衣子の晩年をみてみたい。
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バブル〜バブル崩壊後の時代を生きる
愛人のプロ、舞衣子の物語。
バブル崩壊後に生まれたわたしにとって
本当にこういう人いるのか…
バブルすごい…
というのが正直な感想です(笑)
舞衣子にとっての「花探し」なのか
おじさま達の「花探し」なのか…
真相は分からないまま、
物語は続いているように終わります。
あの時の舞衣子は今どうしているのだろうか…
林真理子さんにぜひ書いていただきたいです。
中村うさぎさんの解説も面白かった。 -
プロの愛人が主人公の話。
働かなくてもお金もらえていいなーと思ったけど、わりと大変そうだった。
私は貧乏でも自分で働くほうがいい -
愛人の女が、次のパトロンを見つけようとする話