甘いお菓子は食べません (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 944
感想 : 88
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206219

作品紹介・あらすじ

頼む……僕はもうセックスしたくないんだ。仲の良い夫から突然告げられた妻の動揺。〈土下座婚活〉が功を奏して知り合った男性に、会って3時間でプロポーズされた女の迷い。念入りに掃除をし、息子に手作りのおやつを欠かさない主婦が抱える秘密。諦めきれない悟れない、けれど若さはもう去った。中途半端な〈40代〉をもがきながら生きる、私たちの物語。心に深く刻み込まれる6編。

感想・レビュー・書評

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  • 40代女性の気持ちが、よく、表現されていると思った。
    わかりやすい伏線が、はられていて、読みやすく、殆ど一気読みでした。


  • 何となく積読から持ってきた田中兆子、短編よい…「結婚について私たちが語ること、語らないこと」

    描写の感触とか、話すこと話さないこと(心の中で思ったこと)の描き方とか、幸せの形の人それぞれさとか、伝わってくる、よいな〜沁みる。

    と、一つ目の短編で呑気なことメモっていたらふたつ目以降でどんどんぐいぐい引き込まれていった。すごいな田中兆子。なんでこんなにリアルなんだ、40代女性のさまざまな形のリアル。筆致がすごい。

    本屋でジャケ買いというかタイトル買いして長らく放置していたんだけど、タイミングで的にもタイムリーだったなと何となく思う。

    書かれることと書かれないこと、繋がってたり繋がってなかったりなところ、人生ってこんな感じだよなーとしみじみする感覚…濃くて薄くてやっぱり濃い。はーーー小説って良いな

  • セックスレス、アルコール依存症、独り身、
    問題をどう解決していくのかではなくて
    問題を乗り越えるまでの女性ならではの心理描写がよかった

    若い頃はどんな困難でも必ず解決策があるような気がしてたし
    今思えば「よくあること」「みんな通る道」だったのだなと思う

    30代後半以降は各々抱える問題は違くて話す相手を選ぶようになる
    こんなもんか~と日々に溶けていく悩みから
    鎮めようのない感情にとらわれることもあった

    幸せな家庭はどこの家庭も似ていて
    不幸は様々、、のような文章があったような。
    その通りだな、がんばれ中年女たち。(私も含め)

  • 40代女性の色々。40になったからとスパーンと割り切れるはずがないので、生きていく中で少しずつ変わっていくのを待つで良いのでは。
    選ばなかったこと選べなかったこと、諦められたりやっぱり諦めきれなかったり。意外なところで救われたり、先に光が見える気がしたり。
    誰もがこうではないのは当たり前だし、「もしかしたらこういう人もいるかもな」くらいでいないと自分を追い詰めるだけなので…年齢重ねていく中では出来るだけ無理しないのが大事です。人生の予行練習は誰にも出来ないので、小説は参考文献でもある。フィクションくらい、自由でいたい。
    「花車」「熊沢亜理紗、公園でへらべったくなってみました」「べしみ」が特に好き。「残欠」にだけではなく、他のお話にも金井美恵子や林芙美子がちらりと例えに出てくるのも良かったです。
    「どうして、埋まらないまま、耐えることができないのだろう」。思い出だけに生きるのは早すぎるからなぁ、40代って平均寿命、折り返しくらいだよ…あと半分以上あるかもしれんのに、と思う40代に足を踏み入れた者の感想です。

    解説、ケラリーノ・サンドロヴィッチさんの妻って緒川たまきさんだなぁと思いながら読んでしまった。。

  • 1年前くらいに買って、わたしにはまだ早いのかもと思って積読していた。読んだ。馴染んでしまった。まだ学生のくせにそれってどうなの、と思うけどそれ程身近でリアルなものになってた。結婚も性欲も親の介護も。

  • 40代の女性を描いた短編集。
    なんとなく頷ける部分もあったが、
    最後の話があまり好きではなくて
    気持ちが一気に冷めてしまった。

    話の何処かに出てきた人が、
    次の話の主人公…
    という作りはなかなか楽しかったです。

  • タイトルも表紙もすごく好き!
    内容も好きなはずなんだけど、なんでか、なかなか進まなかったなぁ。

  • 【2022年95冊目】
    さまざまな女の物語である。恋を、愛を、性を、生き様を描いており、時に共感しながら、時にただの第三者として読み進めた。

    結婚してようしてまいが、恋人がいようがいまいが、子どもがいようがいまいが、性欲に悩もうか悩むまいが、全て自分の選択で、結局は何かを選べば何かを手放すしかない。その結果が自分にとって良いものになるかそうでもないか、その時にはわからないのかもしれない。

    こんなにも「セックス」という単語があっけらかんと出てきた本を初めて読んだかもしれない。けれどいやらしさとかは微塵もなく、ああいろいろな女の話だなぁと思った。

  • 40代女性の短編集。結婚とか夫婦とか性欲とか仕事とかアルコール依存症とか、今28で独身の自分には分からない、女の悩みっていうか気持ち?が沢山出てきて、ちょっと生々しくて疲れるんだけど、1日で読み切りたい!と思ってカフェをハシゴして読みました。笑
    結婚したら、死ぬまでこのカップルのままの関係と気持ちでいられるのは難しいことなのかもしれないけど、その時その時の自分たちに合った、穏やかな関係性でいられたらなぁと思いました。本の中の、ずっと女でいたい。って気持ちはすごーくわかるし、すごく大事な事だと思う。

  • 「猫は猫でしかなく、猫じゃないとだめなのだ。」.
    に頷き.
    「自分のことばーっかり考えてると、大抵行き詰まるから。自分をみつめないこと。そんなヒマがあったら、他人を見つめたほうがいいよ。」.
    に、なるほど… と.

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