- Amazon.co.jp ・本 (359ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101211831
作品紹介・あらすじ
万葉歌人は、じつは恋愛下手でした──。若い大伴家持から恋歌を贈られた年上女性の、理性と情熱の揺らぎを描く「年下の男」。夫に愛想を尽かした妻が出した結論「しゑやさらさら」。恋の歌が苦手な女の前に現れた庭を愛する男との、不意の出来事が胸を焦がす「恋の奴」。その他、下級役人の滑稽な同棲「紅はかくこそ」など全七編。歌人たちのおおらかで不器用な恋の一瞬を、みずみずしく描く傑作。
感想・レビュー・書評
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万葉集を題材にした連作短編。
こことのここが繋がってるのねと、読んでいて面白かった詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
『万葉集』から抜粋した有名無名の和歌を題材に、奈良時代に生きた男女の心の機微を描いた歴史短編集。
編者の大伴家持をはじめ、縁戚や交友、政界の繋がりもまじえ、複数の視点から、万華鏡のような恋の情景が描かれる。
直情な情熱と、立場のしがらみ。
拙くも繊細な情の揺らめき。
人生の哀歓を率直に謳う、万葉人たちの群像劇を楽しめる。 -
万葉集の和歌を通した短編集。
一つ一つの話に大きな盛り上がりはないのだけれと、和歌が書かれた当時の文化・風俗が描かれていて、特に当時の食べ物(麦縄とか)は想像しながら読み進めました。
もうちょっと、自分過去の頃の文化に詳しければ、和歌や情景がすっと入ってきたのかな。 -
平城京のころ。
恋の歌。