- Amazon.co.jp ・本 (456ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101216416
感想・レビュー・書評
-
旅行に行くことができなくなったなぁ、と思いながら本屋の棚で見つけた本。
最近の夏は関西に行くことが多かったけど、今夏は無理。その感傷を埋めるために読んだ感あり。
読み始めはキャラクターがちょっと鼻について、ああこれって京都の人にしかわからない感じの人かな、と思った登場人物もいた。
しかし、読み進めるうち、正直、目の前にその料理があるような気がしてきて生唾ごくり(笑)。これは「おいしいもの」の力かな。
京都の街中を歩き回っている感覚がないわけでもない。それも悪くない。
リアルな京都に行っても、そんな高級なお店に近づいたこともないからなぁ。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
唯一無二のレシピを高額で買い取る小堀商店。芸妓さんや市役所職員たちが隠密チームみたいで面白い。レシピを売る側のドラマもそれぞれ良かった。どれも美味しそう。
-
このまま無くなっては惜しい店、惜しい料理を買い取るという不思議なエージェントの物語。
京都の百貨店の相談役である小堀善次郎の下で、買い取るべき価値ある料理を探すのは、芸妓ふく梅、小さな割烹店の店長森下淳、市役所の相談室副室長の木原裕二。
田舎者の僻みか、うわぁ、と最初は腰が引けた。
こういう「文化に貢献してます」っていう旦那衆かあ。
京都のお座敷で磨かれた味覚を持つ芸妓。
地元の人しか知らない小さな店で腕を振るう料理人。
京都の暮らしを知り尽くした地元の役人。
敷居が高いこと、夥しい。
と思うんだけれど、そこはうまくバランスをとってある。
小堀は東京出身。
淳はバスケをしに渡米して、目が出ず、現地の日本料理屋で料理人人生を歩み始めたという、料理人としてはエリートとは言い難い経歴。
ふく梅は若狭小浜の出身で、今が盛りの美人だが、初恋をいまだに引きずっている。
意外と人情派なのだ。
実感として「京都はあったかい街」とは、とても思えないんだけどなあ。
それに、やはり登場する料理がおいしそう。
たれ漬けのホルモンを、あっさりした「洗いだれ」にくぐらせて食べる焼肉。
一口サイズの具を、下味程度の淡い出汁で煮て、ソースで味をつけて食べるおでん。
これはこれに類する料理が実在するのだろうか。
あるいは全くの創作なのか?
気になる。 -
京都に行って 京都で買ったからこその良さが あった
-
京都弁を読む場面が多くて面倒くさい。筆者は京都の雰囲気に浸らせておきたいのかもしれないけど。レシピを買うというのがボランティア・人助けな感じでリアリティがないストーリーである点が個人的に残念。テレビドラマとかにしたら面白いのかもしれないけど。
-
稀有なレシピを集めるチームのお話。
なんか京都のイケずな雰囲気がでてるような。。。 -
ここ最近ブームの料理ものの連作短編集。京都を舞台に「レシピを買い取る店」というアイデアで、既存の作品との差別化を図っている。気楽に読める点はいいんだけど、小説としては物足りなさが勝ったかな。